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韓国カルチャーを牽引するクリエイターたち vol.2|シンガーソングライター・sogumm

韓国カルチャーを牽引するクリエイターたち vol.2|シンガーソングライター・sogumm

伝統の基盤の上で、成熟したデジタル環境と“hurry-hurry”文化のもと日々刻々と変化する韓国社会。熱狂のど真ん中にいるアーティストの視点を探る。


一見ラフなのに実は壮大な世界観
sogumm
シンガーソングライター

2016年よりインディーズのアーティストとして活動していたsogumm(韓国語で塩を意味する名前は、本名ソヒに由来する学生時代のあだ名だそう)。19年夏、オーディション番組「Signhere」に出演し、見事優勝。Jay Park率いるヒップホップ・レーベルAOMGと契約し、ソロシンガーデビューしてから、多様なミュージシャンたちとのコラボを通じて新たな領域を開拓する彼女が、現在また新しいフルアルバムを準備中だそう。

甘くハスキーな歌声、自由なマインドのリリック、ドリーミーでチルなサウンド。そんなsogummワールドにハマるリスナーが世界で続出する中、彼女の魅力の秘密を探る。

—もともと裏方志望だったというsogummさんですが、フロントとして表に出るつもりはなかった?

「本当は出たくはありませんでした(笑)。フロントを務めるということは、目に見えるすべての部分に力を注がなきゃいけない。裏方とは役割が違うと思っていました。それに、歌の練習時間よりも、クリエイティブな時間に魅力を感じているタイプだったので」

—AOMG主催のオーディション番組「Signhere」に出演したきっかけについておうかがいできますか?

「あの頃は新しいことに挑戦してみたくて。そんなときにAOMGでオーディションに関する話を聞きました。よく考えてみたら、私ってみんなから受け入れてもらえない存在かもしれない。そんな臆病な気持ちが反動となって、自分の弱さと向き合ってどこまでできるかやってみようと思ったんです」

—晴れて優勝して、AOMG所属になったわけですが、メンバーになってからの変化はありますか?

「当時の私は自分探し中だったので、レーベルに所属すると、自分がやりたい放題、さまよい放題ではいられなくなると思って、所属できるのはいい機会だけれど、残念な気持ちもあったのは事実です。彷徨したい心と同時に落ち着かなくちゃと思ったときに、AOMGが求めている私を見せたいと考えるようになって。それで作った曲が、『Encourage (Feat. 10CM)』や『yayou hoi』です」

—現在準備中のフルアルバムもその流れにあるのでしょうか?

「曲を見ると、かなりふわっとしてます。AOMGから出るフルアルバムということで、みんな期待するじゃないですか。sogummの方向性はこうですと定義されてしまうのは、私がやりたいことじゃないしと悩みました。ふらついて、ごちゃごちゃな状態の中でつくった曲もあるけれど、その過程も含めて成長した姿が見せられるんじゃないかなと。あれでもこれでもないジャンルというか、それだけさまざまな色が混じって作られたビビンバのような魅力があるアルバムですが、『私はこうよ』と知ってもらって、みんなの反応も見られたらなって」

—MVも個性的ですが、どのように作り上げているのでしょうか?

「一緒に作業をするメンバーにもいつも話しているのは、自分たちのクリエイションは日常につながっていて、一日一日がもっとも大切ということ。無意識って一日一日の積み重ねだから、すーっとは出てこなくて難しいですが」

—OHHYUK氏とのコラボ「yayou hoi」のMVも独創的でキュートでした。

「映像監督がコロナで韓国に来られなくなったので、私たちがいろいろな場所へ行って撮影したのですが、私、『あひるのボートに乗りませんか?』とか即興的に言うんですよ。何も考えてないと思われるかもしれませんが、ただの思いつきでもなくて実は計画に基づいてます(笑)。だから、最初のうちはOHHYUKさんも合わせるのが少し大変だったかも。でも私のことを信頼してくれていたと思う」

—Balming Tigerのメンバーでもあるsogummさんは、韓国の現在の音楽シーンをどのように見ていますか?

「ある部分においては、本当に完璧というか、予算をかけてよく作りこんであるなと。たとえば、Balming TigerはオルタナティヴK-POPと言われていますが、私たちが十分な資本を持っていたとしたら、求めるものは彼らとだいだい同じだと思います(笑)。私たちもK-POPアイドルについて研究したりして、学ぶことが多いです。そして、Balming Tigerの存在が私の人生に大きな影響を与えています。何も考えないでラフに創っているように見えて、実はものすごく大きな世界観を持っていて、強いオーラがある。私自身もそういうものを追求してます」

—sogummさんのインスピレーション源となるものって?

「他人を思う気持ちのある人たちから得ています。私がもらったいいものを、何が偽物で何が本物なのかを体験して、学びながら返していきたい。そんな思いが源泉です。よく考えてみると、母の影響も大きくて。彼女は平凡な主婦ですが、一緒にいると驚きの連続。なぜって人を自分の価値観で判断してはいけないことを教えてくれるので」

—自分らしいファッションスタイルをどういうものだと思いますか?

「60年代ヴィンテージが大好きで、女性らしいヴィンテージをひとつ、それ以外は全部カジュアル(笑)、それが自分のスタイルになってます。今日のジャケットはサンローランで、Tシャツは大変だった仕事がひと段落して、完全リラックス状態で寝る前にワインを飲んでいる私の写真をプリントしたもの。インターネットで注文しました」

—好きなデザイナーはいますか?

「最近は気づくとヘルムート ラングのオーバー気味のロングパンツやサンローランを着てます。理由は自分でもよくわからないのですが、『あとでわかるよ。2年後くらいに』と思ってます。曲作りに関しても、自分がなぜそうしたかったのかわかるまで2年くらいかかるので(笑)」

—最後に、あなたにとって、ソウルはどんな場所ですか?

「砂の上に建てられた堅固な城みたいです。ソウルで夢を見て生きる人たちの汗と涙が砂を濡らして、城が倒れないようにと基盤をしっかりと固めている気がします」

exciting K-CULTURE sogumm


はみだし一問一答

Q よくチェックするYouTubeやInstagramは?

A ナチュラルハイの状態が好きなので、YouTubeでは周波数もの、ASMRをよく聴いています。おすすめのアルバムがあって、レイモンド・スコットの赤ちゃんのために周波数を集めたもの。月齢別にあるんです。赤ちゃんが聴いて心地よいものは、真心を込めて作っているから大人にもいいと思います。Instagramでは鮫を見て癒やされてます。@oceanholic_lifeというアカウントなんですけれど、インスタでないと鮫の目をこんなに大きく見られないですよね。


sogumm’s WORK

sogumm ソグム

1994年生まれ。独特な歌声と、ユニークな歌い方、真率な歌詞が特徴のアーティスト。2020年2月、韓国のグラミー賞と呼ばれる「第17回韓国大衆音楽賞」で、新人賞を受賞。Instagram→ @sogumm

Photo: Youngwoong Yim Text: Tomoko Ogawa Coordination&Translation: Shinhae Song, Rumiko Ose (TANO International) Cooperation: Erina Tanaka, Eri Masuda

GINZA2021年9月号掲載

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