05 Sep 2017
NYで真っ先に駆けつけたい! 〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉の旗艦店がリニューアル ラフ・シモンズのアート愛がたっぷり♡

「NYで好きなお店はどこ?」と聞かれることがある。
ブルックリンからノリータに移転したばかりの〈Oroboro〉は、サステイナブルな規模でコレクションを発表している個性的なデザイナーの洋服が揃っているのが魅力的。どれも着心地がよくて、ショップも居心地がいいなと思うし、NYの老舗デパート〈バーグドルフ・グッドマン〉の超名物バイヤー、リンダ・ファーゴが手がけるショップ・イン・ショップ〈Linda’s At Bergdorf Goodman〉には、最旬のアイテムが宝箱のように詰まっている。「ですよね!だから、ファッションって楽しいんですよね」と、オシャレ心が沸騰するくらい。
それに、〈Dover Street Market New York〉は、エレベーターで7階まで上がって、ぐるぐると階段で降りながら、各フロアの扉を開けると、どれも異なる世界観で、いつ訪れてもワクワクするのがいい。オープンして初めて行った時は、下のフロアから見て行って、最後のエンドレスな階段に目が回りそうになったけど。
(Photo: Courtesy of Calvin Klein)
そんな、パッと思いつくお気に入りの店に、新たな一軒が加わった。マディソン・アベニューにある〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉の旗艦店。8月にリニューアルオープンしたばかり。何がいいって、店内が真っ黄色!風水的にイエローは太陽の光の色で、空間や気持ちを高揚させるらしいけれど、まさに納得。お店に一歩足を踏み入れた途端、「うわっ!」っとテンションが上がる。
内装デザインを手がけたのは、名門ギャラリー〈Gagosian〉に所属するSterling Ruby(スターリング・ルビー)。LAを拠点に
スカルプチャー、ペインティング、セラミックなどで作品を発表するマルチディシプリナリー・アーティスト。(多分野の意味を持つ「multidiciplinary」。長っ!なのですが、ジャンルレスなメディアを用いるアーティストは、こう呼ばれることが多いのです)。
〈ディオール〉時代のテキスタイルデザインから、〈ラフ・シモンズ〉の2014秋冬コレクションのランウィで用いられた、クッションのような、サンドバッグのような、ウインナーのような形のオブジェも彼の作品。最近では、〈カルバン・クライン〉の本社&ショールームの再設計でもタッグを組んだ。
そんな以前からラフと親交の深いスターリングが、「ミニマルからマキシマルへ。私のデザインは、カルバン・クラインの未来を祝福するマイルストーンとして見てほしい」と語る、旗艦店のリニューアル。彼の星条旗のようなファブリックのオブジェが工事現場を彷彿とさ
秋冬に向けて、今年もタートルネックのカットソーとニットを新調しようと思っていたら、ずばり目の前に。ベーシックアイテムも、「205」が刺繍されたこの1枚があれば、スタイリングが格段にレベルアップ!
ちなみに、名前が新しく生まれ変わったコレクションライン〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉は、かつてブランドのアトリエで、現在は本社となったアドレスに由来するもの。「メゾンの歴史を大切に、ブランドのクラフツマンシップをコレクションに展開していきたいという、ラフ・シモンズの希望でリネームされたんですよ」とフレンドリーで親切なショップスタッフの方に教わる。
永遠の定番〈カルバン・クライン〉のアンダーウエアも、こちらのお店で扱われているのは〈CALVIN KLEIN UNDERWEAR 205W39NYC〉。ハンガーにかけられ整然と並んでいる様子は、ちょっぴりシュールでチャーミング。
それに、ブランド初となる真っ白のリネングッズを紹介するコーナーでは、ベッドの上にポンポンが浮かぶ。まるでアートインスタレーションのよう。
「コレクションとも密接に結び付くような、非常に直接的な体験を生み出す店にしたいと思った」とラフが話すように、3フロアのショップは買い物だけでなく、まるでギャラリーも同時に訪れたような気分が味わえる。
でも、こちらの内装は期間限定。建物の大型リノベーションで、来年にはすべて変わってしまうそう。残念だなと一瞬思ったけれど、よく考えれば、各シーズンが、ラフ・シモンズによる〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉の企画展ともいえる。また次はどんな世界を見せてくれるのか。NYのファッションウィークは開幕直前! 2018年春夏コレクションもとっても楽しみだ。
(Photo: Courtesy of Calvin Klein)
CALVIN KLEIN
654 Madison Avenue
212-292-9000
営:10:00〜18:00(木〜19:00、日12:00〜)
休:無休

福田真梨
Mari Fukuda
エディター&ライター。出版社の編集者を経験した後、フリーランスに。現在はNYを拠点に活動中。近いから今度と思いつつ、一度も訪れたことがなかったフィラデルフィアに行ってきました。フィラデルフィア美術館のボリュームがすごい!やっぱりCy Twombly好きだなぁ。若かりし頃の元カレであり親友だったというRobert Rauschenbergの膨大な作品を集めた企画展「Among Friends」も、ちょうどMoMAで開催中。類稀な才能は惹かれ合うものなのですね。