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韓国カルチャーを牽引するクリエイターたち vol.1|フォトグラファー/映像作家・Dadaism Club

韓国カルチャーを牽引するクリエイターたち vol.1|フォトグラファー/映像作家・Dadaism Club

伝統の基盤の上で、成熟したデジタル環境と“hurry-hurry”文化のもと日々刻々と変化する韓国社会。熱狂のど真ん中にいるアーティストの視点を探る。


感情をつぶさに捉え人を突き動かす
Dasom Hahn/Dawn Jung
(Dadaism Club)
フォトグラファー/映像作家

クリエイティブ集団「DADA」は、バンドHYUKOHのOHHYUKなど多彩なクリエイターと協業し、〈jichoi〉デザイナーのチェ・ジヒョンが参加する女性チーム「Dadaism Club」へ展開させるなど、現在のソウルのカルチャーシーンを代表する存在である。そしてその発起人が、表紙にも登場した2人の女性、フォトグラファーのハン・ダソムと映像作家であるチョン・ダウン。フィールドは違えど、ともに記憶へ訴える、そして固定観念に疑問を投げかける作品を生み出してきた。

—今回、とてもリラックスしたセルフポートレートを撮影してくれました。2人はいつ知り合ったのですか?

ダソム「7歳の時に幼稚園で出会って以来、仕事のパートナーとなるまで十数年間友達でした。特に親しくなったのは、高校1年生、同じクラスで隣の席になってから。当時話していた未来への考えは、今に生かされています」

ダウン「子どもの頃からダソムに大きな影響を受けてきました。高校時代、ダソムが毎日音楽プレイリストを教えてくれて、それをひとつひとつ探し、mp3に追加するのが幸せでした。今は感性が少し似てきている気がします」

—Dadaism Clubの成り立ちは?

ダソム「写真のダソムと映像のダウンを一度に呼べるように、まわりが〝ダダ〟と略したことから始まりました」

ダウン「仕事でもプライベートでもいつも一緒なので、みんな〝ダソムダウン〟と言うのが面倒になったのかも。今にして思えば、2人とも同じ職業だったらセットで仕事するのは大変なはず。写真と映像は完璧な組み合わせでした。そして〝DADA〟と呼ばれるようになってからは、次第に趣向の似た友達と知り合い、Dadaism Clubのチームに発展していきました」

ダソム「〝DADA〟の名は、さまざまなプロジェクトに冠されています。たとえば、DADA.PIC SHOWROOMは2018年3月から1年限定で開いたショールーム。アーティストNoh Sanghoのブランド〈PIC〉と協業し、好きなものを見せる(=SHOW)ために生まれた空間(=ROOM)でした。DADABOOKSHELFは読書アーカイヴのためのSNSアカウント。コロナで社会的に距離が生まれ個々に過ごすようになった状況を記録し共有するため、去年開設しました」

—アパレルDADASERVICEの〝多多〟〝다다〟のロゴも印象的です。

ダウン「芸術運動ダダイズムにちなみ、〝多い〟を意味する『다』を2つ使うことで『多くの作家が団結し、良い影響を及ぼす集団』という思いを込めました。すべてのプロジェクトは、お金稼ぎの手段ではなく、みんなの作品や考えの表現をするための場にしたい。そこからムーブメントが起こったら素敵だと思っています」

—クリエイターとして独立する前はどのような経験を積まれましたか?

ダソム「写真を始めたのはダウンの影響が大きくて、高校生の時、毎週末新しいコンセプトを決め、撮影して遊んでいました。大学は2校、いずれも写真学科へ通いました。休学中、スタジオでのインターンは人生で最悪の経験でした。それでスタジオを辞めると同時に、自然とフォトグラファーとして独立することに。なので、大学卒業は永遠に保留中です」

ダウン「友達と一緒にiPhoneで撮った映像を見て、人物自体に対する関心が高まって。大学ではドキュメンタリープログラムを専攻しようと考えていました。それで友達の姿を少しずつ撮影し編集して、簡単な映像をYouTubeにアップして。自分の作品への意見が知れるいい経験でした」

—クリエイティブを仕事として意識したきっかけは?

ダソム「友達のHYUK。2014年から『HYUKOH』の公式写真、ライヴ撮影を手がけ始め、彼らの活動とともに自然に自分の仕事も広がりました」

ダウン「YouTubeへの反応が大きくなって。有名スポーツブランドからドキュメンタリー兼ファッション動画の撮影依頼がきたんです。学生だったので、好きな人物を撮ることでお金を稼げるなんてと興奮しました。彼らに質問し、映像に収めるという事実がうれしかった。この初仕事はダソムとも一緒で、ギャラで彼女と初めてLAへ行きました。そこでもダソムを記録して。幸せな思い出です」

—自分らしい表現とはどんなものだと考え、大切にしていますか?

ダソム「撮り続けていつの間にか10年が過ぎました。ただひとつだけ自信を持っているのは、被写体をリラックスさせ、自然な表現へ導けること。撮影においてもっとも重要視しています」

ダウン「大切なのは、人の感情です。私は派手な技術ではなく、基本に忠実な撮影と編集をする方です。大がかりになればなるほど、撮る人物の感情が計画と違ってオーバー過ぎたり、むしろ無くなったりで、妨げにしかならない。撮られる人の感情が美しく表現される時、一番素敵だなと思います」

—新世代のアート表現での変化は?

ダウン「境界がなくなったこと。インディペンデントとメジャー、若さと老い、女性と男性…。さまざまなことを行き来できる魅力のある世代です」

exciting K-CULTURE Dadaism Club


はみだし一問一答

Q どんな子ども時代でしたか?

A ダソム 欲張り。数学の本を開いたまま英語の勉強をし、英語の本を開いては絵を描くのが好きだった。ダウン ワタリガニを獲り走り回る海辺の村の子ども。祖父が開けてくれるサイダーが好きでした。

Q 個人的にバズってるものは?

A ダソム 韓国の山菜料理。ダウン 「マットンサン」という揚げ菓子にハマってます。生まれる前からある古いお菓子で、甘い味に惚れて毎日一袋ずつ食べています。


DADA’s WORK

Profile

Dadaism Club

ハン・ダソム(左)>> 1991年釜山生まれ、ソウル育ち。最近はスポーツの新たな未来を描いたNike Korea「Play New」キャンペーンを手がけた。

チョン・ダウン(右)>> 日常を6mmハンディカメラで記録。『キム・ガヨン』(14)、『ペク・コンジョン』(15)の短編連作をはじめ、HYUKOHの作業を長時間観察したドキュメンタリーも話題に。

Instagram→ @dadaismclub

Photo: Youngwoong Yim Text:  GINZA Coordination&Translation: Shinhae Song, Rumiko Ose (TANO International) Cooperation: Erina Tanaka, Eri Masuda

GINZA2021年9月号掲載

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