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17 Dec 2020
11月16日から1週間にわたり、最新コレクションを発表するためにオンラインでムービーを発信したグッチ。
クリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレと映画監督ガス・ヴァン・サントの共同監督で撮影されたこの短編映画シリーズについて、1エピソードずつ女優・橋本愛、編集者・野村訓市、写真家・石田真澄にそれぞれの視点で語ってもらい、ginzamag.comでグッチにならって毎日アップしていきます。
最終話は主人公シルヴィアが夜のローマの街をさまよい歩くエピソード7。
前エピソード:-「ヴィンテージショップにて」-
橋本 愛
ニットベスト¥120,000、タイ付きブラウス¥150,000、スカート¥175,000、ソックス¥17,000、シューズ ヒール8.5cm ¥102,000(以上グッチ|グッチ ジャパン)
優しさ溢れる撮影現場に
私もいつか出合いたいです
エピソード1ではアレッサンドロのデビューコレクションの花柄のドレスをシルヴィアがバルコニーから宙に投げ、今回は赤いドレスと戯れていた男性が突然ハサミで裁断。シリーズを通して、「破壊と再生」のようなものをすごく感じました。
シルヴィアはこれまであまり言葉を発していないし、人柄についてもそんなに語られてこなかったけど、詩を読み上げる姿に情念がみなぎっていて、愛に生きている人だということが伝わってきました。そんなシルヴィアにとびきりロマンティックな夜をプレゼントした、という最後だったのでは。私にとってファッションの神様みたいな存在のアレッサンドロと偉大な監督であるガス・ヴァン・サントが率いる撮影現場はきっと優しさに溢れていたんだろうと思います。私もいつかそういう場に出合いたいです。
アレッサンドロがグッチのクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、毎シーズン100%の信念を感じます。本当にすごいことだと思いますし、ずっと好きなブランドであり続ける気がします。このシリーズが発表された「GucciFest」では、アレッサンドロが選んだ新進ブランドのショートフィルムも上映されましたが、芸術の持つ力を信じて人や世界を巻き込める彼だからこそできる粋な企画だと思います。きっとファッション、映画、音楽などに関わる人たちを鼓舞するはずです。
新型コロナウイルスの感染拡大は全世界共通の壁となっていますが、それが私たちの共存意識を高めているのかもしれない。そんな時期に発表されたこのシリーズは、人と人とのつながりを再認識できる作品なんじゃないかな、と思います。
シルヴィアはインターホンに向かって情熱的に詩を朗読する。
野村 訓市
今こそ新しい伝え方を
考えなければならない時
こういう結末に至った、と言いたいというよりは、シルヴィアを使いながら自分たちの世界観や思っていること、ものづくりの仕方を表現しているんだと思います。切れ目がないシリーズなので、1日を朝でスタートする必要がないように、気に入った「絵」のエピソードから観始めてもいいと思います。
今は1曲聴いて気に入ったらそれだけしか買わないし、1話完結みたいなキャッチーなものじゃないとみんなが注意を向けてくれない。そんな中、音楽で言うとコンセプチュアルなアルバムのような抽象的な話のオムニバスを発表するのはすごく面白いな、と思いました。世界中の人を一箇所に集めて、10分程度でルックを全部ばっと見せて、あとはランウェイの画像をまとめたサイトを見てください、といった形式よりは全然いい。毎日1週間かけて、丁寧に自分たちのペースでファンタジックにコレクションを見せることで新しい意思表示として伝わったのではないでしょうか。
コロナ禍も関係したかもしれませんが、遅かれ早かれ発表方法を考え直さないとだめな時代なんだと思います。ショーに招待されたらうれしいしお祭りみたいで楽しいけど、いつまでこういうことを続けるんだろう、とは頭のどこかで思っていました。そもそも論をそれぞれ考えざるを得ないタイミングがきているのではないでしょうか。
自身の作品同様に、最終話ではガス・ヴァン・サントがカメオ出演している。
石田 真澄
エピソード7のイメージ写真を石田真澄さんが撮り下ろし
芸術には「失敗」も「間違い」もない。
受け手が自由に解釈していいと思います
韓国の男性アイドルグループEXOの元メンバー、ルハンが出てきてびっくりしました。シルヴィアは英語なのに、ルハン演じる紳士が中国語で返しているのも印象的。ルハンは赤いドレスをまるで女の人を扱うかのように愛でていたのに最後切っちゃうのはなんだか滑稽でした。その後、シルヴィアは映画『ローマの休日』みたいにスクーターに乗って「ザ・ローマ」といった象徴的な場所を駆け抜けます。シルヴィアの中で結論が出て、すっきりして終わったんだろうな、と思いました。
最近はこう汲み取ってほしい、と説明するのではなく、どう受け取ってもいいですよ、というスタンスの発表の仕方が多い気がします。私もそのスタイルが好きだし、自分の写真をこういう風に見てほしい、といった気持ちは全くありません。写真集を作る時も、信頼しているデザイナーや編集者にタイトルもセレクトも並び順も任せています。作り手側にこう見てほしい、という意図がない場合、「誤読」は生じません。私は芸術には「失敗」とか「間違い」はないと思っています。受け手が自由に解釈していいのではないでしょうか。
ルハン演じる紳士は、シルヴィアの声に耳を傾けながらアレッサンドロが初めて手がけた2015-16年秋冬のドレスを裁断する。
エピソード7に登場したルック
Photographer: Gus Van Sant
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女優。1996年熊本生まれ。主な出演作品はNTV「同期のサクラ」、WOWOW「パレートの誤算」、NTV「35歳の少女」。ヒロインの親友役を務めた映画「私をくいとめて」が12月18日(金)より全国ロードショー予定。2021年NHK大河ドラマ「青天を衝け」では主人公渋沢栄一の妻となる尾高千代を演じる。
編集者。1973年東京生まれ。設計事務所「TRIPSTER」の一員としてインテリアデザインも手がける。「TRAVELLING WITHOUT MOVING」(J-WAVE)ではナビゲーターを務めている。
写真家。1998年埼玉生まれ。2017年初の個展「GINGER ALE」を開催。作品集に「light years -光年-」(18)、「everything will flow」(19)がある。
開催期間:2020年11月17日(火)〜22日(日)
開催サイト: 特設サイトGucciFest.com、Youtube内Fashionチャンネル、グッチ公式チャンネル、Weibo
【問い合わせ先】
Tel: 0120-99-2177
(グッチ ジャパン クライアントサービス)
Photo: Reiko Toyama(Ai Hashimoto, Kunichi Nomura), Masumi Ishida(herself) Styling: Tamao Iida(Ai Hashimoto) Hair & Make-up: Hiroko Ishikawa(Ai Hashimoto) Text&Edit: Itoi Kuriyama
2021年2月号
2021年1月12日発売
No.284 / 2021年1月12日発売 / 予価860円(税込み)
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