今回で2回目となる岡山芸術交流。アーティスティックディレクターは、世界的に活躍するアーティスト、ピエール・ユイグ。これまでも独自の理念や思考をもった作品を発表してきたユイグ。彼の世界観が存分に味わえる内容となっていた。会場は岡山駅からほど近い、岡山城・岡山後楽園を中心に、各所に点在している。どこも歩いて回れる距離で、そのコンパクトさも魅力だ。
岡山駅にも巨大なバナーが。ここから駅前の大きな道を進むと会場に着く。
参加作家は合計18組。どの作家も国際的に活躍している。どこか、ユイグの作品世界にも通じるところがあるような、そんな気がした。というのも、今や全国各地で行われている国際美術展や芸術祭に比べて、この岡山芸術交流は、全体がひとつの大きな作品ともいえるくらい、異なる作家の作品同士が有機的に結びついていたからだ。
手前のプール:パメラ・ローゼンクランツ《皮膜のプール(オロモム)》奥にあるLEDの画面:ジョン・ジェラード《アフリカツメガエル(宇宙実験室)》
まず、旧内山下小学校を訪れてほしい。廃校となったこの小学校には、ディレクターのユイグの作品も含め、多くの作品が展示されている。
乳液のような(どうやら、欧米人の肌の色に近いリキッドファンデーションをイメージしているそう)ピンク色の液体が溜まったプールは、まったくの不透明でちょっと不気味。そして、プールを囲む柵にはアサガオが。放射線を当てて品種改良したもので、時間によって色が変化するらしい。上を見上げると、ものすごく大きなLEDの画面に、無重力空間を浮遊するカエルの映像がある。すると、近くにいた人たちがにわかに歌い始め、とあるパフォーマンスが始まる(ティノ・セーガルの作品だが、こちらは作家の意向で記録が一切許されていない)。