SEARCH GINZA ID

『ラップ・ミュージアム展』が話題。今の社会にこそ使える“ヒップホップ”的思考!? ダースレイダーさんに聞く、これからの日本語ラップ

『ラップ・ミュージアム展』が話題。今の社会にこそ使える“ヒップホップ”的思考!? ダースレイダーさんに聞く、これからの日本語ラップ

日本初となるラップだけの展覧会『ラップ・ミュージアム展』が市原湖畔美術館で開催中だ。ラップ×展覧会というだけで、とにかくおもしろそうなこの展覧会。オープニングの模様はこちらの記事でお届けしましたが、今回は今展覧会にも協力しているミュージシャンでラッパーのダースレイダーさんにお話を伺います。


ダースレイダーさんに聞く!
これからの日本語ラップはどこへ?

 

ブームという枠を超え、音楽の一ジャンルとして確立した日本語ラップ。これからどうなるんでしょう?

「日本語でやってることが今のブームの理由。技術だけじゃなくて、観客に日本語で意味がちゃんと通じてるのが重要だと思う。ラッパー自身が日本語で伝える技術自体もすごく進化してるから、観客も見たり聞いたりして楽しいし。ラップは日本語として最先端のものだから、もっと広まって進化していくと思う。」

なるほど。日本語ラップ界で今注目していることは?

「低年齢化がすごく進んでること。8歳とか10歳で、形としてのラップができるし、子供なりに普段自分たちが使ってる言葉でラップする子が増えている。それが進んだら、ラッパーの最適年齢って15歳~20歳くらいになると思うんですよ。ラップもある程度のルールとかメソッドが共有されて、小さい頃から始められるようになれば、将棋の藤井君みたいに小中学生で神童みたいな子が出てくるはずで、すごく期待してますね。」

実はこの日のMCバトル、参加者の多くが10代なんだとか。

「大人になったラッパーは人生経験含め彼らだからできる表現がある。でも、最先端のリズムと日本語の解釈は若い子の方がつかむし、やっぱりラップは常にユースカルチャーであってほしいと思います。ロックとかパンクとかが当時の人たちのまんま歳とっていくのは仕方ないけど、ラップにしばりはないし、ずっと変わり続けていくはず。世相でリズム感が変わるし、その時のみんなが気持ちいいと思うリズムに乗ってやるものだから。」

スキルや経験値と進化が同時に起き続けることこそ、ユースカルチャーの条件。そんな未来を大人が言えるところにも、ますます共感しちゃいます。

R0000119_R

展覧会のオープニングにて、MCバトルに参加したラッパーの人たち(全員ではありません)。展示でも何でもない場所で、いきなりフリースタイルが始まった!

 

今の社会にこそ使える“ヒップホップ”的思考

今回の展示だけじゃなく、バンド活動や、テレビ出演、番組やイベントの企画など、あらゆるメディアと積極的にコラボするダースレイダーさん。その心は?

「僕の感覚では、ヒップホップとは、日常生活、友達のこと家族のこと、地元のこと、国のこと、観た映画読んだ本聞いた音楽とか日々いろんなインプットを、自分なりにアレンジしてアウトプットすること。インプットする機会を増やすことがヒップホップ的なんです。

そこで大事なのは「翻訳」。自分が当たり前だと思ってることを、そうじゃない人とつなげるには、自分の言語をわかりやすく解体して伝えないといけない。わかる人同士が阿吽の呼吸でわかり合ってしまうと同時に、失われていくものがあるし、話が通じない人に対してもそれをどう試みるかがすごく大事だと思う。」

まさに活動自体がヒップホップ。その思いは、分断が深まる現代社会に対して感じていることでもあるそう。

「今の世界が分断していっている背景にも、通じる相手とばっかりいて、あいつらよくわかんないし俺たちだけでやろうぜってなっちゃうのがあると思う。

今ではラップも音楽の一ジャンルとして定着してるけど、90年代はまだ確立していなくて、自分たちのやってることを相手にきちんと伝えないと一緒にいられなかった。今はどの分野でも細分化されたジャンルが成立する場所が増えていて、それゆえに、もっと大きな世界とのつながりが失われている。そんな現状を変えていくために、ヒップホップ的な発想はすごく使えるんです。」

R0000110_R

インタビューに答えてくれたダースレイダーさんと、MCバトルの審査員を務めた宇川直宏さんのツーショット!

現代の社会をリアルに切り取り、それを変えていく力がヒップホップにはある。そんな勇気をもらえる、この夏のラップ展。市原行はマストです!

 

ラップ・ミュージアム展

会場:市原湖畔美術館
会期:2017年8月11日(祝)~9月24日(日)
開館時間:平日/10:00-17:00、土曜・休前日/09:30~19:00、日曜・祝日/09:30~18:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
料金:一般800(700)円/大高生・シニア(65歳以上)600(500)円。()内は20 名以上の団体料金。中学生以下・障害者手帳をお持ちの方とその介添者(1 名)は無料。
ウェブサイト:http://lsm-ichihara.jp/exhibition/2017/rapmuseum

 

【関連イベント情報】
820日(日)15:3019:30
特別映画上映「サウダーヂ」
参加費:1200円(一般)・900円(大高生・65歳以上)
定員:70名
スペシャルトークゲスト:富田克也(同映画監督)、相澤虎之助(同映画脚本)、田我流(ラッパー、同映画主演)進行:磯部涼
参加予約は、下記のフォームから:
【料金前払い制】(Peatix)http://ptix.co/2eDjRpD
【当日払い制】https://ssl.form-mailer.jp/fms/0ce01f3c523975

 

827日(日)9:3018:30(予定)
毎年恒例 開発好明と夏の子どもキャンプ「巨人デーデッポ vol.5 feat.ラップ・ミュージアム展
対象:小学生 定員:20名 *応募者多数の場合、抽選となります。
参加費:3500円(材料費、昼食費込み)
参加申し込み締め切り:7月28日(金)23:59
参加予約・イベント詳細はこちらのページから:http://lsm-ichihara.jp/event/
*その他、9月中のイベントも続々決定中!詳細はウェブサイトをチェック→http://lsm-ichihara.jp/exhibition/2017/rapmuseum

柴原聡子

建築設計事務所や美術館勤務を経て、フリーランスの編集・企画・執筆・広報として活動。建築やアートにかかわる記事の執筆、印刷物やウェブサイトを制作するほか、展覧会やイベントの企画・広報も行う。企画した展覧会に「ファンタスマ――ケイト・ロードの標本室」、「スタジオ・ムンバイ 夏の家」など

#Share it!

#Share it!

FOLLOW US

GINZA公式アカウント

関連記事

PICK UP

MAGAZINE

2020年10月号
2020年9月12日発売

GINZA2020年10月号

No.280 / 2020年9月12日発売 / 予価840円(税込み)

This Issue:
“かっこいい”を考える

“かっこいい”をキーワードに
思いをはせる。

...続きを読む

BUY NOW

今すぐネットで購入

MAGAZINE HOUSE amazon

1年間定期購読
(17% OFF)