子どもの頃にきっと一度はしたことがある「好きな花」の話。誰がどんなお花を好きなのか、大人になった今でも気になる。さまざまなシーンで活躍する人に尋ねてみました!
女優・仁村紗和「かすみ草のような存在になりたい」:あの人の好きなお花Vol.2
女優
仁村紗和
好きな花
かすみ草
ナデシコ科・ジプソフィラ属。花期は5~7月。地中海沿岸からアジアにかけて多くの種類が分布。高温多湿に弱いため、水はけのいい用土や場所に植え付けるとよく育つ。
他の花を尊重しつつ魅力を放つかすみ草の佇まいに共感
子どもの頃、全部で10個くらいあった夢のうちの一つがお花屋さんでした。昔からずっと花が好きで、今でもたまに友達同士で「どんな花が好き?」と話して盛り上がったりするんですよ。上京してからは友達が出演する舞台やライヴを観に行くことが多くなったので、花を贈る機会も増えました。誰かに花をプレゼントする時は、いつもフラワーショップにその人のイメージを伝えて花束を作ってもらっています。
お気に入りのお店は代々木上原にある「エデンワークス ベッドルーム」。お店にある花はもちろん、あの透明感のある空間にも癒やされるんですよね。大ぶりの鉢植えが欲しい時は、青山の「ソルソ パーク」もよく訪れます。
家では、キッチンとトイレ、ベッドサイドの3カ所に花を飾っています。愛犬の手が届かない所にしか植物を置けないので、高めの棚の上に飾ったり、スワッグにして壁につるしたりすることが多いですね。最近は家の近くに好みの花屋さんができたので、犬の散歩へ行く途中に週に一度は花を買いに寄っています。その時々の旬の花を選ぶのが好きで、今は春らしいミモザを中心に飾っています。生活に花を取り入れることで家の中にいても四季を感じることができ、毎日にメリハリが出る気がするんですよね。
愛用している花瓶は、幡ヶ谷にある「ブルペン」で手に入れたもの。花瓶そのものがきれいなので、花を入れていない時も自分の目のつくところに置いて眺めています。
好きな花はたくさんあるので迷ってしまいますが、一番思い入れがあるのはかすみ草。中学生の頃、ダンスの発表会の時に友達からガーベラとかすみ草が入った花束をもらったんです。記憶する限りではそれが生まれて初めてもらった花束だったので、すごくうれしかったのを覚えています。
かすみ草って、それだけで束にしてももちろん可愛らしいけど、他の花と組み合わせるとまわりの花の魅力を際立ててくれるんですよね。どんな花ともケンカせずになじむし、主張しすぎるわけでもないのにちょうどいい存在感があるんです。手軽にドライフラワーにできるから、長い期間楽しめるのもうれしいポイントですよね。青やピンクに染められたものもチャーミングで好きです。
一本だけだとなんだかか弱くて頼りないけど、何本か集まると一気に華やかになるかすみ草。私が普段やっている女優の仕事も、共演者の方々やスタッフさんとの協力があるからこそよいものを作り上げることができるので、かすみ草を見ていると自分と重なる部分がたくさんあるなと感じます。一人で無理をしたり出しゃばったりするのではなく、他の人たちと尊重し合うことで力を発揮できる、かすみ草のような存在になれたらなといつも憧れています。
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仁村紗和
1994年、大阪府生まれ。女優としてドラマや映画に出演するほか、雑誌や広告のモデルとしても幅広く活躍。現在、東海テレビ・フジテレビ系全国ネット ドラマ『パパがも一度恋をした』にレギュラー出演中。
着用品:ジレ ¥200,000、ドレス ¥240,000(共にプラン C | パラグラフ)/コート*スタイリスト私物
参考文献:宍戸純(大田花き)監修『いちばん探しやすい フローリスト花図鑑』(世界文化社)/新井光史『花の辞典』(雷鳥社)