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みんな大好きフライドポテトがアートブックに。手がけたPZ Todayを直撃!

みんな大好きフライドポテトがアートブックに。手がけたPZ Todayを直撃!

フライドポテト、フレンチフライ、フリット……。地域や文化によって呼び方は変わるけど、みんな大好きなしょっぱくてクリスピーなあの食べ物。「🍟」。世界中で支持を集めるファストフード界の人気者をテーマにしたアートブック、その名も『FRIES BOOK』が2022年10月、発売された。

手がけたのは、パリを拠点に活動するアートディレクター PZ Today。 10月29日に行われた「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」(以下DSMG)の10周年記念イベントでは、イーティングプレゼンテーションも披露。フライドポテトのアート本って一体……? PZとはカラオケ友達でもあるというライター リサタニがチャットしてきた!


(左から)PZ Today、リサタニ

- 東京で会えてとっても嬉しい!

PZ:ね!最近、いろんなところで何度も会ってるよね。8月にはタイで、その後はパリのカラオケで。それで今回は東京。

- 毎月のように会ってるね。

PZ:毎回すっごく楽しかったね!

- バンコクでは、一緒に「Laylao」っていう素敵なタイ料理のレストランに行ったよね。

PZ:そうそう、とてもおいしかった。 それで2週間前にはパリのカラオケに行って、楽しかったね! ファッションウィークで来てた、私のパリやロンドン、ニューヨークの友達も一緒に。

- タタ・ヤン(Tata Young)の『Sexy, Naughty, Bitchy』を歌おうって言って。そういえば2019年に初めて会ったのも、あのカラオケだった。 

PZ:あの晩ね! 酔っ払ってた(笑)。その日、『FRIES BOOK』の出版レーベルでもあるSame PaperのメンバーのWeiも来てたって言ってたよね?

-そう、Weiもいたよ。みんな、「Paris Photo」のためにパリにいたんだよね。でも、PZは覚えていないんだ(笑)。じゃあ、この新しい本はどんな流れで作ることになったの?

PZ:Same Paperのシャオペン・ユアン(Xiaopeng Yuan)とキャロライン(Caroline)から連絡がきて、今度出す『amazine』という本を一緒に作ってほしいと言われて。それで「ぜひ!」と思ったんだけど、彼らの出版した本を見ているうちに、アートに対してとてもクールで面白みのある感覚を持ち合わせている出版レーベルだなと感じて。それで、「もっと大きなことをやろう!私の新しい本を出版しない?」と聞いたんだよね。

これが3冊目の本になるんだけど、前作は2年前にIDEAから出版した『PZ World』で。今回は過去2作とは版元を変えて、アジアを拠点にする出版レーベルにしたのだけど、初めからスムーズで、とてもうまくいく気がしてた。

 - IDEAもSame Paperも本当に素晴らしい出版レーベルだよね。それで、なんでフライドポテトなの?

PZ:この本を作り始めた時、これまでリリースした2冊よりも、より“アート”を意識したものを作ることに興味があったんだよね。フライドポテトにしたのは、単純に大好きだから。食べるのもだけど、フライドポテトに関連したさまざまなデザインとか、表現も。ポテトがどのように提供されているかとか、匂いとか、切り方とかね。知れば知るほど、フライドポテトってとても特別だなって気づいた。

あと、私はジャガイモ自体も大好きで!!コロナで家にいないといけなかった時は、ずっとジャガイモの育て方のハウツービデオを観てたくらい。

それから、「Fries(フライ)」って言葉にまつわる言葉遊びも好き。名曲「Fly Me To The Moon」をもじって「Fries Me to the Moon」なんて言ってみたり、Fire Place(暖炉)をFries Placeに変換してフライドポテトまみれの暖炉を作ってみたりね。だから、この本もよりコンセプチュアルでエキセントリックで、PZ Todayらしい、ユーモアと正直さにあふれたフライドポテトへの視点を提供できる本にしようと思ってた。

触れることができるアートって概念も好き。だから、DSMGに自分の作品を展示できることになったとき、「Touch me(触って)」と書かれたサインを付けた。普通、アート作品には「触らないで」みたいなことしか書いてないからね(笑)。

- 本を読んでみてもいい?

PZ:もちろん。最初にこの本の秘密を教えてあげる。表紙を外すと、実は「Menu」って書いてあるんだよ。色調とかデザインは、80〜90年代のファストフードっぽいムード。タイで過ごした10代の頃は、ファストフード店でよくフライドポテトを食べてたから、その世界観は自分のコアにあるのかも。

- 90年代に生まれ育った人たちはきっとみんな、懐かしさを感じるよね。それにこういうムードへのノスタルジアって万国共通だから面白い。アメリカやヨーロッパ、アジアで生まれ育った人たち誰もが共感できそう。

PZ:そう、とても面白いの! 今回の本でコラボを依頼したクリエイターも、みんなすごく喜んでくれた。42人のコラボレーターがこの本に参加してくれたのだけど、ただ「フライドポテトに関連した作品を一つ作って」とお願いしただけなのに、うまくまとまったのも面白い。たとえば、ローリー・ミューレン(Rory Mullen)が送ってくれた写真作品(下)は、前のページで紹介した私の作品『Pre-Fries』と完璧にマッチしてた。

-コラボ相手はどのように選んだの?

PZ:アーティストやフォトグラファー、デザイナーとか、個人的に作品が大好きな人たちにお願いした。でも、もちろんフライドポテトが好きなことが第一条件(笑)。最初に連絡したときは、懸命に「Do you like fries?(フライドポテトは好きですか?)」とだけ書いてメールした。返ってきた反応は、「フライドポテト?」「どのフライドポテトのこと?」「揚げたじゃがいものこと?」って感じだった。でも、最終的にはみんなイエスと言ってくれた。みんなフライドポテトが大好きなんだよ。

- フライドポテトを食べたことがない人はいた?もしくはフライドポテトが嫌いだった人とか?

