「六本木クロッシング」は森美術館が3年に一度開催する、日本の現代アートシーンを総覧する展覧会。6回目の開催となる今回は、1970-80年代生まれを中心とした日本のアーティスト25組が出品している。
展示風景:「六本木クロッシング2019展:つないでみる」森美術館(東京) 撮影:木奥惠三 画像提供:森美術館
テーマは、現代の表現を通して見えてくる「つながり」だ。ネットやSNSによって、シェアが一般化し、同じ趣味のコミュニティが生まれやすくなっている一方で、同じツールが新たな分断や軋轢を生む温床にもなっていることは、誰しもが実感しているはず。
本展は、同時代のアーティストたちが見る、この時代の特徴を、対極のものや異質なもの同士を接続・融合したり、本来あるはずのつながりを可視化することによって、さまざまな「つながり」を提示している。
アンリアレイジ《A LIVE UN LIVE》2019年 展示風景:「六本木クロッシング2019展:つないでみる」森美術館(東京)
展覧会の冒頭は、いわゆる最先端のテクノロジーを使った作品が多い。ご存知アンリアレイジは、東京大学の川原研究室とコラボレーションし、人の体温で形状が変化する新しい服を提案。林千歩は、映像作品《人工的な恋人と本当の愛》で、拙いAIロボットの「社長」と人間の「女生徒」の愛の物語を面白可笑しく描く。映画『ゴースト』のように、イチャイチャしながらろくろを回す二人の様子は、AIというテクノロジーを、愛やエロに接続することで、近い将来を生々しく表現している。