安易な世代論で片付けたくはないけれど、でも言いたい。90年代生まれのミュージシャンたちが紡ぐ音楽がとても素敵だ、と。当たり前のように物心ついた頃からネットがあり、世代やジャンルに縛られることなく、豊穣な音楽の海に思う存分ダイヴしてきた。マニアックな知識と音楽への深い愛、そしてセンスをないまぜにした彼らの音楽は、なぜ心地いいのか?
それぞれの方法でオリジナリティを探求する4組のアーティストを、同年代の写真家・奥山由之と、ミュージシャンを多く手がけるスタイリストa.k.a.歩く音楽事典の島津由行が撮る、語る。
never young beach「ぼくらの音楽」写真家・奥山由之とスタイリスト・島津由行が撮る、語る
左から 安部勇磨さん: シャツ ¥7,500(CAME UNTO ME)/Tシャツ ¥14,630(ハローテキサス)/その他*すべて本人私物
鈴木健人さん: スタジャン ¥5,093(ラギッド)/Tシャツ ¥11,852(ハローテキサス)/その他*すべて本人私物
松島皓さん: パーカ ¥4,900(ピグスティ)/Tシャツ ¥14,630(ハローテキサス)/キャップ*スタイリスト私物/その他*すべて本人私物
巽啓伍さん: デニムブルゾン ¥7,800(古着屋 深緑)/Tシャツ ¥11,852(ハローテキサス)/その他*すべて本人私物
阿南智史さん: ジャケット ¥7,800(古着屋 深緑)/Tシャツ ¥11,852(ハローテキサス)/その他*すべて本人私物
背景につるしたTシャツ ¥3,800(ベルベルジン)、つるしたポーチ ¥5,500(アンダーカバー)
キャップ ¥4,500、Tシャツ ¥3,000(共にnever young beach)/デニムジャケット ¥14,000(レイ ビームス | ビームス ウィメン 渋谷)/パンツ ¥28,000(コノロジカ | HEMT PR)/ソックス ¥3,000(ファセッタズム)、スニーカー ソール3cm ¥44,000(ファセッタズム×エリックシェディン | 共にファセッタズム)/サスペンダー ¥8,000(フィンガリン)/ヘッドホン ¥2,980(オンキヨー&パイオニアイノベーションズ)
僕らの曲はどんな録り方でも、あったかくなると思う(安部)
どこか懐かしいフォーキーな日本語の歌と、爽やかでポップなサウンド。音楽を聴く楽しみを再認識させてくれる、目下、幅広い音楽ファンから熱い視線(耳?)を注がれるネバヤン。その自然体な音楽が生まれる場所へ。
奥山 元気ですか? 安部ちゃんとはJ-WAVEでラジオ番組を一緒にやってるから会ってるけど、みんなとは久しぶりかも。今日どうだった撮影は?
全員 楽しかった!
安部 ワンちゃんまで用意してくれて、奥山くんの俺らへの愛を感じたね(笑)。
奥山 あはは。みんな古着好きですよね?
島津 今日着てもらったTシャツは普段あまり貸さない店のものなの。ちょっとダサい方がいいのかなって。アメリカの田舎に住むおっさんが着てるみたいなダサ可愛い感じ。
安部 ああ〜、好きです好きです!
島津 安部さんは声がいい。でも細野(晴臣)さんに似てるって言われるの嫌でしょう?
安部 いや、でも、本当に色んな尊敬している人に比べてもらったりするので、うれしいです。加山雄三さんとかも言われますね。
島津 リードギターは?
阿南 僕と松島でツインギターな感じです。
安部 2人ともリードギターって意識ないでしょう?
阿南・松島 あるよあるよ(笑)!
奥山 楽器はずっと変えてないんですか?
安部 町田にあるミリメーターズミュージックっていう、おじさん2人でやってる店に頼むようにしてる。ギターとかアンプを積んでみんなで車で行って。すごくいいおじさんだから、そういう人に触ってもらった方が安心。
島津 でも古い機材だとメンテナンス大変じゃないですか?
安部 そうですね。でもやっぱりそれにしか出せない音があるんで。最近のアンプも良いんですがどうも違う。大変なんですが……。
奥山 ネバヤンの特徴のひとつでもある曲のアナログ感や温かみはどうやってできてるんですか?
安部 僕らは多分機材を多く持ってる方で、スタジオのは使わないからかな。自分たちの機材の方が絶対気持ちが入るし。60年代のアンプの音が一番好きだから、エンジニアの方も僕らがどういうのが好きかはわかってる。僕らの曲はどんなミックスをしようが録り方をしようが、あったかくなると思う。
never young beach
ネバーヤングビーチ≫ 通称ネバヤン。2014年春に安部勇磨(Vo&Gt)と松島皓(Gt)の宅録ユニットとして活動開始。同年9月に阿南智史(Gt)、巽啓伍(Ba)、鈴木健人(Dr)が加入、15年5月に1stアルバム『YASHINOKI HOUSE』を、昨年6月に2nd『fam fam』をリリース。今年夏にメジャーデビュー、4月5日よりワンマンツアーがスタート。現在のアーティスト写真は昨年奥山さんが撮影。
Photo: Yoshiyuki Okuyama
Styling: Yoshiyuki Shimazu
Hair: ASASHI(model)
Make-up: FUSAKO(model_ota office)
Prop Styling: HYOTA
Model: Nana、Sandy
Cooperation: audio-technica, AWABEES, Props Now Tokyo, Sound Crew, UTSUWA
Text: Mika Koyanagi