近年、新しい観光のカタチとして注目を集めている「インフラツーリズム」。その名の通り、ダムや橋、トンネルなど社会インフラを対象とした観光が今、東京でも大人気なのだとか。私たちの暮らしを支えるインフラを知れば、東京の街が何倍も面白くなるはず!
クロネコヤマトの舞台裏。目玉は荷物仕分けだ!【東京インフラツーリズム】
ヤマトグループ 羽田クロノゲート見学コースat羽田
「羽田クロノゲート」は、全国に71カ所ある荷物発着ベースのひとつ。東京23区のうち、世田谷、目黒、新宿、渋谷区から発送される荷物は各エリアの配送センターからここに集まり全国へ発送される。逆も然りで、いわば荷物のハブステーションだ。数あるベースの中でもこの羽田クロノゲートは規模が大きく、最新鋭のシステムが導入されているという。
見学ツアーの目玉もこの仕分けシステムということで、なんと1時間で最大4万8000個もの荷物を仕分けられるという。てっきり巨大アームロボットが荷物の仕分けをしていると思ったら、あるのは高速道路のジャンクションをミニチュア化したような複雑なベルトコンベアの流れで、そこをかなりの速度で荷物が流れていく。どんどん荷物が増えるコンベアはエリア内を回りながら、時々ベルトの左右に登場する支流にスルッと吸い込まれていく。これは48本あるシューターと呼ばれるもので、これによって配送先へ仕分けられる。流れる荷物は、自分が届くべきエリアのシューターに差し掛かると自動的にそこに吸い込まれていく(不思議!)。
からくりは荷物に貼られているあのおなじみの数字付きのバーコードシールにあって、コンベアの途中にあるスキャナーがこれを読み取って、それぞれの荷物が乗っているベルト(セルと呼ぶ)に「この荷物はこのシューターに落としてね」と信号を送るのだそう。そういえば、この仕分けエリアに入った瞬間、どことなくスペーシーな印象を受けたのだけれど、それはこのスキャナーが放つ赤い光のせいだったのだ。
驚くべきテクノロジーに脱帽しつつツアーは終了かと思いきや、最後にほっこりするイベントが用意されていた。これはぜひ体験していただきたいので詳細は控えるが、「人から人へ、荷物に込めた想いを伝える」というヤマトグループの信条が伝わるとてもいいおもてなしで、心の底から「ヤマトさん、ありがとう!」と叫びたい気持ちで、羽田を後にしたのだった。
円形のコロシアム的な建物は受付棟。クロネコのオブジェがあるのはさすがヤマトグループです!
スタート地点では創業100年を迎えたヤマトグループの歩みを紹介。クロネコマークの誕生秘話も!
ヤマトグループの理念を楽しく学べる体験型展示室。この後、ハートウォーミングな最後のおもてなしが。
ハイテク仕分けシステムを見守る管制室も見学可能。24時間365日稼働ということにも感動(涙)。
エントランスでは巨大なクロネコさんがお出迎え。随所に遊び心があふれるツアーで、何度でも来たい!
場所: 羽田クロノゲート 東京都大田区羽田旭町11-1
開催日: 通年開催。毎週火〜日曜日(年末年始、お盆をのぞく。月曜が祝日の場合は開館で翌日休)
開催時間: 曜日によって変わるのでHPで確認(所要時間約1時間30分)
料金: 無料
申し込み方法: インターネットで要予約(30日前から受付)。www.yamato-hd.co.jp/hnd-chronogate/visitortour.html
問い合わせ: 03-6756-7180
*20名以上の団体の場合は電話予約が可能
Photo: Masanori Ikeda Text: Yuriko Kobayashi