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〈オーラリー〉とジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』。本とコート、未来のカノン vol.2

〈オーラリー〉とジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』。本とコート、未来のカノン vol.2

長く着られる飽きのこないお気に入りのコートに似合うのは、未来のクラシックになりうる繰り返し読んでも古びない小説だ。アウターの大きなポケットは読みかけの文庫本の定位置になり、もう行き場に困ることもない。記憶に残る1冊とスタンダードとなる1着。時間の重みを感じさせる“未来のカノン”に、豊﨑由美さんの選書を通して出合う。#本とコート、未来のカノン


 

『ならずものがやってくる』
ジェニファー・イーガン

ならずものがやってくる

大勢の人物のエピソードをロンド形式でつなげ、時が人にのこす爪痕を描き、苦かったり、おかしかったり、胸が痛くなったりといった多様な読み心地をもたらす小説。二人称、週刊誌の記事風、パワーポイント仕立てと、視点人物が切り替わるたびに変化する語り口で、読者を飽きさせない工夫がこらされている。各章が独立した物語として完成しているのに、すべてがつながっているという構成が巧み。1970年代からほぼ半世紀のアメリカ社会の変容を背景に、作者は時という《ならずもの》に翻弄され、打ちのめされる人々の姿を描きながらも、絶望には着地させないのだ。最終章には感動間違いなし!(谷崎由依訳/ハヤカワepi文庫/¥1,200)

 

定番として欠かせないステンカラーコートには、型にはまらない多様な仕掛けが。白は一見ハードルが高そうだが、ウールカシミアのフランネル地にラミネート加工を施してあり、気軽にかつ軽やかに着こなせる。淡いグレーとのリバーシブルなのもうれしい。

コート ¥110,000(オーラリー Tel: 03-6427-7141)/トップ ¥18,000、リング 左手中指 ¥32,000(共にジョン ローレンス サリバン Tel: 03-5428-0068)/パンツ ¥85,000(アンダーカバー Tel: 03-3407-1232)、キャップ ¥18,000(スーアンダーカバー | 共にアンダーカバー Tel: 03-3407-1232)/グローブ ¥6,800(バレナ ヴェネチア | ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店 Tel: 03-6212-1500)/リング 右手薬指 ¥15,000(タリア ストア Tel: 03-6874-1448)/シューズ ¥125,000(ジミー チュウ Tel: 0120-013-700)

豊﨑由美 とよざき・ゆみ

『週刊新潮』『婦人公論』をはじめとするさまざまな媒体に連載を持つ1961年生まれのライター、書評家。主な著書に『ガタスタ屋の矜持』『まるでダメ男じゃん!』『ニッポンの書評』、大森望との共著『文学賞メッタ斬り!』シリーズなどがある。

Book select&review: Yumi Toyozaki Photo: Naoto Kobayashi, Hiromi Kurokawa Styling: Sumire Hayakawa(KiKi inc.) Hair&Make-up: Hiroko Ishikawa Model: Katya G. Text&Edit: Aiko Ishii

GINZA2020年11月号掲載

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