ファッション好きの間で話題独占!川久保玲氏の世界を堪能できる〈コム デ ギャルソン展〉@MET

ファッション好きの間で話題独占!川久保玲氏の世界を堪能できる〈コム デ ギャルソン展〉@MET

川久保 玲/コム デ ギャルソン展@MET
……反逆精神は時代を動かした。

「METにいつ行く?」が挨拶代わり、いまファッション好きの間で話題持ちきりな美術展! 9月4日まで開催されるコム デ ギャルソン展の魅力をご紹介します。


【Rei Kawakubo/
Comme des Garçons:
Art of the In-Between】

The Metropolitan Museum of Art
1000 5th Ave. New York NY 10028
through September 4

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【8. Object / Subject】1997年春夏〈ボディ・ミーツ・ドレス〉コレクション。

 

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【6.1 Past / Present / Future】90年代と2010年代のピースをミックスした〈過去・現在・未来〉のコーナー。

 

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入り口に流れるサイン。

 

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【6.2 Birth / Marriage / Death】2012年春夏の〈ホワイト・ドラマ〉。

 

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【1. Absence / Presence】右は1997年春夏〈ボディ・ミーツ・ドレス〉、左は2012-13年秋冬〈2D〉。

 

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【2. Design / Not Design】。

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館で5月4日にオープンしたコム デ ギャルソンの展示『アート・オブ・ザ・インビトゥイーン』。美術館のファッション部門コスチューム・インスティテュートが、1年間の運営資金を調達するために毎年5月に行う「メットガラ」と同じタイミングで行う展示は、世界が注目する一大イベントだ(この壮大なイベントの舞台裏は今年公開された映画『メットガラ』に詳しいので、展示と併せて観ることをおすすめする)。

コスチューム・インスティテュートのキュレーターのアンドリュー・ボルトン氏が、〝アート〟の領域に入ると認識する服飾文化やデザイナーをフィーチャーする年に一度の春の展示に、今年ぶつけてきた展示とあって、ニューヨークはギャルソン・フィーバーに包まれている。

今回の展示にブランドの変遷を見せてくれる回顧展を期待すると裏切られることになる。ブランドの創立は1969年、そしてパリでコレクションを発表し始めたのが1981年。長い歴史に対して、今回展示されているボディの数はわずかおよそ140点(展示に先駆けて刊行されたカタログは、ブランドの歴史をより包括的に網羅している)。オープニングに際して、ボルトン氏が語ったところによると、デザイナーの川久保玲氏は、当初近年のコレクションだけを見せることを希望したのだという。

「それでは美術館としては困ってしまうので、そこから少しずつ交渉して、ブランドの歴史に深い意義を持つ過去のピースも加えることに成功しました」

過去にはアレキサンダー・マックイーン展、チャールズ・ジェームス展などを行ってきたインスティテュートだが、現役のデザイナーの単独展は、イヴ・サン=ローランに続いて2人目という快挙。どんな展示になるのかと足を運ぶと、過去の展示とは、空間構成もムードもまったく違う。ボディは年代順ではなく、〈ファッション/アンチ・ファッション〉〈自分/他者〉〈主観/客観〉といった9つの二項対立のコンセプトにしたがって展示され、「無」をテーマにした空間構成ではショップを思わせる白壁が、迷路のように観客を誘導する。辛辣にすら思える蛍光灯に照らされるボディに接近して、ディテールを確認することができる。スポットライトやジャッジメントを拒むようにすら思える。

これまで〝アーティスト〟と呼ばれることを拒んできた川久保玲氏が作る服が、美術館に展示されたことで、再び「コム デ ギャルソンの服はアートか」という疑問が再浮上した。けれどその疑問の答えを探すことに意味があるのかどうかはわからない。わかるのは、今回の展示自体が、ボルトン氏が展示物を厳選し、川久保玲氏が空間構成を指揮して作り上げた、ひとつの共同作品なのだということ。この2017年に美術館で見せる展示として作り上げた〝作品〟は、わざわざニューヨークまで見に行く価値のあるものだ。

(文: 佐久間裕美子)

 

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【2. Design / Not Design】年代を超えて裁断へのアプローチに焦点をあてた。

 

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【2. Design / Not Design】2017-18年秋冬〈シルエットの未来〉から紙を使ったピース。

 

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【9.6 Fact / Fiction】コレクション発表時のヘアも再現している。

 

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【9.7 Order / Chaos】2016-17年秋冬の作品。

 

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【9.3 Beautiful / Grotesque】アンドリュー・ボルトン氏がどうしても入れたかったという1982-83年秋冬の穴あきセーター。

 

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【9.6 Fact / Fiction】2016年春夏〈ブルーウィッチ〉。

 

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【7.1 East / West】〈東/西〉のコーナーには日の丸のモチーフ。

 

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【7.3 Child / Adult】2008年春夏の〈カコフォニー〉と2012-13年秋冬の〈2ディメンション〉。

 

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【5. High / Low】2005年春夏〈モーターバイクバレリーナ〉。

 

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【8. Object / Subject】アシメトリーの曲線に特徴のある〈ボディ・ミーツ・ドレス〉のコレクション。

 

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【9.6 Fact / Fiction】〈ブルーウィッチ〉から異色のルック。

 

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【2. Design / Not Design】展示のなかで一番最新のルックはこれ。

 

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【9.3 Beautiful / Grotesque】一方、一番古いのは1982年のこちら。

 

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【2. Design / Not Design】2013年春夏の〈クラッシュ〉からは、オフホワイトのコットンのルック3体が展示されている。

 

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【4. Model / Multiple】2004年春夏の〈アブストラクト・エクセレンス〉。

 

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【6.1 Past / Present / Future】異なるコレクションをまたぐ。

 

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【9.4 War / Peace】2015年春夏の〈ブラッド&ローゼズ〉。

 

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1997年に川久保玲氏がコスチュームを担当した、ニューヨークのマース・カニンガム舞踏団のダンス演目『シナリオ』のビデオが〈ボディ・ミーツ・ドレス〉の横で流れる。

 

Photo: Sayo Nagase
Text&Edit: Yumiko Sakuma

GINZA2017年7月号掲載

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