2020年10月6日(火)、パリコレの最終日に開催された「〈シャネル〉2021年春夏 プレタポルテ コレクション」ショー。ヴィルジニー・ヴィアールは今回、メゾンと関わりを持つミューズを想い、現代の女性たちへ捧げるコレクションを発表。ガブリエル・シャネルとカール・ラガーフェルドが数多く手掛けた衣装を身にまとった、往年の女優たちが浮かび上がる演出がなされた。
〈シャネル〉がメゾンのミューズである往年の女優をオマージュ。2021年春夏 プレタポルテ コレクションを発表
パリの「グラン パレ」を会場に、ランドマークのような“CHANEL”のサインを背景にした今シーズンの舞台。ブランドとして、ロックダウン後に初めて観客を入れてのショーとなった。
今季のコレクションは“メゾンのミューズに捧げるオマージュ”がテーマ。ガブリエル・シャネルとカール・ラガーフェルドが映画などで活躍する往年の女優たちの衣装を手がけてきたことから、多くの女性を夢中にさせてきた女優たちのこと、そしてシャネルとの関係性を表現した。
オランダのフォトグラファー デュオ、イネス・ヴァン・ラムスウィールドとヴィノード・マタディンが本コレクションのために製作したイメージビジュアルは、まるで映画の一場面を観ているかのような演出。
モデルのリアン・ヴァン・ロンパエイやミカ・アルガナラズ、ルイーズ・ド・シュヴィニーの3人が着こなすルックも、ツイードのセットアップやロングドレスなど、〈シャネル〉を象徴するアイテムばかりだ。彼女たちが電話をしていたり、街を歩いていたりする様子は、女優たちと〈シャネル〉との深い絆をうかがうことができる。ヴィルジニー・ヴィアール曰く「なぜなら、シャネルの世界は多くのイメージを連想させ、すべてが無意識のうちに映画へとつながるからです」とのこと。
コレクションでは、アイコニックなツイード スーツや、カラフルな蛍光色を用いたジーンズ、繊細なフラワーモチーフのレースアイテムなどが登場。また、ネオンサインのような柄をあしらったドレスやTシャツ、白く光る“CHANEL”のロゴを解体・再構築したシースルーのドレス、映像が始まるカウントダウンの数字がプリントされたTシャツは、まさに1950〜60年代のハリウッドやイタリア映画を思い起こさせる。
他にも、モノトーンの流れるようなラインのロングドレスや、シフォン素材のケープなどエレガントなルックも。メタリックなテキスタイルを使用したセットアップなどもあり、ミューズたちのさまざまな表情を見せてくれた。
ヴィルジニー・ヴィアールは「単に再現したいと考えたのではなく、ヴィンテージ風に再解釈したわけでもありません。喜びに溢れ、カラフルで、活気に満ちたコレクションを追求しました」と語った。
Text: GINZA