祖母、母から譲り受けた洋服を身にまとい、今月も〝チャーミングバスターズ〟が登場。今の時代では出合えない、オンリーワンの魅力が詰まった宝の品々……。服に込められた物語と愛情、受け継がれるセンスの源について話を聞きました。
👗FASHION
デザイナー/山下琴菜さん 受け継がれる母と祖母の一着vol.5
山下琴菜
デザイナー
七五三の衣装にも負けないヴィヴィッドピンクのスーツ。宮崎出身で性格もとっても陽気だそう。
大学生の時に譲り受けたという〈エルメス〉のトップに、自身のブランド〈コトナ〉のパンツを合わせた山下琴菜さん。「小学校の参観日に真っ赤なツイードのセットアップを着て登場するような母なんです。柄物を好んで着ていて、なぜか1日3回着替えたり(笑)、人生をすごく楽しんでいる人。服に限らず、骨董品や焼き物も集めていて、彼女だけが盛り上がれるような変わった物が好きなんです。そんな母から教えてもらったのは、自分の欲に素直になること。私も『これ何だろう!?』って思わせてくれる〝違和感〟に惹かれるんです。花瓶やメノウの灰皿など、棚を豊かにしてくれる置物類につい食指が動きますね」
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山下琴菜
1987年生まれ。学習院大学経済学部卒業後、文化服装学院とここのがっこうでファッションを学び、2014年に合同ファッションショー 「ニューエイジ」でデビュー。2015年に〈コトナ〉をスタート。
チャーミングバスターズとは?
90年代のアメリカで使われたスラング。女の子がなぜか惹かれてしまう人気者の男の子のこと。ジェンダーレスな今、おしゃれでその存在が魅力的なGINZAガールズを敬意と親しみを込めてチャーミングバスターズと呼んでいます。
Photo: Yuri Manabe Text&Edit: Sakiko Fukuhara