恋愛部長「大人の恋の歩き方」vol.19 モテないのを、人のせいにしてみる
「モテない」って悩み、ありますよね。はい。私も、モテませんでした。私の人生で、モテた記憶があるのは、女子校で生徒会長やってた時(もちろん女子にモテた)と、2人の子どもたちにモテモテな今だけ(爆)。まっとうに男性からモテた経験はほぼない!!!自慢じゃないが。だから、今「私ってモテないから恋愛なんか無理」「結婚なんて夢のまた夢」なんて思ってる人、安心して!モテなくたって恋愛はできるし、モテなくたって結婚できる。
でも、「モテない」っていう状況が、恋愛のチャンスを遠ざけるのは確かです。モテる状況にある女子は、どんどん恋の話が舞い込むし、モテないと思われている女子は、やっぱり男子が声をかけづらいサイクルにある。男ってのは、社会的生き物なので、そのコミュニティの中で、どんな女子をゲットしたか、人の目を結構気にするところがある。みんなから注目されていて人気や評判が高い女の子をゲットできれば、すごく誇らしいし、「これは自分の力だ」って誇示できた気にもなる。男にとって、女は「山賊のお宝」感覚なんだよってよく言うんですけど。まあちょっと幼稚な発想で、こちらとしては不愉快ですが、なんかそういう部分があるんですよ。
だから、有名になった俳優やらが、売れてない頃に尽くしてくれた内助の功の奥さん捨てて、若くて美人のモデルかなんかと再婚したりするわけですよ。自分の現在の地位を誇示したいっていう幼稚な自尊心なんですよね。
つまり、男ってのは、どんな女をゲットしたか、周りの評価を気にしているところは絶対にあって、もちろん、自分の選択眼に絶対の自信を持つ立派な男性もいるとは思うんだけど、大概の男性は、自分と付き合う女がどんな評価を受けているのかは、すごく気になるところだと思うんです。できれば、みんなが憧れているような存在がいいし、人気があって、「あんな素敵な人はどんな男性を選ぶんだろうね」って噂されているような状況が好ましい。
そんな女を選ぶ俺。そんな女を口説き落とせた俺。そんな女に惚れられている俺!周りの目が集まるほどに、男のプライドはコチョコチョくすぐられまくるわけです。
何が言いたいかっていうと、あるコミュニティ内で恋愛する場合は、どう考えても、モテる女子が有利なわけです。「モテる」というレッテルが貼られているだけで、本人の魅力が2割3割増しになります。それは、競争力が上がっているから余計欲しがられるってやつです。みんなが欲しがってると知ると、急に欲しくなるレアグッズみたいなもの。
翻って、「モテない女子」はどうでしょう?個性的だけど、実はすごく素朴なところがあって、自分としては好ましいと思っている。でも、あまりに周りからの評価が低い。「え?なんであんな子と付き合うの?」「妥協?同情?」なんて目で見られたら、ちょっと気持ちが萎えますよね。告白する勇気とかも出なくなる。
もちろん、先ほども書いたように、中にはすごくちゃんとした男性はいて、「いえいえ、みんなには分からないと思うんですが、僕にはダイヤの原石なんですよ。わっからないかな~?みんな見る目ないですね」って言い切ってくれることもあるでしょう。そういう男性はホントに買いです。即ゲットして婚姻届にサインです。でも、そういう少女マンガみたいなシチュエーション、なかなかないのが現実です。やっぱり人間ですから、男ですから、周りの評価が気になる。周りからモテる子は、下駄履いて素敵に見えるし、モテてない子は、そもそも圏外にされてしまうことすらある。ちなみに、男性は、わりと最初の印象で、「この子は恋愛圏外」と思うと、その印象が持続されてしまう傾向もあるようです。女子は、割と柔軟に「やっぱりこの人いいかも!」って思ったりするんですけど、男性のほうがその辺鈍感なのかもしれないですね。
さて、長々と書いてきましたが、「つまり、モテてないっていう時点で、ダメなんじゃん!」って思ったと思いますが、そうじゃないんです。
「モテる・モテない」という印象は、確かに恋愛にとってはすごく重要で、一度そのレッテルを貼られると、他人も、そして自分も、その状況に固定されがちです。でも私が本当に言いたいのは、「モテる・モテない」は、所詮、状況のことでしかなくて、本人の資質・可能性とは無関係ってこと!
