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03 Mar 2023
2月10日(金)〜12日(日)に新宿駅直結の複合施設・ニュウマン新宿にて開催した「OPENING DAYS 2023SS」。そのイベント初日に実施した、DEPT Company代表でアクティビストのeriさんをゲストに迎えてのスペシャルトークショーの様子をレポートする。
ルミネ・ニュウマンの2023年春夏のシーズンテーマは「Explore the Next “次”への扉を開くとき」。OPENING DAYSでは、「探検」や「世界を広げる」をキーワードに、計48店舗で限定商品の発売やポップアップショップの展開、人気ショップによる館内ワークショップの実施の他、トークイベントや展示企画が行われた。
イベント初日の2月10日(金)には、そのファッションやライフスタイルに注目が集まるDEPT Company代表・eriさんを迎えて“自分にとっての最愛”の見つけ方をテーマにしたトークショーを開催。会場となったのは、ニュウマン1階「ブルーボトルコーヒー」横のオープンスペース。
進行を務めたのは、普段からeriさんと親交があり、GINZAでも活躍するエディターの福原咲子さん。「eriさんにとってのファッションとは」という話からスタートした。「情報化社会で、他人と比べることが多くなってきましたよね。でも、そもそもファッションって、外見よりも内面の話だと思うんです。誰かをお手本にするより、自分と向き合う事が大事。自分の中に基準やモノサシを持っておくといいんだろうなと感じます」
古着カルチャーを牽引したショップ〈DEPT〉の創業者である両親の元に生まれたeriさんにとって、そのアイデンティティは古着で培われた。「一点ものなので、既製品のようにサイズ展開されておらず、身長や体型で選ぶことが難しい。だからたくさん試行錯誤したし、失敗もありましたよ。古着に“これをどうやって着るの?”ってお題を与えられて、ほかのアイテムをミックスする感じ。自分の中で大喜利をして、“今”にアジャストしていくんです」。この日のeriさんの装いも、コートとセーターは古着。インナーは〈ベースレンジ〉でパンツは自身のブランドの試作品を着用していた。
本当に好きなものを見つけるために心がけていることについては、
「すごく考えて、自分がどうなりたいか、納得してからにしています」と返答。古着に関しては、特に古いものに限定したり付加価値を重視するといった基準をもうけず、トキメキを感じたら買い付けるのだそう。
「一枚でも多くレスキューして、新しい持ち主に長く愛してもらう。その可能性を自分のところで狭めたくないんです」。新品の洋服も、どのように作られているのか、背景をしっかりと理解した上での購入を勧めた。
気に入ったアイテムを長く愛用することは、サステナビリティにも結びつくという。
「繊維産業は、地球環境の深刻な問題と対峙していますが、だからといってエシカルな暮らしを難しく捉えすぎないでほしい。たとえば古着に挑戦してみる、日本製を選ぶなど、発想の転換や自分なりのセオリーがひとつあるだけで、また違った買い物体験ができると思うんです」
そして、本当に長く愛せる服の条件については「作り手がきちんと考えて生み出し“物質的耐久性”と、買う側、所有する側の「好きだ」「 かわいい」という気持ちを持ち続けられる“情緒的耐久性”。このふたつが備わって初めて、その人にとっての“最愛”になるんじゃないでしょうか」
イベント終盤で、質問を募るコーナーも。「服を手放すタイミングがわからない」「自分の好きを知るにはどうすればいい?」など、いくつもの問いかけに、エピソードを交えながら丁寧に答えたeriさん。終始、熱心に耳を傾ける参加者の様子が印象的だった。
“自分にとっての最愛”を見つけるアイデアや、 世界を広げるために心がけていることなど、 サステナブルな視点も交えながらのトークが展開された一時間。古いものを愛おしむ喜び、 そして買い物を通じて新しい自分を発見する楽しさに、改めて気付かせてくれた。
Photo: Yuki Sonoyama Text:Shoko Matsumoto
2023年4月号
2023年3月10日発売