かつてパリのカフェで議論に花を咲かせた実存主義者たちは 黒いタートルネックを愛したという。ビート族も好んだ黒という色は、 セクシャリティを超える理性の色であり、何かを決断させる色でもある。
セクシュアリティも時代も超えて、黒が放つパワー
デザイナー堀内太郎が立ち上げたメンズブランド〈ティーエイチ〉。自身の根底にある世界観と美意識を服のみならず空間にも構築することを試みている。
スツール ¥170,000(ティーエイチ)
冬はインナーにしがちな黒いタートルネック。思い切って1枚で着てみるとすっと背筋を伸ばしてみたくなる。素材の良さやシルエットの美しさに定評のあるブランドを選んで。
左: カットソー ¥19,000(ティーエイチ) 中: ニット ¥30,000、右: ニット ¥30,000(共にジョン スメドレー | リーミルズ エージェンシー)
ストイックになりがちな黒いドレスはシルエットにこだわりたい。ボリューム感で強さを見せながら、大きく開いた胸元と大胆に入ったスリットから女性らしさを醸し出す。
ドレス ¥300,000、ブーツ ヒール8.5cm ¥160,000(共にセリーヌ | セリーヌ ジャパン)
装飾を削ぎ落としたマスキュリンなスタイルはごまかしがきかない。重要なのは仕立ての良さとサイズ感。堂々と胸を張って臨みたい。
左: ベルベットのパイピングが施されたベスト ¥198,000(ハイダー アッカーマン | 三喜商事)/ハイネックニット ¥30,000(ジョン スメドレー | リーミルズ エージェンシー)/パンツ ¥44,000(ヘルムート ラング | リンク・セオリー・ジャパン)/シューズ ソール2cm ¥63,000(チャーチ | チャーチ 表参道店) 右: タキシードジャケット ¥384,000、コットンのシャツ ¥85,000、パンツ ¥115,000、パンプス ヒール6.5cm ¥80,000(以上サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ | イヴ・サンローラン)
首まわりと腕の付け根部分が透けていて、下にタンクトップを重ねたかのようなニットにワンショルダーのコルセットを付けて。ひねりの効いたデザインで黒一色に変化をつける。
コルセット ¥45,000、ニット ¥91,000、スカート ¥122,000、リング*4個セットで ¥65,000(以上メゾン マルジェラ | メゾン マルジェラ トウキョウ)
日本の「怪談」から着想を得て、「不気味さ」を美学としている〈カイダン エディションズ〉。たしかなテクニックに基づいたつるつるとしたポリエステルの上下にも、その思想が宿っている。
シャツ ¥95,000、スカート ¥149,000(共にカイダン エディションズ | アディッション アデライデ)/片耳ピアス ¥53,000、人さし指・中指につけた結合リング ¥155,000、薬指につけたリング ¥42,000(以上シハラ | シハラ ラボ)
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Photo: Mitsuo Okamoto Styling: Ayaka Endo Hair: Yusuke Morioka Make-up: Nobuko Maekawa (Perle Management) Models: Sveta Black, Karo, Vincent Beier Prop: Fumiko Tanaka Text&Edit: Itoi Kuriyama