名作、怪作そろい踏み!唯一無二の表現を磨いて人間の輪郭に光をあてる。広くて深い現代日本文学の海から編集部セレクトの小説と随筆を紹介。全32冊から今回はNo.16からNo.18の本をピックアップ。#32冊の現代日本文学
🎨CULTURE
GINZA編集部が32冊の現代日本文学をレコメンド vol.6|森見登美彦『四畳半タイムマシンブルース』etc.
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『四畳半タイムマシンブルース』
森見登美彦
『四畳半神話大系』と戯曲の名作がコラボ。サエない学生のるつぼ《下鴨幽水荘》で冷房のリモコンが水没。酷暑の中で絶望する《私》らは事故を防ぐべく、タイムマシーンに乗って《昨日》に向かう。過去を変えると明るい未来が待っている!?(KADOKAWA/ ¥1,500)
17
『高架線』
滝口悠生
池袋から西へ伸びる西武線の駅近くに立つ《かたばみ荘》。かつてそこに住んだ新井田千一、その紹介で入居するも姿を消した男、男の幼なじみとその妻……語り手を変えながら小説の中で時間が流れ、記憶の断片が静かにつなぎ合わされていく。(講談社/¥1,600)
18
『村上T 僕の愛したTシャツたち』
村上春樹
赤、青、白、黒、緑に水色。ケチャップ、サーフィン、書店名にバンド名。動物プリントから自分の名前や作品名がプリントされた限定品まで。村上春樹の膨大なTシャツコレクションから108枚のお気に入りをカラー写真&エッセイで。(マガジンハウス/¥1,800)
Photo: Natsumi Kakuto Text: Mako Matsuoka Collage: Takashi Tanaka