ピンク、黄色、赤、白と濃淡さまざま、花びらは柔らかで可憐。ラナンキュラスといえば、春のすてき系ブーケの人気要員でどんな花材とも相性がいい。
原種から16世紀以降ヨーロッパに広がったといわれ、改良を重ねて品種は世界中どんどん増え、実はラナンキュラス一族はブーケ界の一大勢力。なのに控えめな性格で「いえいえ、私、しょせんキンポウゲですから、端っこで大丈夫です」的姿勢で、同じようにブーケに使われがちな「うち、いい感じで差し色になってるっしょ」と厚かましいガーベラに比べると、誰からも嫌われず、特に脚光を浴びるほどでもないが、いつの間にかいいポジション。それがラナンキュラス的生き方だったはず。
しかし、最近よく店先で見かける、ラナンキュラス・ポンポンシリーズのマルヴァときたら。大輪、フリル、薄いグリーンに渋いピンクの縁取りでいきなりの自己主張。どうした、その変貌ぶりは。ラナンキュラス家の法事で、コーラルカラーの伯母さんに絶対嫌味言われてるよね。さてはマルヴァ、おしゃれアート系女子気取りか。みんなに好かれる使命にもうくたびれたのか。脈々と続くキュラス呪縛からの脱却なのか!
いいよ、すてきだよ、小さい葉牡丹に見えなくもないけれど、存在感のあるあなたを支持することにした。マルヴァ、何も気にせずラナンキュラスの異端児として、走り続けてください。
🎨CULTURE
ブーケ界の一大勢力に変化あり!? 編集Aのラナンキュラスのおはなし
今月のブーケ
ラナンキュラス・ポンポンのマルヴァを中心としたブーケ。他にスカビオサ、バイモユリ、豆の花、ユーカリ、アイビー、アルケミラ、ディクタムナス、ドラセナ、レモンリーフ。写真のラッピングは通常3,000円から。