はじめまして。台湾での生活を経て東京へ戻ってきました。俳優の松嵜翔平です。台北から東京に戻って一ヶ月、早くもホームシックに見舞われています。台湾は温暖で、南国らしいのんびりした雰囲気がありつつも、カルチャーシーンの移り変わりはすこぶる速い。僕が見てきた台湾はとても良い意味で、完成しきっていない、余白が残されている国でした。この一ヶ月で、色々なことが変わってしまっただろう…寂しい。けれども寂しいことは良いことでもあります。寂しさを振り切れないと、新しいことは生まれないはず。
この連載では僕の先輩でもあるライター小嶋真理さんの「真理的朋友訪問日記」を引き継ぐ形で、日本に帰国した僕と、愛と才能が溢れる台湾の友人たちとの電話のやりとりを通して、台湾の文化や最新情報をお伝えしていこうと思います。
本日のゲストは….
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Jerry
台北出身(23)
デザイナー・Plateau Studioオーナー
instagram: @jierichien
Jerryは台北出身のデザイナーで、モデルのSanと共にファッションブランドを運営しています。彼とは、ある夜のカラオケパーティー(台湾でもカラオケはポピュラーな娯楽なんです)で出会いました。では、早速Jerryに電話を。
Shohei: 哈囉~(ハロー)Jerry! 最近どう? こっちは、原宿にニューオープンしたタピオカドリンク屋にすごい行列ができてたよ。台湾なら並ばずとも買えるけど、東京ではめちゃくちゃ流行ってる。そういえば、Jerryのお気に入りのタピオカの飲み方ってなんだったっけ。裏メニューみたいなのあったよね。
Jerry: 元気だよ!ああ、『50嵐』(※1)の「小珍珠奶綠(小粒のタピオカミルク緑茶)、微糖少冰(微糖、氷少なめ)」かな? お昼ご飯のあとによく飲んだよね。
※1 50嵐(ウースーラン)台湾を代表するタピオカドリンクスタンドのチェーン店の1つ。黄色と青の看板は、どこへ行ってもよく見かける!
Shohei: そうそう、それ。俺は絶対に半糖去冰(中甘、氷なし)だった。また一緒にゆっくりしたいね。最近は忙しいの?
Jerry: 最近はずっとPlateau Studioのことで駆けずり回ってるよ。新作コラボの発注を終わらせて、そのためのポップアップイベントの準備をしてるよ!このTシャツはボディをリメイクして、幅はワイドでゆったりだけど、着丈は短めにして、上品な雰囲気にしてみたよ。
できたてホヤホヤのTシャツ。
Shohei: ビデオもチェックしたよ。ノスタルジックな感じだったけど、どんなコンセプトなの?
Jerry: 映像の制作チーム、FOUR STAR DAYDREAMとのコラボなんだ。70-80年代のアメリカのビデオの雰囲気で作品を作るクルーで、実はビデオの女の子が着てるドレス衣装もPlateau Studioのものなんだ。非売品だけどね。
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– 今天除了適合交朋友之外,也非常適合慶祝🌈結婚的日子,為台灣感到驕傲,上街去歡呼吧🎉🎉🎉 – 📍活動資訊 時間 5/25 17:00-22:00 地點 @ampm_space
FOUR STAR DAYDREAM TV CHANNEL × Plateau Studio
それから、サマーコレクションの準備も始まってる。最近はコラボが多かったから、次は型数も増やしてビッグにやろうと思っているんだ。
Shohei: 70-80年代の映像か。チープな色合いがいいね。Plateau Studioは次々と新作を発表してる印象があるけど、どうやってブランドを運営しているの?
Jerry: デザインも発注も、布選びもPRも窓口も全部Sanと二人でやってるから、てんてこ舞いだけど、その分自由がきいて楽しいよ。Sanなんかさ、モデルの仕事も順調だから、もっと忙しそうだよね。
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独特の顔立ちとプラチナブロンドが印象的な女の子、Sanは、ファッションモデルとして日本ブランドの「doublet」のイメージ写真や、「i-D」オンライン版、台湾のファッション誌「MilkX Taiwan」の紙面にも登場して活躍している。
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JerryとSan
次のコレクションは、台湾の空気をそのまま表現したいと思ってるんだ。もちろんUSや東京のカルチャーシーンはカッコいいけど、そればかり追ってたら、どうでもいいものになっちゃうからね!台湾の街って、熱くて、ちょっとダーティーで、でも合理的に出来ていると思わない?新作はそんなグランジな気分で考え中だよ。
Shohei: たしかに。台北の街ってコンパクトで、ごちゃ混ぜなのが良いよね。みんなのファッションも、色々なカルチャーからの影響を今の気分にうまく織り交ぜてる気がした。若者たちの格好もバラバラで「〜系」みたいなスタイルの境界線がボヤケている感じ。初音ミクみたいな格好をした女の子のとなりにタイラー・ザ・クリエイターみたいなスタイルのやつがいたり、夏休みの子供みたいなラフな格好のやつがいたり。そこに地元のお婆ちゃんたちが「あなたのタトゥーとても綺麗ね」なんて声かけてきたりしてさ。話は変わるけど、最近休日はなにしてるの?
Jerry: そうだなー。ちょっと遅めのお昼に起きて、まずは東門(ドンメン)にある『黒潮cafe』に行くかな。あそこは外の席が気持ちいいよね。
黒潮cafe
住所:台北市和平東路一段141巷9-1号
営業時間:13:00~24:00
定休日: 月曜日
電話番号:02-2357-0018
最寄り駅:MRT東門駅 5番出口から徒歩10分
そのあとは『waiting room』に顔を出して、新しいグッズが入ってないかチェックするよ。グラフィックTシャツ、友だちの作ったZineとかmixカセットとか。オーナーで先輩のtrixと話して、情報交換したりね。
WAITING ROOM
住所:台北市長安西路40巷10弄1號
営業時間:14:00~21:00
定休日: 月曜日
電話番号:02-2523-6937
最寄り駅:台北駅 2番出口から徒歩5分
URL:www.waitingroomtaipei.com
お腹が減ったら西門(シーメン)の『廖嬌米粉湯(リャオヂャオミーフェンタン)』に行って、「鶏魯飯(ヂールーファン)」を食べるよ。魯肉飯(ルーローファン。角煮ご飯のようなもの)と鶏肉飯(ジーローファン。台湾の鶏飯)が混ざったやつね、他の店にはなかなかないでしょ? 両方一気に味わえてお得な感じがするし、なによりも朝方の4時までやってるの!クラブ帰りにもよく行くよ、米粉湯(ビーフンスープ)の塩が染みるんだな~。
廖嬌米粉湯
住所:台北市萬華區成都路93號
営業時間:11:00~04:00
定休日: 不定休
電話番号:02-2381-8316
最寄り駅:MRT西門駅 6番出口から徒歩5分
Shohei: 鶏魯飯、俺も大好き。ああ、八角の香りが恋しいよ。Jerryもそのうち東京に遊びに来てよー。
Jerry: 実は、夏に東京でもポップアップショップをする計画があるんだ。代々木上原のkuumba book shopに行ってお気に入りの苺の香りのお香も買い足したいんだよね。
Shohei: 前にドサっと束でくれたよね、そのお香(笑)。ポップアップショップ、俺に何か手伝えることがあったら教えてよ。また電話するね。