黒に注目しているのはファッションの世界だけではありません!私たちの周りにあふれるカルチャーの中の“小さな黒”をご紹介。
変幻自在の「黒」を学ぶならこの3冊。美しい写真と絵本たち
幅広い捉え方ができる
解釈自由な色
高山さんに、数あるブックコレクションのなかから、お気に入りの黒い装丁やテーマの作品をピックアップしてもらった。
「本棚に並んでいる黒い本をあらためて見てみると、モダンなのにクラシックなものや、その逆のものなど相反する印象を与える本があります。ビジュアル本や読み物に関係なく、ページをめくったひとに解釈が委ねられているのは黒だからこそだと思います」
『また、あうものたち』
(白石和弘/アカツキプレス/¥3,300)
「写真家の白石和弘さんが収集する私物の古道具81点にフォーカスした作品集は、表紙だけでなく背景も漆黒。被写体の風合いが引き立つのは、深みのあるこの色ならではの効果的なアプローチですよね。巻末に差し込まれた同色のシートにインデックスがまとめられ、一貫したデザイン」
『月夜の森で』
(アントワーヌ・ギヨペ/青木恵都訳/タムラ堂/¥3,000)
「フランス発の切り絵の絵本。月夜に浮かび上がる、森の動物たちの物語が混じりけのない黒と白の世界で表現されています。構想から完成まで6年かけて制作したそうで、レーザーカットによって緻密に切り抜かれたページは圧巻。黒の持つ繊細な美しさに引き込まれます」
『パリの女』
(アンドレ・モーロア/ニコ・ジェス写真/朝吹登水子訳/絶版)
「ココ・シャネルやカリーヌ・ロワトフェルドなど、パリジェンヌは黒をものにするのが上手。そこからピンときたのが、1959年にリリースされたこちら。パリのワーキングウーマンの日常にさす光と影を映し出した写真だけでなく、彼女たちについての評論も読み応えあり」
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高山かおり
「Magazine isn’t dead.」を主宰する編集者。
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