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イエス! わたしは変身しました! : プロレスラー タイガーマスク「自分の中にいるもう1人の自分」

イエス!   わたしは変身しました! : プロレスラー タイガーマスク「自分の中にいるもう1人の自分」

ある時は性別を超え、
またある時は国籍を超え、
またまたある時は生物の種別を超え、
ダイナミックに自分を変えていく。
変身の達人たちにその醍醐味を聞く。


自分の中にいるもう1人の自分

プロレスラーの道を志し、初代タイガーマスクである佐山聡のジムに弟子入りしたのが20歳の頃。それから1995年のデビュー戦以来、私はタイガーマスクとしての道を歩み続けている。我がプロレスラー人生は、常にマスクとともにある。

プロレスでメキシコ留学を考えていた私が知人の紹介で佐山さんと出会えたのは偶然という名の運命だったと思う。弟子入りして数カ月が過ぎた頃、「お前、タイガーマスクやるか!?」と、冗談好きだった佐山さんが突然、携帯電話を片手にそう言った。まるで、「コーラ買ってきて」と、軽くおつかいを頼むようなノリで。ホントに冗談だと思った僕は、「はい!」と思わず返事をしてしまった。が、冗談ではなかった……。そこから始まった修業時代は、まさに地獄。正直、二度とあの時代には戻りたくない。しかし、プロレスが好き、タイガーマスクが好き、なにより佐山聡という男を心から敬愛できたからこそ、厳しいトレーニングも乗り越えられた。

はじめてコスチュームを手にした日のことは、今でも鮮明に覚えている。自分のなかにタイガーマスクが宿った瞬間だ。

あれから20年。ファンが求めるタイガーマスク像と自分が目指すファイティングスタイルの違いに葛藤した日々もあった。しかし、「お前は、お前のタイガーマスクになればいい」。佐山さんの言葉が、常に自分を鼓舞した。もはや、マスク無しで生身の自分としてリングに立つ姿は想像できない。素顔でリングに立つことは、素っ裸になるより恥ずかしい(笑)。私とタイガーマスクは一心同体であり、自分の中にいる、もうひとりの僕だ。

試合前、今日もまたマスクをかぶり、鏡のなかに佇むタイガーマスクと対峙する。「よしっ」。戦闘モードに切り替わる、儀式のような神聖な瞬間だ。

 

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コーナーポストから飛び、相手に自らの体を打ち付けるダイナミックな大技、フライングボディアタック〜!!!

 

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黄金に輝くマスクにちなんで、“黄金の虎4代目”の通称で愛される、4代目タイガーマスク。金色のマスクとマントがトレードマーク。

タイガーマスク(4代目) タイガーマスク

新日本プロレス所属の覆面レスラー。佐山聡が創設したスーパータイガージムでトレーニングを積み、佐山の勧めで虎のマスクをかぶることを決意。1995年7月15日、ザ・グレート・サスケ戦でデビュー。

Illustration: Kei Hagiwara Text&Edit: Chisa Nishinoiri

2016年8月号掲載

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