スタイリスト谷崎彩さんが愛するファッションの話。
スニーカーの新定番「ナイキ エア マックス270&720」– スタイリスト谷崎彩の超私的ファッション愛 #05
2019年もスニーカーの勢いが止まらない?
ここ数年おしゃれ女子の注目を浴びているスニーカー。その中でも未だ人気なのがダッド系ですよね。バレンシアガが火をつけてルイ・ヴィトン、グッチ、ディオール、マルニなど、ビッグメゾンが軒並み発売し、これに負けじとスポーツブランドも参戦。その結果スニーカーの厚底化がすごいことに。
振り返れば、割とシンプルな印象だったブランドの〈エイティーズ〉がエンジェルというまさにダッド系のスニーカーを出していて、それが入荷日に完売、さらにネットで値段が高騰しているという噂を耳にしたし、いち早く〈ナイキ〉のエア・モナークをはいている友人を目て「えー!?」って反応だったワタシも、結局モナークの進化版M2Kテクノは複数足買いましたとも。しかも、ヨーロッパ限定カラーまでしっかり手に入れました。すいません、ワタシが鈍かったです。
直近のパリ・ウィメンズコレクションの現場で印象に残ったのは、〈フィラ〉のディスラプター2をはいたファッションに燃えてるぜ!って感じの若い人たち。あと、全般にナイキ エア マックス97のゴールドかシルバー。個人的には〈ショーン・ウェザースプーン〉のエア マックス1/97がものすご~く欲しかったので、エア マックス97をはいている人ばっかりに目がいってしまうというクセがあるのかも(笑)。2018年に再発されたアトモス× ナイキ エアマックス1 (95も発売)アニマルパックもめちゃくちゃ欲しかったなー。アメトーク、スニーカー芸人の回はもちろん毎度、楽しみに視聴してます。
やっぱりスニーカー大好き。
とはいえ、人気が白熱するあまり、欲しいのに買えないスニーカーが出てくるとなるとテンションは下がるし、種類も多すぎて、何を履けばいいのかわからないスニーカー難民状態。そうなると、そろそろレザーシューズの復活かもね、とこの冬はスニーカーと交互にクラシックなレザーブーツで足慣らししてました。ちなみに、いちばんよく履いているKATIMのブーツORCHARD2.5cmヒールで、インソールとの合計5cmの高さですがスニーカーなみに履き心地よし。
しかしながら職業柄、洋服探しにめちゃくちゃ歩き回るので(腰も膝も悪いし、外反母趾もひどいしね)スニーカーは必須アイテム。発売時に予約や行列でソワソワすることなく手に入るスニーカーが好ましい!ということで、ここ最近落ち着いたのが昨年の春に発売されたナイキ エア マックス270。
MY ファッションアイコン莉菜ちゃんのスニーカースタイルは見てるだけで眼福〜。
1年間履き続けてみて、ワタシのニューベーシックに認定です。ナイキ史上最も高さのあるエアヒールユニットは厚さ3.2cmのちょっとしたプチヒール。実はこれが足に良いらしく、同じく270愛用中の友人からも、「通っている整体の先生にこの高さの傾斜の靴が足に一番良いと言われたよー!」との声が。
だから私は270を履く。
前述のレザーブーツの製作者KATIMのデザイナー小坂さんも(ドイツ式整形外科靴学を学んだ後、ブランドを立ち上げました。)「歩くということは踵を地面についてからつま先へ踏み抜く、踏み返し動作の連続です。なので、ペタンコ靴だとあおりが大きくなり、長時間歩くと土踏まずのアーチを支える足底筋膜という部分への負担が増えます。ヒールに3~3.5cm程の高さがあるとフラットに比べて歩行時のあおりが少なくなるので、歩く時のストレスが軽減されると言われています。ですが、足と靴の関係性には個人差もあるので、高さが3~3.5cmある方が疲れないというよりは、あおりに関しては薄いレザーソールのフラット靴よりも少しヒールがあるものの方が疲れにくいと言った方が正しいですね。ヒールの傾斜がなくても、地面の硬さをダイレクトに受けたりしない設計の靴なら(エアーやラバーなどで)足の底面全体へのストレスが減ると思います。」と教えてくれました。
すごいなー。靴作りは健康と密接に関係したテクノロジーなんですね。とはいえ、270がなぜ好きかって、一番の理由は後ろから見た時のエアヒールユニットの感じが可愛いのと、足の長さが3.2cmプラスされるという浅はかな理由なんですけどね。270のニューカラーは1月2月4月5月と順次展開。
そして今年、発売されるニューモデル720は3.8cmとさらに厚さがアップデート。フルレングスエアユニットが特徴です。2月から順次展開予定。発売情報はこまめにアプリをチェックすると便利です。
谷崎彩
スタイリスト。1998年から代官山の隅っこで小さな輸入洋品店を開業。2000年〜2004年くらいまでフランスのインディペンデントマガジン「Purple fashion 」のスタイリスト兼ファッションエディターを務める。