いまや普遍の定番アイテムとなっているものには、ミュージシャンが愛用したことをゆえんとするものがあります。音楽とファッションをこよなく愛する、スタイリスト谷崎彩さんによる名品ガイド。
Debbie Harry,RUN DMC,Pete Townshend「ミュージシャンが愛した名品」スタイリスト谷崎彩さんによる名品ガイド
Levi’s® “505™ Denim Pants”
ジーンズ〈505〉 ¥19,000(リーバイス® ビンテージ クロージング | リーバイ・ストラウス ジャパン)
「レコード屋通いをしていた10代の頃、壁に飾られていたローリング・ストーンズの『スティッキー・フィンガーズ』オリジナル盤をじっと眺めていました。勇気を出してジッパーを開けさせてもらえばよかった。そんなアンディ・ウォーホル作品として有名なこの写真、当然モデルはミック・ジャガーかと思いきや、ウォーホルのアシスタントらしいです。アンディ自身もジーンズが似合いますが、個人的べスト〈505〉ジーニストはラモーンズのジョーイですね。1度ステージを見たことがありますが、すごく背が高かった」
RUN DMCadidas “SUPERSTAR”
SUPERSTAR 80s ¥14,000(アディダス オリジナルス | アディダスグループお客様窓口)
「“SUPERSTAR”=RUN DMCですよね。1969年に誕生したプロユースのバスケットシューズが、ストリートウェアに。時は1986年7月19日のマディソン・スクエア・ガーデン。彼らが『My Adidas』の曲にあわせてスーパースターを振りかざすと観客もアディダスのスニーカーを高々とあげるという、今となっては伝説ともいえる光景が繰り広げられました。その場でアディダス社は彼らとのオリジナルモデルの契約を決めたという逸話も。確かテレビCMもあったはず。当時まだ中学生ながらその大騒ぎぶりが楽しかった」
Pete TownshendDr. Martens “8 Hole Boots”
1460Z 8EYEブーツ ¥24,000(ドクターマーチン | ドクターマーチン・エアウエア ジャパン)
「労働者向けに製造されたこのブーツは1960年4月1日に製造ラインが稼働されたことから『1460』と名付けられています。ザ・フーのピート・タウンゼントが履いている写真を見たことがありますが、私としては60年代後半にモッズから派生したスキンズのイメージが強いですね。ハリントンジャケットにフレッド・ペリーでチェリーレッドの8ホール。それが70年代後半のOiパンク世代になるとMA-1にロンズデールで黒の10ホール。さらに長いものを好む強者もいました。ホール数=コアな証みたいな」
Direction&Text: Aya Tanizaki
Photo: Kazuki Sato (sasaki office)