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小沢健二さんのコンサート「東京の街が奏でる」とインスタレーションについて ”WE ARE KITSUNE FASHIONISTAS”

小沢健二さんのコンサート「東京の街が奏でる」とインスタレーションについて ”WE ARE KITSUNE FASHIONISTAS”

2012年3月21日〜4月16日、東京オペラシティで『東京の街が奏でる』と題したコンサートを開催した小沢健二さん。同時期に展覧会とポップ・アップ・ショップが一緒になったインスタレーション『我ら、時』も、渋谷のパルコミュージアムで展開されました。このコンサートや展覧会の会場で、来場するお客さんをチャーミングに迎えていたのが、狐のお面を被りさまざまなファッションに身を包んだマネキン。彼らは、小沢さんが世界中を旅する中で出会った友人たちを表現しているそうです。コンサート休演日のある一日に、東京の街を観光している様子をツイッターなどで見かけた方もいるかもしれません。東京観光の最後に、ギンザ編集部へ遊びに来てくれた彼らに、今回のコンサートや展覧会のことを〝インタビュー〟しました。

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ギンザ編集部でツイッターをチェック。「NYのファッション雑誌の編集部と比べて、ずいぶんアットホームね」とFutureさん。

 

Q 東京観光の感想は?

Anna 代々木公園で見たお花見パーティがとても面白かった。舞い散る花びらの下で静かな時を過ごすのが日本のお花見シーズンだと思っていたのですが、まったく違っていて。缶ビールのイラストに赤い斜線が入った看板の横でお酒を飲んでいたり……私にだってわかる、アルコール禁止の場所でしょう? これこそ完璧な都市の反乱! 素敵です。

Emo 桜が咲くと日本人はみなメキシコ人に変身するのかな? メキシコでは、そういうことはみーんな、毎日やっていることです。屋外で集まって、飲んで、食べて。

 

Q コンサートはいかがでしたか?

Anna 日本人の多くは、集まって何か物事を達成するのがすごく得意なんだって思う。ケンジのライヴで影絵を演じたシャドー・ギャングたちみたいに。誰も彼もがステージの後ろにまわって、影絵に参加する……、ゲストミュージシャンやもちろん私たち狐も。エキスパートなんて一人もいないから、誰もが平等で、みんな楽しめる。

Future ライヴ直前に観客がホールに流れ込んでくる瞬間も大好き。空気が一変するのを感じます。とてもフレッシュで清々しい気分ね。
Anna それから、みんなで一緒に歌ったのがすごかった! 観客の声があんなに素晴らしいなんて! まるで、一人一人が持ち寄った音符を宙に投げて魔法の絨毯をつくりあげ、それに乗ってどこか優しい場所へ飛んで行くような感覚。みんなにとって今は大変な時だからね。

Future 昨年の地震で東京タワーのてっぺんが曲がってしまったのは、構造上の問題というより、感情的な反応かな? 東京を文章にたとえると、東京タワーは単語ではなく、感嘆符や疑問符のイメージなのよ。

Emo メキシコでも1985年にとても大きな地震があり、街全体が変わってしまいました。政府は何もせず傍観しているだけだった。そこで近所の人たちがみんな、お互いを助け合うことを始めて、その時生まれた組織は今でも存続しています。

Condori 今回、神社で神聖な空気のなか参拝をした時、日本は大丈夫、立ち直れる、と強く感じました。

 

Q これから展覧会に行く方へ、メッセージをお願いします。

Condori 4番目にある、少年と牡牛の写真をぜひ見てください。少年が年老いた男の傷心を歌っている。この悲哀こそが、この上なく輝いているものです。歌う少年が私のような通りすがりからコインを受け取る時、チャリンと音が聞こえてきます。このとても短い音が、私の目を覚ましてくれます。ここからとっても遠いところから聞こえてくる音だから、よく耳を澄まさないといけません。地面に耳を当てて、地球の心拍を聴き取るように。それは日本人のみなさんにとっては畳の香り。つまり〝故郷〟を感じ取ることができると思います。

– MISS FUTURE –
from ニューヨーク(アメリカ)

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私はいつもルービックキューブよりカラフルな服装をしていて「ブリップスター」と呼ばれています。わかりますか? 「ブラック・ヒップスター」を略して、「ブリップスター」です。友達の男の子はみんな、オタクメガネと蝶ネクタイがよく似合ってます。バスケットボール選手でさえそのスタイルに夢中。みんな、囚人服のような、ダボダボの格好をするのに飽きてしまったのでしょう。あれ? 日本にはヒップスターはいませんか?


LA SEÑORA CONDORI
from ラパス(ボリビア)

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私は「チョリータ」。「チョリータ」は皆、私のような服装です。「ポリェラ」と呼ばれるボリュームのあるスカートはまるで果物のような丸みがあります。肩に背負った「アグエロ」は、小さい頃に畳み方を学び、何でも入れて持ち運べるのです。教科書やジャガイモ、それに赤ちゃんだって。「ボンビン」と呼ばれる山高帽はみんな独自の被り方をしています。服装は、私たちが誰なのか、どこから来たのかを表現するものですよね。


LA SEÑORITA EMO
from メキシコシティ(メキシコ)

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私は「エモ」です。傷ついた心を表すようなピンクと黒を身につけています。私のボーイフレンドも痩せたお尻にぼさぼさの髪、完全なる「エモ」。メキシコのエモ・キッズは、漫画、アニメ、日本に夢中です。今回は憧れの日本を見るために来日しました。漫画の中のイメージでは、日本はもっとワイルドだと思っていましたが、おそらくそれは心の奥に秘めているのでしょう。街を歩く人は皆、とても上品でおしゃれですね。


ANNA
from 世界中

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私は「アナーキスト」です。ほぼ毎日同じ服を着ています。全身ブラックで、毎日同じ格好をすれば、服装について考える時間が減るでしょう。その時間をうまく利用して、自分たちの力で何事も非常にうまく成し遂げているのです。日本の皆さんが震災直後になさったように。あれは素晴らしかった。私が髪を整える時間などないことがおわかりいただけるでしょうか。そこでフード付きスウェットシャツが重宝されるわけです。

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マガジンハウスのすぐ目の前にある宝珠稲荷神社で参拝も。「素晴らしくスピリチュアルな空気を感じました」とCondoriさん。

Photo: Katsuhide Morimoto

2012年6月号

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