編み物と聞くと、オカンアートだったり手芸の枠を越えないほっこりしたイメージがまだつきまとうが、今やかなりぶっ飛んだクールなアートの世界になっていることに、気づいている人も多いのではないだろうか。映画『YARN 人生を彩る糸』は、糸をつむぎ、編む4組のアーティストをフィーチャー。家の中にあった手仕事を街中に引っ張り出してゲリラで装飾していくヤーン・グラフィティ・アーティストのティナや「わたしの狂気が編み物になる」をスローガンにかぎ編みをしまくるマッドアーティスト、オレク。
白い糸の上でパフォーマンスを見せるサーカス・シルクール。
日本からもカラフルなネット遊具の作品で知られる堀内紀子が登場する。
YARNは名詞だと糸を意味するが、動詞にすると「面白い冒険談をたくさんしゃべる」という意味になるそうだ。まさにおしゃべりでユニークなニット作品は、灰色の日常を魔法のように冒険の世界へと変えていく。
糸に人生そのものを見出した4組のアーティストを追ったドキュメンタリー。監督は、アニメーターとしても活躍するアイスランド人女性監督ウナ・ローレンツェン。渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開。
©Compass Films Production 2016