PZ:みんな食べたことがあったよ。連絡した人の90%はイエスと言ってくれた。5%の人からは締め切りに間に合わないと言われちゃったけど。残りの人たちからは未だに返信がないから、多分まだ迷惑メールだと思ってる。

- そうなんだ(笑)。このページはなに?

PZ:ああ、これはPZ Todayのパリのフライドポテトについてのリサーチとその結果についてのページ。パリのいろんなファストフードチェーンでSサイズ、Mサイズ、Lサイズのフライドポテトを買って、それぞれのサイズにポテトが何本入っているか数えたんだ。衝撃的な結果だった。

- 全部数えて写真を撮ったの!?MとL、ポテトの数は1個しか違わないのに、Lの方が1ユーロも高い。これはすごいスキャンダルだね。みんなこの本を読んで、真実を知るべき(笑)。

PZ:そう、本を読んで一緒に真実を知ろう(笑)!

- 今回DSMGで行ったイーティングパフォーマンスのアイデアはどのようにして生まれたの?

PZ:フライドポテトを食べるための快適な服を作りたかったの。ビーズクッションからアイデアを得たんだけど、服と一緒にしちゃえと思って。あと、モッパンが大好きだから、ケチャップとマヨネーズをたくさんかけて、フライドポテトモッパンをしようと思ったんだ。

※モッパン=出演者が飲食する様子を撮影した動画コンテンツ

-メチャクチャで面白かったね!(笑)。最後にネットで見つけたフライドポテトに関連した心理テストをしてもいい?

PZ:もちろん!

- フライドポテトの食べ方で、結婚できない理由が分かるんだって(笑)。選択肢は4つ。① 最初から最後まで、1本ずつ食べる。② 最初は1本ずつ食べるけど、次第に2、3本まとめて食べる。③ 最初から一気にたくさん取って食べる。④ ケチャップをつけたり、ハンバーガーの中に入れたり、工夫しながら食べる。

PZ:うーん、②が私の食べ方かなあ。でも、ポテトを食べるときは、必ずケチャップかマヨネーズと一緒に食べる。だから、答えが②なのか④なのかわかんない。

-とりあえず、②から見てみよう。「②を選んだあなたは、結婚にベストなタイミングを逃し、モチベーションをなくす」って書いてある。「マイペースで飽きっぽい性格なので、テンションが高いうちに衝動的に結婚したほうがいいでしょう。しかし、相手の家族との関係や仕事への影響など、結婚にプレッシャーを感じると、その人と一緒にいる必要性を感じられなくなり、モチベーションが下がってしまいます」だって。

PZ:これは本当にその通り(笑)。

-(笑)。「結婚するなら、結婚後も自由な生活を送ることが想像できる相手を選んで、『この人だ』と思ったら、さっさと結婚しましょう」だって。

PZ:すぐ飽きちゃうんだよね。でも、とにかく早く結婚しなさいってこと?そうしたら後で飽きるだけじゃない?

- 一度結婚したら、一生一緒にいるしかないってことかな(笑)。④も見てみよう。「あなたは結婚相手に対する理想が高すぎるため、結婚できない」って書いてある。

PZ:オーマイガー!どっちも悪いことじゃん!

- えっと、「フライドポテトをいろいろな食べ方で食べるのが好きなあなたは、クリエイティブです。そしてとても好奇心が強く、完璧主義者でもあります」。

PZ:ああ、これも当たってる。

- そうかも(笑)。「あなたは話も面白いし魅力的なので、恋人を作るのは簡単でしょう。でも、相手が自分に合うかどうかを徹底的にチェックし、一度欠点を見つけると、“この人は、このままじゃいけない、この人を直さなきゃ”と思ってしまいます。相手を自分の理想に近づけようとしすぎて、相手が疲れて冷めてしまうかもしれません。そして、理想の相手を追い求め続けて、結婚が遅れるでしょう。相手の欠点に目を向けないこと」だって。

PZ:分かった、ポテトを食べる時はソース無しね(笑)。すごく的確だった。

- ちなみに、①は「自分の世界を大切にしすぎて、チャンスを逃す」、③は「結婚したいアピールが過ぎて、相手に逃げられがち」だって。でも、そもそも結婚したいと思ってる(笑)?

PZ:うーん良い質問だね。前に、結婚に関する本『PZ Weddings』を作ったから、今は結婚っていう概念にはあんまり興味がないかな。もう結婚したようなもんだと思ってる(笑)。

- 本と?

PZ:そう、本と(笑)。フライドポテトに関しても同じで、本を作っている時は、フライドポテトに夢中になっていて、スタジオはファストフードのお店みたいな匂いがしてた(笑)。

- いつか、ファストフードのお店を開いた方がいいよ! 興味ないの?

確かに面白そう。でも、フライドポテトだけじゃなくて、スープとかシチューとか、ジャガイモ全般に関わる方がいいかも。さっきも言ったように、ジャガイモ自体が大好きだから、いつか畑で育ててみたい。ジャガイモいっぱい乗せたトラックで畑の周りをドライブして、村中の人に「ジャガイモありますよー!」って配りたい(笑)。

 

Profile

PZ Today

タイ出身。〈ヴェトモン〉で2015〜2018年イメージ&ヴィジュアルデザイン担当として働いた後、独立。現在はアートディレクターとして〈ダブレット〉や〈ヘルムート・ラング〉といったブランドとコラボレーションを行うほか、〈ヴァケラ〉の23SSショーではモデルとしてランウェイを歩いた。

Photo: uta Text: Lisa Tani

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