ある状況を指しているだけなので、環境や条件が変われば、いくらでも変化するってことです。「モテる・モテない」は、ズバリ、環境のせい!って思えばいいのです。「モテない」のは、その環境の中に、たまたまあなたを好きだと思う人がいなかっただけのことです。もしかすると、あなたにはふさわしくない環境にいるのかも。あなたの魅力が全く分からない連中といっしょにいるからなのかも。
たとえば、すごく知的で自分の意見をハッキリ言う子がいたとして、そういう子は、知的でしっかりした男性には好ましいと思われるけど、ウェ~イなノリのパリピたちや、港区の金持ちオジサンたちなんかからは全然モテないとします。それは、その子の責任ではなく、環境のせいです。その環境の中でモテなかったとしても、それは仕方ない。環境を変えればいいだけのことです。
たとえば、私の場合。たまたま社内の異動があって、同じ職種だけど別部署に行きました。前の部署では、新人だったこともあっていじられキャラで、モテない女レッテルをベタベタ貼られ、私もそういうもんだと思ってました。「自分はモテないんだ・・・」と思ってたし、だからこそ、卑屈な態度を取ったり、自虐な笑いを取ったりしてた。でもそれは、たまたま私の周りにいた人たちが、最初にそういう扱いをしただけのこと。それが固定されちゃったんですね。
異動した先では、別の人たちと付き合うようになり、自分が何を変えたわけでもないのに、その人たちは、まったく違う扱いをしてくれました。
それもたまたまだと思うんですが、少なくとも私を「モテない」という目では見なかった。そうなると、別に「モテる」とまでは思われなかったけれど、自分の中で、「あ、私はモテないって訳でもないのかな」と思うようになる。そう思えば、ずいぶん気も楽になる。もともと恋多き人間なので、トライ&エラーを繰り返すうちに、その話を周りにしたりして、ますます、「この人はいつも彼氏いて恋している人」っていう目で見られるようになる。そういう風に扱われるようになると、こちらも振る舞い方が変わってくる。その好循環です。環境が、接する人が変わるだけで、こっちも変わる、ということです。
今でも昔の部署の人と会うと、いつの話だろうっていう昔の話を蒸し返していじられたりして、すごく違和感を感じます。「ああ、この人の中で私のイメージは相変わらずモテないイケてない子なんだなあ」って。その人が悪いんじゃなくて、そういう環境に、たまたまいたんだなってことです。要するに、「モテない」のは、必ずしも自分にだけ責任があるわけではないのです。
もし、同じ環境に身を置いていて、ずーっと「モテない」っていう呪縛に囚われている人がいるのだとしたら、言いたい。一度、ガラッと環境を変えてみるのがいいと思うんです。職場で「モテない」キャラになっているのだとしても、たとえば、趣味のサークルかなんかを見つけて、そこにいる自分の割合を増やせばいい。相手が違えば、それに対して顔を出す自分の中のキャラクターも人格も変わります。もしかしたら自分をちやほやしてくれる場所だって見つかるかも。そこまでは行かなかったとしても、少なくとも、あなたのことを頭から馬鹿にしたり、ネガティブないじりをしたりする人なんていない場所へ、抜け出せるはずです。「モテる・モテない」は、そのコミュニティの中だけの価値観です。状況でしかない。決して、本質的な価値ではないし、絶対評価ではない。それをあまり過剰に気にしないことです。
結局は、自分の思い込みが一番大事なのです。もちろん、どんな扱いをされようが気にしないくらい、自分に対して自信があるのが理想。でも、人間はそこまで強くない。「お前はモテない」という呪いをかけてくる人間は必ずどこかにいる。だから、そういう呪いを、「何の意味もないし、この人だけの価値観だ」と達観して、別の価値観を持つ人を探しに行くようにすればいいのです。そして、いつでも大事なのは、自分が心地よく生きていられる場所にいることです。
たとえば、そのコミュニティに属していることで、もしかすると対外的な自尊心が満たされるのかもしれません。でも、そのコミュニティ内では、自分の存在が低く見られ、いつもつらいものだとします。
だとしたら、そのコミュニティは出るべきです。
大事なのは、自分を尊重し、大事にしてくれて、愛を持って接してくれる場所に居続けること。それこそが、自分自身を大事にしているということ。「自分は、人から愛される。」「自分は異性から選ばれる価値がある人間なんだ。」そう信じられることが一番大事。その信じる気持ちが強いほど、それはオーラとなってあなたを包むから。そして、その雰囲気にこそ、他人は影響を受けるからです。「私はモテる」と本心から信じる女こそ、本当にモテる女なんです。実は、「モテる・モテない」は、本人がそう思い込む力に寄るのかもしれません。
どうでしょう?今のあなたは、どんな場所にいるでしょうか?自分に自信がなくなってしまうような場所に生きているのではありませんか?何より大事な自分の気持ちを守るために、どうか一度、環境を見直してみてくださいね。
きっと新しい可能性が見つかるはずです。
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恋愛部長
20代に恋愛で失敗を繰り返したことから、様々な独自の恋愛理論を編み出し、2008年から恋愛ブログ「恋はいばら道」をスタート。過去の失敗談を披露したり、多くの人の恋愛相談に乗ったりしている。私生活では、38歳で留学を機に当時結婚を考えていた彼氏と別れ、40歳で知り合った現在の夫と結婚、出産。現在は、広告代理店で働くかたわら、1男1女を子育て中。著書に、『28歳からの必勝ルール~恋愛部長の恋のムチ』『にっちもさっちもいかない恋がうまくいく本』(大和出版)。
HP: http://renaibucho.com
NOTE(恋愛相談): https://note.mu/renaibucho
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カシワイ
装画や挿絵などのイラストレーションや漫画を描く。リイド社より単行本『107号室通信』を刊行。
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