15 Feb 2023
6万冊の漫画、歴史的木造建築の映画館。昭和遺産の中でエンタメに泣き笑い

かたや築50年、かたや築80年。歴史を感じる建物で楽しむエンターテインメント。
6万冊の蔵書に我を忘れる
少女まんが館
赤い屋根と水色の外壁がひと際目を引く!館主の中野純さんと大井夏代さんが“少女漫画ワールドを永久保存”しようと立ち上げた私設図書館。1971年築の母屋など4つの建物がL字に並び、大島弓子や山岸凉子ら24年組をはじめとする1970年代のタイトルが大集合。中には2000年までの少女まんが雑誌、付録などもあり、貴重な資料を自由に閲覧できる。
昭和の雰囲気をそのまま踏襲した館内には、文机、ちゃぶ台、コタツなどが。あまり手入れされていない庭も“あえて”そうすることでタイムスリップしたような気分を味わえる。中ではお茶をいただけるので、友達の家を訪れた心地にもなる。
館主の大井さんは、「どんな人でも子どもの頃に戻って、漫画に夢中になれる場所になれば」。直感に任せて手に取った一冊が、お宝作品だったりするかも!

階段下から2階まで、びっちりと埋め尽くされた作品。

少女まんが館
住所: 東京都あきる野市網代155番5
Tel: 042-519-9155
毎土曜開館時のみ予約制。冬期休館。
映画の街のバトンを受け継いで
シネマネコ
サブスクで気軽にアクセスするのもいいけれど、趣あるミニシアターでの鑑賞は、また格別!かつて映画の街として栄え、今でも名画座の看板といった昭和ムードが残る東京・青梅の街で、築80年以上の木造建築をリノベーションする形でスタート。
「有形文化財に登録された建物の雰囲気を生かして、木の温もりを感じられるように。エントランス、劇場内など天井の梁が見える内装になっています。座席は、閉館した新潟県『十日町シネマパラダイス』から譲り受けたもの。壁に漆喰の下地だった木ずりや、廃材も再利用するなどサステイナブルな建築を目指しました」と代表の菊池康弘さん。
劇場内はドルビーサラウンドの大迫力音響など最新設備を導入し、飲食メニューが充実しているカフェも。猫の形をしたフレンチトーストが人気。

Text&Edit: Yoko Hasada
GINZA2022年12月号掲載