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〈ハイク〉とブルース・チャトウィン『どうして僕はこんなところに』。本とコート、未来のカノン vol.6

〈ハイク〉とブルース・チャトウィン『どうして僕はこんなところに』。本とコート、未来のカノン vol.6

長く着られる飽きのこないお気に入りのコートに似合うのは、未来のクラシックになりうる繰り返し読んでも古びない小説だ。アウターの大きなポケットは読みかけの文庫本の定位置になり、もう行き場に困ることもない。記憶に残る1冊とスタンダードとなる1着。時間の重みを感じさせる“未来のカノン”に、豊﨑由美さんの選書を通して出合う。#本とコート、未来のカノン


 

『どうして僕はこんなところに』
ブルース・チャトウィン

アボリジニが「先祖の足跡」と呼ぶ目には見えない道の謎を探った『ソングライン』や、無名の人々の比類なき人生を大地に刻みこむように記した『パタゴニア』といった紀行文学で知られるチャトウィンの自薦短篇集だ。11テーマ35作品を収録。病院で看護にあたってくれた女性、敬愛する父や友人たち、映画監督や芸術家、狼に育てられた少年、雪男、ナスカの地上絵を調査する女性学者など、子供のような好奇心と卓抜した行動力と透徹した知性に裏打ちされたテーマの幅広さに驚かされる。ここではないどこかへ、自分ではない誰かに、現実を超えた奇跡を—。そんな気持ちがふつふつと湧き上がる1冊だ。(池央耿、神保睦訳/角川文庫/¥952)

 

本とコート、未来のカノン

今シーズンらしいバランスを作るケープはアウターの注目株。身体をすっぽり包み込み、足元まで隠れるロングケープには、どこかミステリアスな印象も。まるで見知らぬ土地を旅する異邦人のように、自由な想像をかき立てられる。ダブルフェースウールのミニマムなデザインと、白地にのせたボーダーラインが、重くなりがちな季節のスタイルを爽やかに演出。

ケープコート ¥130,000(ハイク | ボウルズ Tel: 03-3719-1239)/シャツ*ハットとセット ¥50,000(アンブッシュ® | アンブッシュ® ワークショップ Tel: 03-6451-1410)/パンツ ¥70,000(ブラミンク Tel: 03-5774-9899)/シューズ ¥38,000(マリサ レイ | ロンハーマン Tel: 0120-008-752)

豊﨑由美 とよざき・ゆみ

『週刊新潮』『婦人公論』をはじめとするさまざまな媒体に連載を持つ1961年生まれのライター、書評家。主な著書に『ガタスタ屋の矜持』『まるでダメ男じゃん!』『ニッポンの書評』、大森望との共著『文学賞メッタ斬り!』シリーズなどがある。

Book select&review: Yumi Toyozaki Photo: Naoto Kobayashi, Hiromi Kurokawa Styling: Sumire Hayakawa(KiKi inc.) Hair&Make-up: Hiroko Ishikawa Model: Katya G. Text&Edit: Aiko Ishii

GINZA2020年11月号掲載

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