©︎西部裕介
2023年4月7日(金)から約2週間にわたり、東京・表参道の「シボネ」にて、日本を代表する陶芸家・小野哲平の個展が開催される。「シボネ」での開催は約8年ぶりとなる本展には、薪窯焼成による器やアートピースが勢ぞろい。
©︎西部裕介
2023年4月7日(金)から約2週間にわたり、東京・表参道の「シボネ」にて、日本を代表する陶芸家・小野哲平の個展が開催される。「シボネ」での開催は約8年ぶりとなる本展には、薪窯焼成による器やアートピースが勢ぞろい。
日本を代表する陶芸家・小野哲平さんの大規模個展が開催される。展覧会のタイトルは『エナジー・オノ・テッペイ』。
会場には、壺やアートピース以外に、直径30cmを超える大皿や、めし碗、取り皿、カップが並ぶ。決して派手ではなく、日々の暮らしで何気なく使える器なのに、作家のみなぎるエネルギーを感じさせる。それこそが、小野さんの作品の特徴だ。
師匠である鯉江良二さんのもと、大いなる刺激を受けながら学んだ小野さん。若いころは、自分の内に秘めた、暴力にも似た強い感情を爆発させるかのような作品を作っていたのだそう。年を経て、誰かに寄り添うような器を作りたいと考えるようになり、作風に変化が表れた。
「自分のやらなきゃいけないことは、昔も今も、何も変わってない。やることは、自分の中で決まっていて、自分の仕事ができる限りで、どこまでそれに近づけていけるか」(小野さん)
個展会場となる「シボネ」のディレクターは、この言葉を聞き、肩の荷がおり、背中をポンと押された感覚になったと話す。「1つの器と出合い、手に取るという、とてもシンプルなやりとりの中で得ることのできる『生き抜く力』を、わたしたちも信じています」
小野さんが心を込めて土から生みだした器に触れると、こちらまで活力が湧くような気がする。この不思議な感覚を、ぜひ、本個展で味わってみてほしい。
1958年愛媛県生まれ。鯉江良二氏の弟子を経て常滑にて独立。1984年よりタイ・ラオス・インドなどアジアの 国々を旅する。1998年高知に移住。棚田が美しい高知の山あいに住み、めし碗、皿、鉢、湯のみ、日々の暮 らしのなかで使われる土のうつわをつくる。2010年現代美術家の村上隆氏のカイカイキキギャラリーにて個展開催、以後、国内外、特に中国、台湾では熱狂的な支持を集める。2022年CIBONE Brooklynのオープニング個展開催。コロナ禍においても力強い存在を示している。www.une-une.com
Text: Ayako Tada Photo: Yusuke Nishibe、Yusuke Abe Produce: Shoken Tomoo (UTSUWA SHOKEN KAMAKURA)