知っておきたい日本の言葉、季節のあれこれ。
ギンザ淑女のニッポン教養 1月「松の内」満喫していますか?
松の内まつのうち
門松(松飾り)や、注連飾りなど正月飾りを掛けておく期間のことを「松の内」と言います。一般的に関東では1月7日まで、関西では1月15日までをこう呼びます。年神様が宿るよりしろである松飾りが外されて、ようやく正月気分も終わりを迎えます。外した松飾りは1月14日の夜または15日朝に行われる「左義長」別名「どんど焼き」などと呼ばれる火祭りで焼かれ、この火であぶった餅を食べると、一年間無病息災に過ごせると言われました。
今月の神様
なまはげ
秋田県男鹿半島を中心に各地に広がる民間信仰の神様。小正月または大晦日に家々をまわって「泣く子はいねが?」と、親を困らす子どもをたしなめます。怖い鬼だと誤解されますが、もともとは、ろくに働きもせず囲炉裏の火に当たってばかりいて腕や足に火ダコ(低温やけど)ができた人間の怠惰を戒め、その家に福を招く来訪神なのです。火ダコのことを方言で「ナモミ」と言い、ナモミを包丁で剝ぐ「ナモミハゲ」が訛って「ナマハゲ」になったのだとか。2018年になまはげはユネスコの無形文化遺産に認定されました。
今月の和菓子
菱葩餅ひしはなびらもち
宮中の正月行事で、丸い餅に紅色の菱形の餅を重ねたものを12枚並べ、各々に搗栗や榧の実、塩漬けの鮎などを載せて飾りました。江戸初期には鮎がゴボウにとって代わったのがこの菓子の原形です。花びらのような丸い餅と菱形の餅が重なることからこの名前がつきました。「塩野」では求肥に味噌餡と蜜煮のゴボウが挟んであります。
菱葩餅 ¥700 *税込み*1月のみ販売(塩野)
今月のたしなみ紙製品
懐紙かいし
「京懐紙」は昔、芸舞妓が札入れをくるみ、着物と帯の間に挟んで使いました。現在よく知られる「御茶懐紙」はそれよりやや小さく、茶席で菓子を取る時の必需品ですが、それ以外にも折り方次第でぽち袋や箸袋にしたり、メモ用紙にも使えたりと、いつも持ち歩いていると便利な優れものなのです。「京懐紙」に刷られた絵柄は、彩色した餅を小さく丸めて柳の枝に付けた「餅花」で、お正月らしいモチーフです。
右: 餅花の京懐紙*御茶懐紙の倍のサイズ10枚入 ¥1,210 左: 3点 御茶懐紙20枚入 各 ¥715 *共に税込み(共にぴょんぴょん堂)
Photo: Chihiro Oshima, Kazuharu Igarashi Illustration: Hisae Maeda Text&Edit: Mari Matsubara