新作映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』の上映を2月23日に控えるソフィア・コッポラ。第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で女性として、史上2人目となる監督賞を受賞した本作の上映に合わせて、彼女の監督生活20年を記念した、限定2000部、日本のみで発売される写真集が完成。
記録されているのは、最新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』から、Netflixオリジナルの『ビル・マーレイ・クリスマス』、『ブリング・リング』、『SOMEWHERE』、『マリー・アントワネット』、『ロスト・イン・トランスレーション』などの撮影の舞台裏だ。フォトグラファーは、美大生時代の90年代からの付き合いで、ルイ・ヴィトンやカルティエなどのコラボレーション・ヴィジュアルも共に手がけるアンドリュー・ダーハム。
©2018 by Andrew Durham
左ページは、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』のイメージボード。右ページは、同作に出演しているエル・ファニングのオフショット。
キルスティン・ダンストや写真の中でも成長が伺えるエル・ファニング、ビル・マーレーにジェイソン・シュワルツマンなどおなじみの豪華のキャスト陣のオフの表情はもちろん、ソフィア自身や撮影クルーに参加する、母エレノアの姿、プロデューサーであり兄のロマン、夫であるフェニックスのヴォーカル、トーマス・マーズなど、コッポラファミリーもちらほら登場しているのもみどころ。友人ゾエ・カサヴェテスと手がけたテレビ番組『HI-OCTANE』の撮影風景や、ソフィアのオフィスのデスクの上など、普段は見られないまさにソフィア・コッポラの歴史とその頭の中を少しだけのぞける内容となっている。好きなことを本能に忠実に、楽しんで追いかけている彼女のもとに、多くの才能が集まってくる。ということが見ているだけでも伝わってくる一冊だ。
ブックデザインは、「Vogue Paris」などのADも務めた、ジョセフ・ローガンが担当。エディターは、1994年に行われた X-girlのショーでソフィアと出会い、96年には渋谷パルコで開催された写真展「Baby Generation」の企画・カタログ編集を手がけた林央子。同写真展やソフィア作品のプロデュースをしてきた、HK Productionの川崎博子と彼女がこの写真集を機にリユニオンし、「90年代の日本のスナップ写真に大きな影響を受けた」というソフィアにとって、“特別な場所”である日本のみでの発売が決まったという。
©2018 by Andrew Durham
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』の撮影現場より。監督時のソフィアの着こなしも楽しめる。
出版を記念し、2月14日から2月18日まで渋谷神宮前の書店「UTRECHT」にて「here and there bis Sofia’s Circle」点を開催。写真集にも収録されている『ロスト・イン・トランスレーション』時代の写真作品2展を展示販売するほか、ソフィア・コッポラ作品への応答として作られた100部限定のハンカチ文集「here and there bis」が展示販売されるという。この文集に参加するのは、小池アイ子、小林エリカ、田村友一郎、ミヤギフトシのアーティスト4名。ソフィア映画の魅力を、アーティストと一緒に視覚化・言語化するという試み。写真集、映画、展示が同時に体験できるこの機会に、ソフィア・コッポラという類稀なる才能に迫ってみてほしい。
『SET PICTURES Behind the Scenes with Sofia Coppola ソフィア・コッポラ監督20周年記念メモリアル・フォトブック』
序文: ソフィア・コッポラ
写真・著: アンドリュー・ダーハム
発行元: DU BOOKS、発売元:ディスクユニオン
価格: 2,500円(税抜)