〈ルイ・ヴィトン〉がショウ会場に選んだ美術館。山深く、MIHO MUSEUMの森へ。

〈ルイ・ヴィトン〉がショウ会場に選んだ美術館。山深く、MIHO MUSEUMの森へ。

〈ルイ・ヴィトン〉が去る5月14日、2018クルーズ・コレクションを発表したのは滋賀県にある「MIHO MUSEUM」。国内からでさえアクセスが簡単とは言えない山深いところにある美術館に、ヴィトンの白羽の矢が立ったのだ。アーティスティック・ディレクターのニコラ・ジェスキエールが自身のインスタでその情報を発表するや否や、話題は世界中を駆け巡った。

10 MIHOブリッジ_R のコピー

MIHO MUSEUMのエントランスに向かうブリッジ。ショウではここがランウェイに。 提供:MIHO MUSEUM

ショウのランウェイに見立てられたのは、美術館へ向かうアプローチとなる、大きな橋とトンネル。3D曲面を作り出す何本ものワイヤー構造が美しく、近未来の雰囲気。それと広大な緑が不思議とマッチして、時間も場所もわからない不思議な世界に迷い込んだよう。コレクションには松模様が織られた着物のような生地も登場し、さりげない日本らしさが香る。

 

ショウの様子はこちら。

そのMIHO MUSEUMは、1997年に滋賀県甲賀市に開館した私設美術館。京都からJR石山駅に行き、そこからバスで50分と時間のかかる場所にあるため、知る人ぞ知る存在だ。ダイナミックな建築を設計したのは、ルーヴル美術館の中庭にあるガラスピラミッドでも知られる世界的建築家のI.M.ペイ。ガラスやスチールを使い、幾何学を見せるデザインに長けた建築家だ。

06 美術館棟入口(夢の扉)_R

スチールの構造が印象的な美術館棟エントランス。奥に見える大きな松とのコントラストが素敵。 提供:MIHO MUSEUM

ショウにも使われたアプローチを通って美術館に入ると、幾何学模様のスカイライトや天井があちこちにあり、モダンな印象。ペイ建築の醍醐味を味わうことができる。実はこの美術館、広大な建物の80%が地下に埋められていて、外から見えるのは山の斜面から少し顔をのぞかせるガラス屋根のみ。まさに自然と同化した美術館となっているのだ。神秘的な森の奥深くへ、坂道やトンネルを通ってたどり着く経験は、まるで現世を忘れるよう。ペイがこの建築に、桃源郷への思いを込めたというのも頷ける。

05 MIHOブリッジと美術館棟全景_R.jpg.jpg

美術館の約80%が地中に埋まっているというから驚き。 提供:MIHO MUSEUM

 

 

「和ガラスの美を求めて ― 瓶泥舎(びんでいしゃ)コレクション ―」展

11 型吹き草花文色替り三段重 瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館蔵_R

型吹き色替草花文三段重 江戸時代(1711~81) 瓶泥舎びいどろ・ぎやまんガラス美術館蔵

 

現在開催中の展覧会は、江戸時代に始まる和ガラスに注目した「和ガラスの美を求めて ― 瓶泥舎(びんでいしゃ)コレクション ―」 。江戸時代の硝子細工である、びいどろ約180点が一同に会する貴重な機会だ。黄色や青、緑に赤。色とりどりの硝子は、どこか和のカラーリング。たゆたうように揺れるガラスの肌も、見ているだけで涼しい気分にさせてくれる。職人が息を吹き込んで作る丸みをおびたフォルムや、やすりで一本一本丁寧に削り出した切子の模様など、今のガラス製品にはない手作りのぬくもりや可愛らしさが感じられる。

この展覧会は6月18日まで。約1か月の休館を経て、8月からは雪村の展覧会が開催される。国内で、遠路はるばる旅をするのもまた一興。初夏や夏のお出かけに、いかが?

 

 

MIHO MUSEUM

住所:〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300

開館時間:10:00-17:00(入館は16:00まで)

休館日:月曜 *展示替休館や混雑状況などはウェブサイトをチェック

入館料:一般1,100円、高・大生800円、小・中生300円

アクセス:京都駅からJR琵琶湖線で石山駅へ。そこからMIHO MUSEUM行バスで50分。

ウェブサイト:http://miho.jp/japanese/

 

柴原聡子 Satoko Shibahara

建築設計事務所や美術館勤務を経て、フリーランスの編集・企画・執筆・広報として活動。建築やアートにかかわる記事の執筆、印刷物やウェブサイトを制作するほか、展覧会やイベントの企画・広報も行う。企画した展覧会に「ファンタスマ――ケイト・ロードの標本室」、「スタジオ・ムンバイ 夏の家」など。最近、モロッコの古都「フェズ」へ旅行。レポートはこちら

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