東京インディーシーンでDIYな活動を見せるイット・ガールたち

東京インディーシーンでDIYな活動を見せるイット・ガールたち

いつの世もその時代に支持されるアーティストはファッションや自身のスタイルで、本人が望んでか望まざるかはさておきその時代を象徴するように感じられます。バンドシーンからはYUKI、ソロシンガーでは宇多田ヒカル・浜崎あゆみに安室奈美恵など…。当時の東京で奮闘する女の子の1つの素晴らしい生き方のお手本として体現しているように思えました。

昨今のインディー音楽シーンを見渡すと、スマホで、ウクレレで、ある人は南米の楽器を駆使して、楽曲制作をする女性達がちらほら出現。彼女たちに共通しているのはそれぞれがインディペンデントな精神を持ち、既存の常識に縛られることなく、DIYに活動しているということ。時代の要請かはさておき、各々がスタイルを確立し表現している姿を目の当たりにするとなんだか“今っぽく”感じられてしまうわけです。というわけで、今回は時代の繋ぎ目に現れた明日のItgirlとなりうる注目の4人を紹介します!

 

Tempalayのメンバーとしても活躍!
脱力系Lo-Fiサウンドをならす女の子

最初に紹介するのは、様々なライブやレコーディングの客演でバンドシーン好きの間では既に注目を集めるAAAMYYY(エイミー)。
ジャズやR&Bを下地に自らの音楽を展開するアーティストTENDREのサポートメンバーとして活躍するほか、ジミ・ヘンドリクスやクリームなど60年代サイケに影響を受けた音を鳴らすバンド・Tempalayにもこの7月に正式メンバーとして加入!

 

彼女が作曲に目覚めたのは22歳の頃。「カナダに留学中、スケートクリップ用のBGMを作ろうと思ってやり始めたDTM(デスク・トップ・ミュージック)の面白さに目覚めたのがきっかけ」古いアナログ・シンセサイザーやサンプラー。ときにiPhoneのアプリの音色をインスピレーションに自身の日々言葉にできない葛藤やもやもやを音楽にしているといいます。2月には初のフルアルバム『BODY』の発売を控えているようです。

 

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最近ではファッションアイコンとしても注目を集める彼女。普段のファッションは「着心地がよくて、背伸びしないスタイルが好き」と話します。アイコンとして参考にしているのは、ボストンの10代のトラックメーカーClairoをはじめ、Grimes、MØ、Billie Eilishなどのミュージシャンたち。やっぱり国こそ異なれども、音楽家は音楽家にシンパシーを感じるものなんですね。

 

 

生きるのに不器用でもいんじゃない?
ウクレレとシンセで人生を讃える女の子

時にはウクレレを弾き語り、時にシンセを使いこなして、キュートな謎ダンスを披露してみせたり…。はじめてライブで彼女の超オリジナルなダンスを見た時に目を離せなくなってしまったのが、このannie the clumsy(アニー・ザ・クラムジー)。その後、だいぶ飛んじゃってるYouTubeチャネル“annie the clumsy show”を見て、なんでこんなコミカルな動画をアップし続けるのかがやけに気になる存在に。

 

彼女が音楽づくり&YouTubeに動画をアップし続けるきっかけは、2012年にたまたまYouTubeでニュージーランドのコメディ・デュオ「Flight of the Conchords」のクリップを見つけたときまで遡ります。「彼らが何でも身近な話題を音楽にして歌っているのを見て、それが面白くて。なんでも身近なことを話題にしていいなら自分でもできるかなと思ったのがきっかけ」。それから彼女は2010年頃付き合っていた元カレからクリスマスプレゼントに貰ったウクレレを手に楽曲制作をはじめたといいます。…エピソードがエモすぎる。

 

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一方でCM用の楽曲を作曲し、自ら出演したり、EVISBEATSとコラボソングを手掛けるなど活躍の幅を広げているannie the clumsy(アニー・ザ・クラムジー)。6月に発売されたアルバム「Broaden Your Minds, You Must Look Beyond.」は自主制作にして、キャリア初の自主リリース。タイトルは「心を広げて、彼方を見てみよう」という意味。「私自身、生きるのに不器用な人。私みたいに感情の起伏が激しい女の子に聴いてほしい」んですって!

