24 May 2022
誰だって創造的!身の回りのものなんでもリメイク

ある日ふと始めたことが形になり、作品群となる。誰もがクリエイターだと感じさせる、好奇心をくすぐるような唯一無二の創作品。“身につけられる”ピースを中心に、リメイク作品をご紹介!
サステイナビリティ、という言葉を考えるならこんな切り口も楽しい!そう思わせる、ユニークな着眼点と素材を生かした新しいフォルムの数々。明日から廃棄物を見る目が変わりそう。
Nicole McLaughlin
リメイクブームの火付け役。作品数はなんと380以上!
切って貼って縫う。至極シンプルな工程も、ニコールの手にかかれば逸品に!「古着屋や街角、ゴミ箱で見つけた名もなきものまで、私にとっては大切な素材。どうすれば別のアイテムに生まれ変わるか?と考える時間が好きです。〈アークテリクス〉など正式にコラボするブランドが増えてきてうれしい!」Instagram→@nicolemclaughlin
Jewel
(Yue) Yang
ロンドンで仰天チェンジ!懐かし(?)の乗り物を身にまとう
ばらしてからランダムに組み立てるため、一定の型があるはずのベビーシートもドレスになると個性が現れる。
ドレスになっているのは、なんと!ベビーシート。「きっかけは大学でのサステイナビリティの課題。リサイクルセンターで見てひらめきました。不思議な風貌の服が、実は身近なもので作られているって面白くないですか?本来衣類としての用途を持たない素材も解体すればファッションになる可能性を秘めているんです」Instagram→ @a1jewel
3R
理にかなった再利用はドリーミーでエコロジー♡
ジャージーをテディベアにしたり、スリフトショップでぬいぐるみを調達。カステルバジャックのテディベアコートに着想を得てこの形に。
ユニークなアウターへと新たに姿を変えているのはスポーツウェア。「生地に多く使われるポリエステルの利点は、耐久性と手入れの容易さ。一方で捨てられたら分解や処理に時間を要するので、環境面から考えても一度作り出されたら長く使われるべきと思います」大胆に生まれ変わった作品には、愛くるしくポジティブな力が宿る。Instagram→ @3r_europe
Caroline Ohrt
廃棄物に価値を見出し唯一無二のジュエリーに
〈キャロライン オールト〉が得意な手法は、ガラクタと煌びやかなラインストーンや真珠を一緒に樹脂で固め、ひとつのアクセサリーにすること。「私にとって、ゴミは金と同じかそれ以上の魅力があります。ビール瓶やタバコ、クレジットカードの破片を使うのは、背徳感を覚えるような楽しさがあるから」Instagram→ @caroline.ohrt
TOYSORRY
不要になった人形に息を吹き込む!
使われなくなった人形やミニカーなどを材料に、丹精込めて組み立てられた仲間たち。それぞれのキャラクターには、その姿になった理由や特徴を綴ったファンタスティックなストーリーが設けられ、捨てられたおもちゃへのシンパシーが表現されている。制作しているのは、正体を明かしていない謎に包まれた作家というのも興味深い。Instagram→ @i.am.toy.sorry
Sam Keller
奇想天外な発想は意外と足元に転がっている
日々消費されている身近なパッケージに着目するサム・ケラー。代表作は、粉砕した飲料缶の表面をスワロフスキーで覆った[Can]シリーズ。華やかであるが、それと同時に、世の中には無数に捨てられていくモノがたくさんあふれている、という皮肉も込められている。最初に手がけた缶はエナジードリンクのレッドブル。Instagram→ @sam_big_gulp
Text&Edit: Minori Okajima (MANUSKRIPT), Minori Kitamura, Nico Araki
GINZA2022年4月号掲載