作品集『10 Mame Kurogouchi』の刊行を記念して、「銀座 蔦屋書店」「六本木 蔦屋書店」では、それぞれ違うキーワードを設けて選書フェアを開催中。〈マメ クロゴウチ〉ファンとしてはいてもたってもいられない!早速、お店を巡ってきました。
『10 Mame Kurogouchi』刊行記念フェアが開催中。黒河内真衣子さんに影響を与えた書籍が並ぶ
長野県立美術館で開催していた展覧会『10 Mame Kurogouchi』。これまで発表された〈マメ クロゴウチ〉のコレクションに共通する10のキーワードをもとに、デザイナー黒河内真衣子さんのダイアリー、着想源となった品々や写真、テキスト、オリジナルのテキスタイル、コレクションのアーカイブなどが多面的に紹介され、10年間に及ぶクリエイションの背景に迫った展示となった。ブランドの思想の根底に触れるかのような空間は、まるで黒河内さんの頭の中を垣間見たようだ。話題を呼んだ展覧会も2021年8月15日(日)、大盛況のうちに閉幕を迎えた。
さて、注目していたけれど、なかなか長野まで足を運べなかった方もいるのでは?そんな行きそびれてしまった方に朗報です!展覧会で発表された品々に加え、新たな写真やエッセイが収録された作品集『10 Mame Kurogouchi』の刊行記念フェアが都内の蔦屋書店3店舗でスタート(代官山 蔦屋書店は好評につき完売、9月6日(月)でフェア終了)。展覧会のカギとなっていた10の言葉をもとに、黒河内さんが影響された書籍をセレクト。店舗でキーワードが違うので、巡りながら楽しめるのだ。
ブランドの世界観に少しでも近づきたい……早速回ってきました。
まずは、「銀座 蔦屋書店」。黒河内さんの原点ともいえる故郷の“長野”や、“テクスチャー”“夢”といった3つのキーワードが揃う。
「六本木 蔦屋書店」では、写真家・荒木経惟とコラボレーションした作品集も発見。
「ノートはもう何年も同じものを使っている。モレスキン ノート クラシック ソフト 無地 ラージ QP618 黒(『10 Mame Kurogouchi』から引用)」と、展覧会でも驚かされたのは、黒河内さんが膨大に書き溜めているスケッチや日記の数々。そんな“ノート”や“クラフト”をテーマにした書籍を扱う。
「ひとつのコレクションが終わるたびに、突然、次の色が自分の中にやってくる(『10 Mame Kurogouchi』から引用)」というほど、デザインの重要な核となる“色”。好評ですでにフェアが終了してしまった「代官山 蔦屋書店」では、そんな“色”や“曲線”“刺繍”をテーマにした書籍がラインナップされていた。
そして、全店舗共通のキーワードは、“旅”“私小説”。親交の深い朝吹真理子さんの作品をはじめ、2021年春夏コレクションの着想源にもなったという堀江敏幸さんの『戸惑う窓』などの小説が。ブランドのクリエイションを紐解くように書店を巡るのも、なんだか短い旅路のよう、とふと思う。
黒河内さんの記憶や経験という私小説的な起点と、歴史や伝統を複雑に織り交ぜて生まれる洋服のデザインは、手に取るだけで美しい。さらにその背景や誕生の過程を知れば、憧れの一着にもっと近づけるかもしれない。
【作品集『10 Mame Kurogouchi』の刊行記念フェア】
「銀座 蔦屋書店」
住所: 東京都中央区銀座6-10-1 SIX6階
Tel: 03-3575-7755
営業時間: 10:30〜20:30
「六本木 蔦屋書店」
住所: 東京都港区六本木6-11-1 けやき坂通り 六本木ヒルズ六本木
Tel: 03-5775-1515
営業時間: 9:00〜20:00
*写真、情報は取材時のものです。現在品切れ等の可能性もございますので、作品集及び選書の在庫については、各店舗まで。
*9月中旬終了を予定しています。フェア会期は予告なく変更になる場合があります。
*「代官山 蔦屋書店」は好評につき完売、9月6日(月)でフェア終了。
Text: Nico Araki