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レトロモダンなソウル・アーティスト6選

レトロモダンなソウル・アーティスト6選

ときに軽やかに、ときに濃厚に、“重ねた時間”の音が聞こえてくる。ただ懐かしいだけじゃない、新しくてディープな音楽世界に触れてみよう。


レトロモダンなソウル・アーティスト

Khruangbin

2009年、テキサス州ヒューストンで結成されたインスト・トリオ。バンド名の由来はタイ語で「飛行機」。70年代のタイや中東などのエキゾチックな音楽を取り入れたサイケデリックなスタイルは「ヴィンテージ・ソウル」と直結するものではなかったが、彼らの存在感やダンサブルな楽しさによって「ヴィンテージ」と「ソウル」の概念を拡張したと言える。ライヴではファンクやヒップホップ名曲のメドレーも定番。19年に初来日しフジロックフェスティバル ’19にも出演を果たした。


 

Los Retros

カリフォルニア在住のメキシカン・アメリカン青年、Mauri Tapiaのソロ・プロジェクト。2019年にストーンズ・スローからデビューを果たして全米を驚かせた当時、まだ19歳だった。16歳の頃からネット上で音源を発表していたという早熟の天才マルチ・ミュージシャンで、ヴォーカルのうまさでも高い評価を得ている。ノスタルジックでスウィートなソウル感覚だけでなく、若い耳で吸収してきたガレージ・ロック、ラテン、シティポップなどにも音楽性が及ぶところがとても現代的。


 

Durand Jones & The Indications

インディアナ州でガレージロック・バンドを結成していたドラマー、Aaron Frazerたちが、テキサス出身の黒人シンガー、Durand Jonesと出会って2012年に結成。60〜70年代の無名なソウルのレコードに宿る魅力に取り憑かれ、そのサウンドを自分たちのものにしていった。2019年にリリースしたシングル「Cruisin’ To The Park」がチカーノ・ソウルのファン層にもブレイク。21年初頭にリリースされたAaronのソロ・アルバムも超ヴィンテージなスウィート・ソウルで評判を呼んだ。


 

Thee Sacred Souls

ヴィンテージ・ソウルの重要レーベル、ダップトーンの傘下に設立された新レーベル、ペンローズの第1号アーティストとして2019年にデビューした3人組。メンバーは西海岸で幼い頃からローカルな文化に育まれたチカーノの2人によるリズム隊と黒人のシンガー。22年9月にデビュー・アルバムをリリース。今、西海岸のソウル・シーンで大きく注目されているニュー・グループとなっている。バンド名の“The”を“Thee”と伸ばして綴るのは、60年代の名バンド、Thee Midnitersにちなんでいる。


 

Lady Wray

1979年、カリフォルニア生まれの女性シンガー。16歳でMissy Elliottに見出されて客演し、本名の「Nicole Wray」としてデビュー。ソウル・デュオ、「レディ」などでの活動を終え、新たなソロキャリアを歩みだした彼女を、ヴィンテージ・ソウル重要レーベル、ビッグ・クラウンがバックアップ。髪を大胆な色に染め、荒っぽいR&Bサウンドで、「Lady Wray」という強力なペルソナを打ち出した。その圧倒的な存在感で、現代において「ヴィンテージ・ソウル」を表現する信念を着実に前進させている。


 

The Altons

The Altons

2015年にカリフォルニア・ロサンゼルスで結成。現行チカーノ・ソウル・シーンの重要人物Joey Qui˜nones率いるThee Sinseersが母体。まさに、ヴィンテージ・ソウルのお手本と言える本格派のムードと、レゲエやロックも渾然一体となった若々しさがあり、何よりバンドをやる楽しさに満ちている。特に女性シンガー、Adrianaの加入でキュートさも加算。オリジナル・アルバムは20年リリースの『In The Meantime』のみで、セカンド・アルバムのリリースや来日が心から待たれるグループだ。

Text: Ryohei Matsunaga

GINZA2022年12月号掲載

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