31 Mar 2020
自分の世界を広げる、読みもの案内。〈TODAYFUL〉デザイナー・吉田怜香さんの「旅が楽しくなる3冊」

気がつけば、同じジャンルの本ばかり手にとっていませんか?普段、触手を伸ばさないジャンルの知識や考えを深められる読みもの(小説、漫画、WEBサイトetc..)を、その道に詳しい方に伺います。〈TODAYFUL〉デザイナー・「LIFE’s」ディレクター吉田怜香さんには、「旅」が楽しくなる本を教えてもらいました。
吉田怜香/「LIFE’s」ディレクター・〈TODAYFUL〉デザイナー
@4848r
19歳からアパレルで経験を積み、26歳のとき、現在デザイナーをしている〈TODAYFUL〉というブランドと、その服をメインに取り扱う「LIFE’s」というショップをつくりました。日々服づくりの仕事をメインに、内装などショップに関わることは幅広く携わっています。仕事以外の趣味は、インテリアと漫画と旅、2匹の愛犬。
旅をするようになったのは、もともとは仕事がきっかけです。リサーチや古着のバイイングなど、目的に合わせてロサンゼルスやニューヨーク、韓国へ。また〈TODAYFUL〉ではインドやペルーでも生産を行っているので、実際に現場まで行って、その土地でしか出来ない職人さんたちの服づくりを見させていただくことも、すごく興味深かったです。そういった海外での体験はいつも本当に刺激的で、たくさんのアイディアや知識を自分にくれるプライスレスなものだと思っています。なので、自分の時間がある程度自由が使えるうちに、まだ行ったことのない国には積極的に行きたいと思うようになり、気付けばこれまでに22カ国43都市を訪れました。
プライベートではここ2年ぐらいで、ロンドン、メキシコ、ギリシャ、バルセロナ、イタリアなどに行きました。英語もたいして話せない私ですが、行っちゃったもん勝ちで、なんとかなるものです(笑)。また、さまざまな文化の違いを感じることで、改めて日本の個性や魅力にも気づくことができました。私が旅に行く際に読んでいる、気分があがる本やその国の文化を知れる本、また次の旅へつながる読みものをご紹介します。
1.『The London Guide』Pauline Egge
(PETITE PASSPORT)
海外の方が書かれている、ヨーロッパの都市をシリーズで紹介しているガイドブック。中身は英語なんですが、英語が読めなくても全然問題ないぐらいシンプルで見やすいページ構成が魅力。行きたい場所が見つけやすく、気になったショップやレストランをインスタグラムなどで検索してみるのもいいと思います。そもそも本自体の装丁やなかのレイアウトデザインが可愛いので、旅前も旅中も眺めているだけで気分あがります。
2.『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ
(ビームコミックス)
ヤマザキマリさんの大人気漫画。映画にもなったので知っている方も多いと思いますが、古代ローマ時代と現代の日本を行き来する公衆浴場コメディ。イギリスのバースという街にある、古代ローマの浴場跡地、ローマンバスを訪れるまえに改めて読み直しました。主人公の真面目さに思わず笑えてストーリーが面白いのはもちろんのこと、当時の文化や人々の描写も丁寧で、読んでいるだけでタメになります。おかげで観光もより楽しめました。
3.『ストーリーのある50の名作照明案内』『ストーリーのある50の名作椅子案内』萩原 健太郎
(スペースシャワーネットワーク)
インテリアが好きで、なかでもヴィンテージの椅子とランプを集めるのが自分へのご褒美でもある私の参考書。ただカタログのように紹介されているだけではなくて、それぞれ50名のデザイナーの背景や交友関係まで掘られていて読み応えがあります。この本を読んでいて、自分の好みのものがデンマークのヴィンテージが多いことに気づき、まだ行ったことのない北欧へいつか行くという次の旅への目標ができました。
吉田怜香
1987年8月6日生まれ。オリジナルブランド〈TODAYFUL〉デザイナー、ライフスタイルショップ「LIFE’s」ディレクター。ファッションだけではなく、ビューティ、インテリア、ライフスタイルまで、その洗練されたセンスが多くの女性から支持されている。
instagram: @4848r
Edit: Ayumi Kinoshita