GINZAが選ぶ映画3選 4月〜5月のおすすめ

さよなら、僕のマンハッタン

映画 さよなら、僕のマンハッタン©2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC

『(500)日のサマー』(09)や『gifted/ギフテッド』(17)で知られるマーク・ウェブ監督最新作は、現代が舞台ながら、不思議とウディ・アレンが描いた70年代後期頃のNYを思わせる作品だ。凡庸なシティボーイ、トーマスは恋も人生もうまくいかず、鬱々としていた。けれど、隣の部屋に引っ越してきた怪しすぎるおじさまW.F.と、完璧な父が隠していたお色気たっぷりの愛人と出会い、青年期という窓から飛び出すことになる。W.F.に扮するいぶし銀俳優ジェフ・ブリッジス率いる熟練陣と、主演のカラム・ターナーや、彼が恋するミミ役のカーシー・クレモンズらフレッシュなヤング勢との掛け合いは、NYの今昔を行き来しているようで面白い。4/14より、丸の内ピカデリーほかにて公開。

 

君の名前で僕を呼んで

映画 君の名前で僕を呼んで
©Frenesy, La Cinefacture

初恋は誰にでも訪れるが、その恋と喜びと痛みとどう向き合ったかどうかがその後の人生を左右する。83年の夏、北イタリアの避暑地にやってきた17歳のエリオは、大学教授の父がアメリカから招いた24歳のオリヴァーと出会い、特別な思いを抱くようになる。言葉でなく、行動に好きがあふれて止まらない。そして、オリヴァーが去る日が近づく。気がつくと、エリオを見つめる父と母の最高すぎるまなざしに、スフィアン・スティーヴンスの歌に、エリオに扮するティモシー・シャラメの美しさにひれ伏しながら、涙を垂れ流していた。監督はルカ・グァダニーノ。御年89歳の巨匠ジェームズ・アイヴォリーが、本作でオスカー脚色賞を受賞した。4/27よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開。

 

アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル

映画 アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル©2017 AI Film Entertainment LLC. All Rights Reserved.

トーニャ・ハーディングは、貧困家庭で厳格な毒母に育てられ、アメリカ人女性初のトリプルアクセルを成功させた実在するフィギュア・スケーター。本編は彼女の半生をなぞり、「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の真相に迫る。1994年のリレハンメルオリンピック出場権を得るため、トーニャは元夫らにライバル襲撃を命じたのか否か。実際の関係者の証言をもとに、それぞれの主張の食い違いもまるっとそのままに構成したドキュメンタリー調の映像がたまらなくおかしい。トーニャ役のいつもは美しすぎるマーゴット・ロビーや母役のアリソン・ジャネイの本人と見紛うほどの熱演にシビレる。監督は『ラースと、その彼女』(07)のクレイグ・ギレスピー。5/4(金・祝)よりTOHOシネマズほかにて全国公開。

Text: Tomoko Ogawa

2018年5月号掲載