GINZAが考える『この冬にしたい10のこと』 – 04: デヴェンドラ・バンハートの最新作を聴く

GINZAが考える『この冬にしたい10のこと』 – 04: デヴェンドラ・バンハートの最新作を聴く

この冬、これがあったら素敵、幸せなるモノやコトを、 それぞれのジャンルにアンテナを張る10名が選び、なぜそれが2016年の冬に相応しいか?じっくりとその理由を語っていただきます。


 照沼健太さん(AMP編集長)

「デヴェンドラ・バンハートの最新作を聴く」

音楽ライターの照沼健太です。僕が冬に聴きたくなるのは、思いっきり冬を感じる寒々しい音楽か、暖かい部屋でのんびりするのに最適な温かい雰囲気の音楽。この冬、暖かい部屋でのんびりと聴きたい1枚は、孤高のSSWデヴェンドラ・バンハートの最新作『エイプ・イン・ピンク・マーブル』です。

 

レトロでかわいらしいビートに、きらきらと輝くシンセ、そして甘いメロディーが印象的な「Saturday Night」。頭を優しく撫でてくれるような温かい雰囲気を感じさせるギターと優しい歌声にうっとりする「Middle Names」。どちらもタイプは違う曲ですが、なんだかお部屋に暖炉があるような気分になってきませんか?

そして今回、デヴェンドラ・バンハートが来日!   そこで彼にも「冬にしたいこと」を聞いてみました。

 

シャネルのモデルを努めたこともあるだけに、今日のファッションもおしゃれですね。テーマは?

テーマは「緑」。ドナルド・トランプが当選してアメリカや世界の状況を考えたときに、アートは多くのアーティストが立ち上がってすばらしい作品を作るから大丈夫だとは思うんだけど、環境に関してはこれまで二酸化炭素を抑えようと努力していた動きが後退してしまうんじゃないかと思ったんだ。だから緑にしたよ。友だちが作っているセーターと、ヴィンテージのイブ・サンローランのスカーフがポイントだね。

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今回冬に聴きたい音楽としてあなたの作品を取り上げたのですが、本作の季節はいつ頃を想定していますか?

「A・KI・NO・KU・RE(日本語で)」秋の終わり頃だね。想像上の、東京郊外の寂れた地域にある今にも倒れそうな古びたホテル、そのロビーでかかってそうな音楽にしたいと思って作ったレコードなんだ。

あなたが住んでいるLAは冬もあまり寒くなさそうですね。

LAではいちばん寒い日にもTシャツを着ていられるよ(笑)アメリカよりもはっきりした四季があるから、日本みたいな国に僕らは幻想を抱くのかもしれないね。でも僕はちょっとした変わり目に敏感でいないといけないと思っていて、どんな変化も自分の中に浸透するように肌の皮を薄くしていたいと思っている。そうそう、自分にとって冬の訪れを象徴しているのが柿なんだ。家の近くの店に冬のはじめにだけ日本の柿が売られるようになって、それを毎日食べるよ。柿が好きなんだ。

あなたは世界を回っていますが、冬が良かった場所はありますか?

カリフォルニアのビッグ・サーだね。ビッグ・サーはカリフォルニアだけどすごく日本の美意識を取り入れていて、建物も木でできていたりヒノキを使っているものが多いんだ。西洋の石造りの建物に比べて、外界と中の区別が曖昧なんだよ。

お気に入りの冬の過ごし方はありますか?

“ホット・トディー”という、ウイスキーをお湯で割ってレモンとクローブ、それからはちみつを入れるお酒を飲みながら本を読むのが僕の理想的な冬の過ごし方だね。

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冬に聴きたい音楽はありますか? 僕はレディオヘッドの『キッドA』です。

『キッドA』か。雪の降っているカナダでタバコを吹かしながら暖かい部屋にいるような雰囲気を感じるね。若い頃は僕もそういうのをロマンチックだなと思いながら聴いていたよ。僕自身はハロルド・バッドをよく聴くね。コクトー・ツインズやブライアン・イーノとも共作しているピアニストなんだ。もちろんコクトー・ツインズもいいよね。それとドゥー・ワップも冬に聴くとノスタルジックであたたまるね。アリス・コルトレーンなんかのスピリチュアル・ジャズもいいな。ホーギー・カーマイケルもいい。

たくさんありがとうございます。最後に、お気に入りの冬のファッションを教えてください。

分厚いコートにセーターとジーンズ。そしてサンダル(笑)足元だけはカリフォルニアスタイルなんだ(笑)。

デヴェンドラ・バンハート最新作『エイプ・イン・ピンク・マーブル』についてのインタビューは音楽メディア「AMP」でも紹介しています。また、2017年4月20日にビルボードライブ東京、22日にビルボードライブ大阪での来日公演が決定。詳細/予約はビルボードライブ東京 (03-3405-1133)まで。

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Devendra Banhart

デヴェンドラ・バンハート

1981年生まれ、アメリカのシンガーソングライター。カエターノ・ヴェローゾからエルヴィス、ビートルズ、イギリス諸島のフォーク・ミュージック、現在では消滅してしまっている1930年代のフォーク・ミュージックを独自の詩的な視点でフリー・フォーク~サイケデリックなロックとして展開した2005年作品『Cripple Crow』でブレイクし、音楽のみならずペインティングアートや、シャネルのモデルなど、多岐にわたる活動を行っている。

 

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NEW ALBUM

『Ape in Pink Marble / エイプ・イン・ピンク・マーブル』

発売日 : 2016年10月19日

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照沼健太 Kenta Terunuma

音楽メディア「AMP」編集長。フリーの編集者・ライター・カメラマン。好きな音楽は、インディーを中心としたリアルタイムなポップ・ミュージック全般と、50年代のロックンロール。

 

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