ヒップホップが流行し、グルーヴィな音が歓迎されるこの頃。若者たちの間では80年代のシティ・ポップがブームとなり山下達郎を筆頭にパートナーの竹内まりやにも注目が集まっている。そんな流れを汲んでか、彼女の名盤『リクエスト』のリマスターCDが30周年を記念して発売されることに。
『REQUEST』
Warner Music Japan
1987年山下達郎との結婚後に発表された通算7枚目。アルバムチャートでは1位を獲得し、約4年かけてミリオンを達成したロングセラーとして知られるマスターピース。
あらためてその魅力を解明するべく、ディスクユニオン下北沢店のスタッフであり、1200〜1500枚ものレコードを収集する22歳の垣畑真由が関連作品とともにガイドする。
「モダンな音のセンスに惹かれて彼女のレコードを集めるようになりました。70〜80年代に台頭したロックミュージックであるAORからのインスピレーションなど、背景を妄想するのもたまらないんですよね。また、純愛から不倫まで、女性なら誰しもが共感できるストーリー性の高い歌詞にもぐっと引き込まれます。本作では、映画やドラマのために書き下ろしたテーマ曲から、ほかのシンガーに提供したもののセルフ・カバーまで収録しているのですが、特に好きなのは、中森明菜さんへの『OH NO, OH YES!』。大人のいけない恋愛を題材にしていて、グッドガールな竹内まりやさん本人が歌うと意外性に痺れるんです。ほかにも薬師丸ひろ子さん、中山美穂さんへの曲など、聞き覚えがあるものに出合えるはず。アイドルからシンガー・ソングライターとしての地位を確立した彼女の魅力をさらに知れる、お気に入りの3枚を続いてご紹介します」
『LOVE SONGS』
Sony Music
「“和モノクラシック”と言える3作目。ジャケから見て取れるフェミニンな柔らかさだけでなく、内に秘めた強さを感じさせる表現力に同性は憧れますね」
『MISS M』
Sony Music
「とにかくバックスタッフが豪華なんです。当時のAORシーンを担っていたエアプレイ、トトなどとコラボレーションして、A面はLAで収録したそう」
『VARIETY』
Warner Music Japan
「シティ・ポップの鉄板、『プラスティック・ラヴ』が収録されています。ロックンロールからしっとりとしたバラードまで幅広いアプローチに挑んだ1枚」