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ここ数年、フリースタイルダンジョンで人気が爆発。日本初のラップ展?! この夏は「ラップ・ミュージアム展」に行こう

ここ数年、フリースタイルダンジョンで人気が爆発。日本初のラップ展?! この夏は「ラップ・ミュージアム展」に行こう

ここ数年、フリースタイルダンジョンで人気が爆発。AbemaTVやネットラジオWREPなど、とどまるところを知らない日本語ラップ。日本初となるラップだけの展覧会が市原湖畔美術館で開催中だ。

ラップ×展覧会というだけで、とにかくおもしろそうなこの展覧会。オープニング記念のMCバトル目がけて、開催初日に市原へ。

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展示の始まりは、ラッパーのサイプレス上野さんのお部屋再現から。美術展でもジャクソン・ポロックの部屋とかセザンヌの部屋とかアトリエの再現が流行ってるけど、まさかラッパーの部屋再現とは! 個人的にラップ好きだったのと、上野さんと同い年なので、すごく懐かしい気持ちに。

日本初というか、音楽のラップを展示ってどういうこと? 率直な疑問をミュージシャンでラッパーのダースレイダーさんにお聞きしてみると。

「グラフィティとかブレイクダンスとかの要素も含むヒップホップなら展示のイメージもしやすいけど、ラップは基本的にヴォーカルとか言葉の技術で、聴覚的なものがすごく大きい。それを展示に変換して、見た人が「これはラップだ」って思うものになるかを意識しました。とはいえ、入門編じゃ面白くないし、感覚的にラップをつかんでもらうことを大事に考えましたね。」(ダースレイダーさん)

伊藤ガビンさんと大谷能生さんによるラップの韻を視覚化した展示や、VRで体験する街角サイファーに、そんな思いやアイデアが生きている。

そのラップのリズムをビジュアル化した展示では、いとうせいこう&TINNIE PUNX「東京ブロンクス」から、LAMP EYE、MSC(漢&TABOO)、KOHHまで、年代を追って日本語ラップがどう進化してきたかがまさに目に見える。

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どこを強調したり、言葉を詰めたり、伸ばしたりしてるかがよくわかる! 『パラッパラッパー』を思い出してしまう。

一方のVRサイファーは、若いラッパーたちの円陣に中に入り込んでしまう新鮮な体験(こちらのURLでも体験できる)。VRを使うとなれば、MCバトルとかいろいろ場面の可能性はありそうだけれど、あえてサイファーな理由は?

「フラッと気軽に参加したみたいな楽しい雰囲気を作りたかったんです。プロフェッショナルな人のステージじゃなくて、ほんとに街にある光景に入り込めれば、フリースタイルのブームで何だろうって思ってる人でも興味をもてるかもしれない。ファンはもちろんですが、知らない人にも敷居が高過ぎず馴染めるものになればいいなと。」(ダースレイダーさん)

ファンにとっては垂涎モノなのが、門外不出のリリック帳。手書きで書きつけられている言葉は消したり足したりの試行錯誤が見えるし、ちょっとした落書きとか表紙のステッカーとかもかわいい。K DUB SHINEやスチャダラパーのAniとBOSE、クボタタケシなど、大物のあの名曲が!といった発見も。展示されるリリック帳は今後も増える予定だそう。

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Aniのリリック帳。カバーのステッカー使いはさすがのセンス。

その他、展示は磯部涼さんのサイゾーでの連載「川崎」の写真や、80年代以降の、よくぞ集めましたね!としか思えぬアーカイブ資料がたんまり。初期のフライヤーやライブ映像、レコード、カセットテープ、Tシャツなど、全方位的に集められている。これらは、初期から「HIPHOP最高会議」を行ってきた方など、個人コレクターの方々の協力で実現したそう。ヘッズ(ラップのファンのこと)に支えられている感じもまた素晴らしい。

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髙木完×ECDのイベントフライヤー(手作り感&強烈メッセージ!)

そして、いよいよオープニングイベントのMCバトル。会場は満員、とくに中学生?の少年の姿が目立つ。バトルはエキシビジョンマッチの後、トーナメント戦に。彼らの超ハイレベルなMCにその場の全員が釘付け。アートをテーマにしたラップという難しいお題ながら、だんだんと自分の生き様こそアートというメッセージに変わっていくプロセスに、審査員の宇川直宏さんも絶賛。最後はサラリーマンVS保育士という、すごい職種対決に。

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MCバトル、エキシビジョンマッチの様子。観客は満員御礼!

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バトルに前のめりな少年たち。未来のラッパー? それともすでにラップをやっているんでしょうか?

ブームという枠を超え、音楽の一ジャンルとして確立した日本語ラップ。これからどうなる?展覧会レポート《後編》では、企画にも協力しているダースレイダーさんにお話を伺います。

 

ラップ・ミュージアム展

会場:市原湖畔美術館
会期:2017年8月11日(祝)~9月24日(日)
開館時間:平日/10:00-17:00、土曜・休前日/09:30~19:00、日曜・祝日/09:30~18:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
料金:一般800(700)円/大高生・シニア(65歳以上)600(500)円。()内は20 名以上の団体料金。中学生以下・障害者手帳をお持ちの方とその介添者(1 名)は無料。
ウェブサイト:http://lsm-ichihara.jp/exhibition/2017/rapmuseum

 

【関連イベント情報】
820日(日)15:3019:30
特別映画上映「サウダーヂ」
参加費:1200円(一般)・900円(大高生・65歳以上)
定員:70名
スペシャルトークゲスト:富田克也(同映画監督)、相澤虎之助(同映画脚本)、田我流(ラッパー、同映画主演)進行:磯部涼
参加予約は、下記のフォームから:
【料金前払い制】(Peatix)http://ptix.co/2eDjRpD
【当日払い制】https://ssl.form-mailer.jp/fms/0ce01f3c523975

 

827日(日)9:3018:30(予定)
毎年恒例 開発好明と夏の子どもキャンプ「巨人デーデッポ vol.5 feat.ラップ・ミュージアム展
対象:小学生 定員:20名 *応募者多数の場合、抽選となります。
参加費:3500円(材料費、昼食費込み)
参加申し込み締め切り:7月28日(金)23:59
参加予約・イベント詳細はこちらのページから:http://lsm-ichihara.jp/event/
*その他、9月中のイベントも続々決定中!詳細はウェブサイトをチェック→http://lsm-ichihara.jp/exhibition/2017/rapmuseum

柴原聡子

建築設計事務所や美術館勤務を経て、フリーランスの編集・企画・執筆・広報として活動。建築やアートにかかわる記事の執筆、印刷物やウェブサイトを制作するほか、展覧会やイベントの企画・広報も行う。企画した展覧会に「ファンタスマ――ケイト・ロードの標本室」、「スタジオ・ムンバイ 夏の家」など

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