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「印刷物/雑誌が好き」を詰め込んだ、パリに住む3人の女性による『The Skirt Chronicles』Magazine isn’t dead Vol.9

「印刷物/雑誌が好き」を詰め込んだ、パリに住む3人の女性による『The Skirt Chronicles』Magazine isn’t dead Vol.9

独断と偏見で選ぶ国内外のマニアックな雑誌に特化したオンラインストア「Magazine isn’t dead. 」を主宰する高山かおりさん。世界中で見つけた雑誌やZINEから、毎月お気に入りの1冊を紹介します。前回紹介したZINEは『Posterzine


パリに住む3人の女性により2017年3月に創刊した『The Skirt Chronicles』は、年に2回の出版を続け現在5号目まで発売している。 先日来日した彼女たちに、雑誌について直接話を伺う機会に恵まれた。その時のエピソードを交えながら本誌の魅力について紹介したい。

ニューヨーク出身のSofia Nebioloとパリで生まれ育ったHaydee Touitou(余談だが、Haydeeの父は〈A.P.C.〉の創設者でデザイナーのJean Touitouだ)、Sarah de Mavaleixの3人はHaydeeの弟を介して出会った親友同士で、印刷物や雑誌が好きという共通項で意気投合。自分たちの理想とする本当に読みたい雑誌がないと感じ、いっそのこと作ってしまおうと始まったのが『The Skirt Chronicles』だ。

タイトルは、本誌のアートディレクションを担当するSarahが集めていた1950〜60年代の雑誌の中にあったイギリスの『Skirt』という雑誌にインスピレーションを得て、『The Skirt Chronicles』とした。編集長のSofiaは、「“Chronicles”とつけたのは、私たち3人だけでなく同じ時代を生きている人々の視点も反映させたいと考えたから」と話す。シーズンのファッショントレンドを紹介するのではなく、変わらないスタイルとその背景にあるストーリーに焦点を当てた記事や、生き方を問うインタビューテキストをアートや小説、詩なども織り交ぜながら美しい写真とともに編んでいる。

本誌ならではのユニークな特徴として真っ先に挙げたいのが、時系列でコンテンツが構成されていること。ここでいう時系列とは、なんと原稿が納品された順だという。「もちろんレイアウトの関係で変えることはあるけれど、基本的には編集作業も納品順。自然に積み重なっていくという感じです」とSofiaは続けるが、その柔軟な編集スタイルは世界中の雑誌を見ても独特だろう。

また、手に取りやすいサイズも魅力のひとつだ。「きっかけはSofiaが見つけてきた初期の『i-D』でした。ZINEのような形で持ち運びやすくていいねとみんなで話して、旅にも持って行けるようなサイズ感にこだわりました」とSarahは話す。海外のペーパーバックよりもひと回り大きく、束があり書籍のような体裁はファッションを取り上げる雑誌としては珍しいサイズ感だと思う。あのマーガレット・ハウエルもサイズ感が素晴らしいと褒めてくれたという。女性ならハンドバッグに入れることができ、男性ならジャケットのポケットに収まることもあるという絶妙な判型に、女性ならではの視点が反映されているのではないだろうか。

巻末に必ず挟み込まれるのが“ADDRESSES”と題したページだ。3人のお気に入りのお店やこれから行きたい場所などを世界中からピックアップし、短いキャプションを添えて紹介している。日本のアドレスも多く登場しているため、ぜひチェックしてほしい。 このアドレスページの延長線上で、本誌とは別に旅の書籍も出版したいと考えている彼女たち。他にも3人でやりたいことはたくさんあるらしい。尽きない好奇心や物事に対する熱意が素晴らしい雑誌づくりができる所以だろう。 そして彼女たちも私と同じく雑誌が好きでたまらなくて、紙の力を信じているひとりなのである。

 

『The Skirt Chronicles』はこちらで販売しています。

 

この連載では、ginzamag.com読者の手作りZINEを募集しています。決まりがなく、自分を自由に表現できるのがZINEの魅力。オンラインストア「Magazine isn’t dead. 」の高山かおりさんに、自分のZINEを見てほしい!という読者のみなさま。ぜひGINZA編集部まで送ってくださいね。

郵送先 問い合わせ先
〒150-0001 東京都中央区銀座3-13-10 マガジンハウス
GINZA編集部 「Magazine isn’t dead. 」宛
ginzamag@magazine.co.jp


※ZINEと一緒に住所、氏名、年齢、電話番号、メールアドレスを明記した紙を同封してください。
※ご送付頂いた作品はご返却できません。ご了承ください。
※個人情報は、この企画のために使用し、その他の目的では利用いたしません。
※個人情報の管理については、GINZA編集部が責任を負い、これを厳重に保管・管理いたします。

高山かおり Kaori Takayama

独断と偏見で選ぶ国内外のマニアックな雑誌に特化したオンラインストア、Magazine isn’t dead. 主宰。ライター、編集者としても活動している。生まれも育ちも北海道。セレクトショップ「aquagirl」で5年間販売員として勤務後都内書店へ転職し、6年間雑誌担当を務め独立。4歳からの雑誌好きで、国内外の雑誌やZINEなどのあらゆる紙ものをディグるのがライフワーク。「毎年楽しみにしている“Stack Awards”が今年も発表されました。エントリーの中では『PAN AND THE DREAM』『BACKSTAGE TALKS』『PRESENT』は当サイトでも販売しますのでお楽しみに!」

Photo: Natsumi Kakuto Text: Kaori Takayama

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