インテリアにも注目したい、TV放送中のドラマの中を探訪! 美術デザイナーが語る、浅葱空豆(広瀬すず)と海野音(永瀬廉)の部屋のポイントとは?
浅葱空豆の部屋

九州で育った23歳の主人公。上京後ファッションに興味を持ち、〈アンダーソニア〉デザイナーの久遠徹の元で働くことを目指す。
「大家で芸術家の雪平響子(夏木マリ)の家に転がり込んだ空豆。彼女が暮らすこの部屋はもともと物置だったので、素のままを意識しました。今は響子の荷物でいっぱいですが、話が進むにつれて空豆自身の荷物が増えていくはず。そんな展開を想定しながらセットを作っています」(美術デザイナー・柳川和央さん)
ドア上の小棚にはミニ箪笥など懐かしい和紙工芸品がカゴとともに。
ガラスの脚が美しいサイドテーブルやクラシックな面持ちの一人がけ椅子など、レトロな家具がたくさん。
昭和の頃に作られた物が、棚や机の上に見られるのも特徴。「部屋には、響子が好んだアフリカのお土産物も数多く並んでいます」
日焼けをしたり色あせたり、年季が入ったアート関連の書籍もずらりと。
「差し込む光の表情が楽しめるよう、ひとつだけ黄色いステンドグラスを入れた窓にしたのがポイントです」
デスクの上には、響子が愛用していた使いかけの画材や染料などが置かれている。
築50年以上の家屋になじむ、時の経過を感じる茶箱や扇風機。
装飾された北海道のニポポ人形や、九州の雉子車など、日本の郷土玩具が並ぶ。
資産家でもある響子。当時高価だったステレオの上には、積み重なったアルバムが。
海野音の部屋

空豆と同い年の23歳。ユニバースレコードでコンポーザーとして活動しながら、A&Rの磯部真紀子と新ユニット結成の準備中。
壁際にギターやウクレレ、奥には音楽関連のメモや楽譜、雑誌の切り抜きがびっしり貼られている。
「部屋で作曲をする人物なのでDTMに必要なPCやキーボードをそろえました」。ヘッドフォンや録音用のコンデンサーマイクなど専門的なものも。
「世界中を旅し、アフリカのアートカルチャーに魅せられた響子をイメージした地球儀を、音と空豆の部屋に飾っています」
オアシスなどの名盤レコードやミニチュアサイズのギターなど、ベッドまわりからも音楽愛がうかがえる。車のナンバープレートやミニカーなどアメカジテイストの雑貨も。
本棚には音楽やファッションの雑誌や楽譜、1980〜2000年代を中心としたCDがぎっしりと収納されている。楽器上達のための書籍も多く、音が努力を重ねていることがわかる。
仕事に欠かせないアンプやペダル、ピックなどの音楽機材も充実。
仕事に欠かせないアンプやペダル、ピックなどの音楽機材も充実。
Photo: Wataru Kitao Illustration: KAWADAHO Text: Minori Okajima