SEARCH GINZA ID

MES:空間をレーザーとテープで拡張する、新しい挑戦で魅せる|GINZA CREATER’S FILE vol.4

MES:空間をレーザーとテープで拡張する、新しい挑戦で魅せる|GINZA CREATER’S FILE vol.4

映像の分野で活躍する気鋭のクリエイターをマンスリーで紹介する連載「GINZA CREATER’S FILE」。第4回目は、谷川果菜絵(KANAE)と新井健(TAKERU)が結成した先鋭的な活動を行うアートユニット、MESをピックアップ。映像に出合ったきっかけ、これまでの作品に込められた想いを聞きました。


MES
レーザー、 テーピングアートユニット

MES レーザー、 テーピングアート

空間をレーザーとテープで
支配する新しい挑戦とは

レーザー光線をグラフィカルに使ったレーザー・アニメーションや、ブラックライトで光る蛍光テープでライブ・ペインティングならぬ「ライブ・テーピング」など、先鋭的な活動を行うアートユニット、MES。東京藝大在学中に、谷川果菜絵(KANAE)と新井健(TAKERU)が結成したユニットだが、最初は大人数のグループだったという。

KANAE(以下K) 「最初はいろいろな技能を持った人が集まる集団で、グループ展や即興をしていたんです」

TAKERU(以下T)「KANAEが美術研究専攻で、僕が彫刻科で。もともとレーザーを使い出したのも、僕が蝋の彫刻をレーザー光線で溶かすというライブ・パフォーマンスをやりたいと思ったのがきっかけだったんです」

 

── 蝋をレーザーで!?

K「そのパフォーマンスを渋谷のクラブの関係者の方が見に来てくれて、『うちで映像演出やってみない?』って声をかけてくれたのが、レーザーでパフォーマンスを始めた理由です」

T「最初はレーザービームでDJブースを演出していたんですが、徐々にアニメーションになっていって。映像としてレーザーの軌道を制御するようにして、光とフロアが融合するようなパーティの形ができてきたんですよね」

K「DJブースを越えて壁全体を演出したり、床に、海のようにレーザーのアニメーションを広げて、お客さんがその中で踊ったり……」

T「レーザーを何台もバラバラの方向に設置して、フロアの空間全体を演出できるようにしたんです」

K「そのうちにレーザーだけでは飽き足らず、蛍光テープを使ったアートワークもやり始めて(笑)」

 

── テープ会社にスポンサードしてもらっているのがすごいですよね。

T「ありがたいですね。その蛍光テープのアートワークとレーザーでのVJを一緒にフロアで展開するパフォーマンスを、渋谷のクラブを中心にやっているのが活動の中心です」

K「MESではクライアントワークも多く行っているんですが、クラブでの活動を見てくれたアパレル会社さんや飲料会社さんなどからオファーをいただくことが多くて。私たちの活動の根源には音楽があるので、クラブというアンダーグラウンドな空間から、結果的に仕事につながっていくのがすごく面白いと思います」

 

── MESのレーザー作品もテープ作品も、設計図が描かれているような緻密さがありますよね。実際に制作はどのようにされているんですか?

T「事前のシミュレーションなどは行わず、現場に入ってライブで作るんです。自分が彫刻をやっていたので、空間にビジョンが見えるというか。あとはそれを実際にレーザーやテープで実装していくというやり方ですね」

K「事前の下見や打ち合わせを綿密にやって、作品は現場で作る。自由ですね」

T「僕らが最初に出した映像作品([Sh0h feat. MES “Re: Humanize”])は、ヒューマンビートボックス日本王者のSh0h君の人間の口から出る声とレーザーを合わせるというビデオで。その時は、彼の出す音ひとつひとつにはどういう形のレーザーが合うのかをMESですごく話し合いました。もう、ノイローゼになりそうなくらい(笑)。レーザーを出すタイミングもその瞬間瞬間で手で操作するので、もう必死でした」

K「『Red Bull THE WHITE EDITION』でも4組のラッパーと一緒にセッションしたり。最新作でもビートボクサーのKAIRIとコラボレーションしているので、〝声〟とレーザーをこれだけやっているのは私たちくらいかもしれません(笑)」

T「最近では、蓄光素材にレーザーでアニメーションの軌道を描いています」

K「書道家の万美さんとコラボレーションして、2メートル50センチくらいの蓄光素材の掛け軸に書道の文字を映していくというインスタレーションを作りました。光が消えていくような夜の街をイメージして……」

T「蓄光だと1分くらい像が残るので、光が乗って色が重なるのがいいんですよ。レーザーの光というすぐ消えてしまう刹那的なものを1分間だけでも空間に留めておけるというのがピンと来たというか、新しい方向性になりそうだなと」

これからのMESの活動も進化を止めることなく続いていきそうだ。

 

MESが手がけた映像作品とアート作品

MES めす

2015年より始動。演劇や音楽、カウンターカルチャーに影響を受け、美術館やギャラリーなどのホワイトキューブだけではなく、ライブハウスやクラブなどの“ブラックキューブ”における展示、イベント、パフォーマンスを行う。

HP: http://mesmesmes.asia/
Instagram: @mesmesmes8
Twitter: @mescalingallery
Facebook: @mesmesmes.art

Photo: Takayuki Taneko Text: Akiko Saito

#Share it!

#Share it!

FOLLOW US

GINZA公式アカウント

PICK UP

MAGAZINE

2021年5月号
2021年4月12日発売

GINZA2021年5月号

No.287 / 2021年4月12日発売 / 予価860円(税込み)

This Issue:
カラフルを着て街へ出たい

思い切って色を楽しむ
春のファッション

...続きを読む

BUY NOW

今すぐネットで購入

MAGAZINE HOUSE amazon

1年間定期購読
(17% OFF)