 

モードなファッションに身を包み、
一心不乱にスティール・パンと向き合う女の子

スティール・パンというトリニダード・トバゴで生まれた魅惑的な楽器を用いた演奏で様々な客演で注目を集めているのが小林うてな。黒を基調としたファッションに身を包む彼女が一心不乱にスティール・パンに向き合う姿は若手バンドD.A.N.のライヴやMVで観てきた人もいるのでは?

20歳のときにスティール・パンをライブで披露すると同時にパソコンのデスクトップで作詞・作曲をはじめたという彼女。自らの音楽を作るときのフィーリングについては「希望のある受難。泣きながら笑う」というような反対の感情があると話します。また「救いはあると信じて、悲しみを武器にしないこと」をモットーに、1つの身体にある反対の感情に同時に向き合った表現を行っています。早いBPMで電子的で硬質なサウンドを奏でながら、歌い踊るボーカルのパフォーマンスは言葉をのむほどの衝撃があります。

音楽活動を進めるなかで、今年に入ってからは自らが所属するレーベル「BINDIVIDUAL」を立ち上げ、女性ユニットBlack Boboiを本格始動させました。先日のAmazon Fashion “AT TOKYO” after partyでもBlack Boboi名義で出演を果たすなど、来年の注目ユニットとしてコアなリスナーから熱視線を注がれています。

 

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彼女自身は至ってフラットで、ソロとユニットを行き来することの楽しさについて「ユニットでは愛とリスペクトを持って、一緒に音楽をつくることができる。そしてそれは一人になっても暖かい気持ちにさせてくれます」と話してくれました。彼女が生み出す新しい音楽と魅惑的な音色を奏でるスティール・パンは私達にどんな景色を見せてくれるのでしょうか。

 

 

ゴシックもサイケも自身のルーツ
芯のある歌声で各所に引っ張りだこな女の子

ボブヘアに、強い眼差しが印象的なUCARY & THE VALENTINE(ユカリ・アンド・ザ・バレンタイン)。2016年にフリーランスのレーベル『ANARCHY TECHNO』を立ち上げて以来、くるりや銀杏BOYZ、Art-Schoolなどのバックコーラスでコラボレーションを果たすなど、彼女の歌声をどこかで聴いたことがある人は沢山いるはず。あのくるりの『琥珀色の街、上海蟹の朝』で、“上海蟹、食べたい♪”と岸田さんと一緒に歌っているバックコーラスといえば、話がはやいでしょうか?

そんな彼女は音楽の目覚めは早熟。なんと9歳の頃、母の日にプレゼントとして作詞作曲した楽曲を披露したといいます。アンディ・ウォーホルのミューズとして長きに渡って君臨していたイーディ・セジウィックのファッションにも影響を受けており、ダークでモノトーンな衣装に身を包んだかと思えば、サイケな楽曲・ライブごとにカラーを変えて披露してくれます。カラフルになる音像などライブでのファッション自体も彼女の魅力といえることができるかもしれません。

 

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いかがでしたでしょうか? 自分の気持ちに正直に、自分らしいやり方で、誰かに媚びることなく音楽活動を続けている彼女たち。そのスタイルそのものがクリエイティブで、なんとも前向きな熱が自分の心から湧いてくるのを感じませんか?

明日のミューズたちが“軽やか”に“真摯”に表現していること自体が、未来は明るいと思わせてくれるんです。2019年、そしてまだ見ぬ新年号の年にも彼女たちのような素敵なクリエイターがたくさん生まれる年になりますように。

冨手公嘉 HIROYOSHI TOMITE

1988年埼玉県生まれ。フリーランスの編集・文筆業。紙・WEB・イベント問わず企画・編集、及び執筆業を行う。2018年4月に霧の中で音楽を味わうライブイベント『Fog.』を原宿VACANTで主催。9月にはリソグラフ印刷技法を取り入れた冊子『GRADIENT』を制作し展示を行った。

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