東京でみつけた「間」 赤ピーマンのムース

東京でみつけた「間」 赤ピーマンのムース

間を取る、間合い、間抜け、間が良い、間違い。 時間・空間は、西欧からTimeとSpaceに、どちらの意もある「間」をあてたもの。「間」には、どうも日本特有の都合良さがある。でも、うまくやれたら、キツキツな毎日にもちょっと余裕ができそうだ。変幻自在の「間」の根っこを求めて、キーワードをあげながら徒然なるままに解いてみる。


―コート・ドール(三田)「赤ピーマンのムース」―

コート・ドール 赤ピーマンのムース

ひとすくいのムースは、33年続くスペシャリテ。真っ白なお皿の潔ささえも味わいたい。

白【Blanc】

Blanc≒Image

三田にあるフレンチレストラン「コート・ドール」のお皿は、真っ白。33年続くスペシャリテの「赤ピーマンのムース」は、オレンジ色をしたひとすくいのムースが、丸く敷かれたトマトソースの上にぽつんと載る。なぜ真っ白なのかオーナーシェフの斉須政雄さんに聞いてみた。「清潔で手入れが簡単だから」と潔い答え。同じ理由でカトラリーは凹凸がない。それは、20代に修業をしていたフランスにいるときから決めていた。フランス人はイエスノー、白黒がはっきりしている。陰湿なところもない。その厳しさは彼にとって清々しく、気持ちの良いものだったという。

斉須さんはまた「最初は絵空事ですよ。それを具体化して、お客さんに食べてもらうのが楽しい」とも語った。絵空事=イメージ。フランス語のBlancは、英語だとBlank、空白を意味する。白に羽ばたく想像力。このムースは、刺身のツマ程度の地味な素材だった赤ピーマンをあえて主役にした一皿。レジスタンスがピリッと利いたイメージの結晶が、今日も誰かの口に運ばれる。

「コート・ドール」
1986年開店のフランス料理店。「赤ピーマンのムース」は昔から変わらず突き出しとして出る一品。「大葉シソ、梅干しの冷製スープ」など素晴らしいアラカルトメニューが充実。

: 東京都港区三田5-2-18 三田ハウス1F
☎: 03-3455-5145
: 12:00〜14:00LO・18:00〜20:30LO 
: 月、第2・第4火

Photo: Kenshu Shintsubo Text&Edit: Satoko Shibahara

GINZA2018年7月号掲載

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