ファッションを見極める確かな目を持つ識者を「おすすめする人」として、身の回りにいる〝おしゃれバランスがいい人〟を推薦してもらった。さらに、推薦された「バランスがいい人」をポートレート撮影!それぞれに個性あふれる私服の装いは、オリジナルな魅力に満ちている。はたしてバランスのよさとはどこから生まれるのか?識者と推薦された人、双方のコメントから探ってみたい。
バランス巧者の私服SNAP。よしいちひろさん「時代に合わせ柔軟にアップデート」
バランスのいい人
よしいちひろ
イラストレーター
「極端なものより、曖昧なもの。いろいろな要素が混じりあった境目のような部分になぜか惹かれてしまうんです。本質的な好みは変わらないのですが、そこに固執するというより、新しいものをどんどん取り入れたいタイプ。
ネットサーフィンが趣味で『欲しい!』と思った物はすぐにイラストで描きとめます。“貪欲帳”と呼んでいるモレスキンのノートには欲しいアイテムがいっぱい(笑)。買いものの時に持ち歩くと、自分の脳内が客観視できて便利ですよ。
憧れや刺激を与えてくれる人や物の中から、自分にマッチする部分をうまく採用していくことが重要。ファッション含め、暮らし全体で考えた時にも〝身の丈に合う〟という点を大切にしていますね」
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よしいちひろ
女性の憧れや日常を、柔らかく、みずみずしいタッチで描く作風が人気を呼び、雑誌や書籍、広告などで幅広く活躍。ファッションや物選びのセンスにも注目が集まる。
おすすめする人
夏川イコ
「High and Seek」ディレクター兼バイヤー
時代と年齢の変化に合わせて
バランスをアップデートする
「その時々でバランスをアジャストできる人が好きなんです。シャツとパンツの組み合わせを例にしても、トップをインするかアウトするか、小物をどうするかで、がらっと印象を変えることができる。自分のスタイルに今っぽいチョイスを少し取り入れて、変化を楽しむこともファッションの醍醐味だと思います。
お店を訪れてくださったことがきっかけで知り合ったよしいさんは、ご自身の世界観を時代に合わせて上手に調整している方。以前はもっとガーリーな着こなしでしたが、最近はマニッシュな要素も彼女らしいさじ加減で取り入れていらっしゃいます。
自分に似合うものって変わるし、昔しっくりこなかった服が意外といいなと思える時が急に訪れたりもする。探すことを放棄せず、トレンドも躊躇せずに試してみる。自分がどう見えるかを分析することが必要なんだと思います。大切なのは、いつでもオープンマインドで、洋服と柔軟に向き合う姿勢なんですよね」
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夏川イコ
2014年、渋谷のマンションの一室にセレクトショップ「High and Seek」をオープン。近年は世界各国のデザイナーとコラボレーションし、受注会も行う。
トップ画像: ドレス: MINJUKIM インナーに着たトップ: SUNSPEL ヘアピン: ZARA リング(左手中指): R.ALAGAN
Photo: Kotori Kawashima Text&Edit: Sakiko Fukuhara