女が家を建てるとき〜森本容子的生き方 vol.4

女が家を建てるとき〜森本容子的生き方 vol.4

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バリと東京、2つの自宅の建設とリフォームに大忙しの日々を送っていた森本容子さんは、なんと現在妊娠中。東京の自宅を訪ねたこの日、まずは「不育」(前回の記事はこちら)というキーワードからおさらい。


──不妊はよく耳にするようになったけど、不育はあまり聞かないですよね。

森本さん: そうですね。ちょっと話を振ってみると、「じつは私も何回か流産をして…」と話してくれる人もいるけれど、例えば「不妊」に比べると発信している人はまだまだ少ないですね。私の場合、治療として継続的な注射が欠かせないんです。おへそを避けたお腹と、太ももの外側に朝と晩の2回。回数を重ねるとしこりやアザが増えて、自分で針を刺せる場所が限られてくるんです。となると、手の届きにくいところは人に頼んで打ってもらったりしなきゃいけない。薬も絶対に忘れてはいけないので、必ず扱っている調剤薬局を調べておいたりとか。

──なるほど。

注射のあとが腫れたり、かゆくなったらどうするんだろう?とか疑問がたくさんあるけど、ネットで検索しても出てこないの。経験者が少なくて。だったら自分が何かしら発信して、同じように困っている人の役に立てたらいいなと思って。

──しばらくは東京から離れられないですね。

安静にしているだけで無事に生まれてきてくれるなら、どれだけでもいますよ東京にー!

 


自宅地下のオフィススペースの壁には、届いたばかりの素敵なアートが。「旦那様がパリのファッションウィーク中にこの絵を見つけて、私とスタッフへのリスペクトとして贈ってくれたんです」。L.A.のアーティストで活動家MegZanyの作品。

 

──旦那様は、変わらずバリも拠点で?

ふたりで休んでいても仕方ないですから、稼いでもらわないと(笑)そのぶん友達やスタッフに助けられてます。病院も友達にずっと付き添ってもらったりして。

──遠くの夫より、近くの女友達。

そう。ただ、赤ちゃんが生まれる前に東京の家のリフォーム工事だけは完了させなきゃねと旦那さんとは話してます。

──音もうるさいし。部屋も多そうですし…?

地下がオフィスフロア、1階が駐車場と玄関、2階がベッドルームと……

──あ、もう大丈夫ですそのへんで。詳細な個人情報はやめときましょう、昨今。

見る人が見たら分かりますもんね(笑)。昔の自宅でインテリアの取材を受けていた頃、友達に言われたことあるの。物件を見るのが大好きな人で、「容子ちゃん、○○(物件の名前)に住んでるでしょ。間取りで分かったわよ」って。よく取材を受けている別の知人は、もう何度も空き巣に入られてるらしくて。「『ただいま旅行中』ってオンタイムでブログ書いちゃだめだよ!」ってアドバイスももらいました。

──職場と自宅が同じだから、昼間スタッフがいてくれるのは安心ですね。

コンクリートだし階段も多いし、子育てには向かない家かもしれないけど、仕事するには最高の環境です。移動がないぶん、ストレスなく会社まで来られる。スタッフがいてくれるから、いざという時も心強いし。

──お子さんが生まれたら、再びバリ←→東京の二拠点生活が始まりますね。デザイナーとしては精力的に活動を?それともしばらくは控える派?

子供服を作りたいってずっと思ってたんです。手頃な値段でさっぱりしたデザインの服って意外となくて、プリップリが多いと思いません?子供らしくて、でも、シュッとした感じものが欲しいですよね。

──凛とした子供服、欲しいです。凝ってなくていい。

今まで私に子供がいなかったから、デザイナーとして説得力がなかったんですよね。20歳そこそこからずっとプライベートを切り売りしてきた人生だから、どうせ切り売りするなら商売にしないと(笑)

──大人のための服作りも変わってくるでしょうね。

店舗を少なくしてオンラインだけにしているので、意外といろんなものを用意しなくてよくなったんですよ。昔からのファンの方がついてくれているし。今はジャージパンツに合うような普段着アイテムしか作っていないので、もう少し落ち着いたら、幅を広げたいですね。うちの商品の中でも、ショップチャンネル用に作っている服は「値段とデザインはいいけど、素材がちょっとねぇ…」って言われることもあるんだけど、「だったらカリアングとバンカー(BANKER TOKYO)を買ってね♡」って答えてるんです。決して悪い素材ではないけど、値段なりのそれなりの素材なので。

──強気。

友達からも「よく炎上しないよね」って不思議がられてます。値段のわりに上手に作ってる自信はあります。縫製も「すっごくいい」わけではないけど、それなりに丁寧に誠実に作ってる。だから在庫が残っても「なんでこの服の良さが分からないかな?」って思えるの(笑)。強くなりましたよ、ずいぶん。でもやっぱり、また誰かと組んで、儲けは少なくていいから、そのぶんリスクも少なく、お店を出したいという夢は持ってます。

──オンラインで買う人が増えたとはいえ、やっぱり服、とくにボトムスは試着したいし。

一店舗どこかに作りたいなあと思いますね。うちのブランド、ボトムスの形には自信があって、すごくきれいなんです。ぜひ着てみてほしいです。私たちの世代(40歳前後)って人口が多いから、デザイナーとしてはやっぱりこの世代で勝負していきたい。カジュアルで、リアルで、アラフォーに向けて作れる女性デザイナーって意外といないんです。

──確かに、”高級なカジュアル”は層が厚い印象。

アラフォーに向けてみんな作るんだけど、なかなか難しいんですよ。イメージは作り上げられるだけど、なかなか商品におとし込めない。私たちなら、サイズ感とかも企業デザイナーが作るものとは違うから、いろんな方から「どんどんトライしたほうがいい!」って言われるの。

──切望します。

スポンサーがいたら、どれだけでもやらせていただきますけど!(笑)。新しいものを生み出したり提案していくことは私はあまり得意ではないんだけど、普段生活しながら今っぽくて簡単でおしゃれに、かつスタイルもよく見せる工夫は得意。難しい服は作るつもりはなくて。これを着ておけば楽じゃない?って同世代に提案する仕事はやりがいがあります。

──ますます忙しくなりそうですね、森本さん。

人生ずっとこんな感じみたいです(笑)

 

森本容子 Yoco Morimoto

1977年埼玉県出身。株式会社ヨーコ モリモト デザイン オフィス  クリエイティブディレクター、代表取締役。「EGOIST」のカリスマ店員として注目を集めたあと、2000年に初めてブランドの立ち上げを経験。2006年に「KariAng」を始動させる。バリにはプール付きの自宅を建設中、いっぽう東京ではテラスハウスを改装中!
Instagram  http://instagram.com/yocomorimoto
Blog  https://ameblo.jp/ymorimoto/


Text: GINZA

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