自分らしくあることを、真摯に追いかけると“運命のデニム”に出会えるのでしょうか。デニムの着こなしが素敵な人は皆、それぞれに自分のスタイルを貫いています。試着も失敗も数多く経験して見つけた、肌のようになじむ1本。彼女たちの大好きなデニムの話には、参考になるヒントが満載です。
運命のデニムに出会う方法01:夏川イコ 「High and Seek」ディレクター&バイヤー
夏川イコ
「High and Seek」ディレクター&バイヤー
1985年までに作られた“赤耳”付き〈リーバイス®〉の501®に刺繡したデニム。501®の裾を折り返したときのかっこよさのために“赤耳”にこだわった。職人が1本ずつ丁寧に刺繡するため、1日1〜3本の制作が限界。
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“あの映画の少年のジーンズ、大人になったらどうなってるかな?”そんなノスタルジックな空想から生まれたデニム。子どもの頃はサイドを詰めていて、成長後に広げた跡が濃いブルーで残っていたりと、遊び心あふれる。
〈ヴェトモン〉がスタート当時から作るシンボリックな1本。〈リーバイス®〉の古着の生地を使い再構築したアーティザナルジーンズ。洗練されたカッティングで脚が長く、後ろポケットを取った跡がヒップアップして見せてくれる。
心ときめくデザイナーズデニム
「デニムに刺繡された白い花。はいている自分の脚を見てもああかわいいなあと、とても幸せな気分になれる。私にとって服を着て“気持ちが上がる”のはとても大事なことなので、モダンなデザインやシルエット、上質な素材、そしてかゆいところに手が届くデザイナーズデニムが好きなんです。 心からいいなあと思えるものには、そんなにポンポン出会えるものではないけれど、私が末長く愛していきたいデニムがこの3本。〈ブリス アンド ミスチーフ〉は、見た瞬間に“すごくこのデニムが欲しい!”という気持ちに。刺繡はしっかりとしたチェーンステッチで、ヒッピーテイストにも陥らず、大人っぽくモードにはけるのが気に入っています。作り手のストーリーが詰まった〈エンソウ〉。ヴィンテージデニムは通常イエローステッチですが、これはところどころをブルーステッチにしてカジュアルな雰囲気を抑えた大人のためのデニム。そして、トラウザーズのパターンで作られた美しい〈ヴェトモン〉。最初は値段にひるみましたが、いざはいたら“買おう!”って(笑)。だって、こんなにスタイル良く見えるデニムなんてうれしいじゃないですか。 デニムというと、なぜかマニアックなオトコの世界になりがちだけど、鏡に映った自分がいつもよりスタイルがよく見えて自信が湧いたり、ハッピーになれたり、そんな女性らしい素直な目線で選びたい。大切なのは、安いデニムをアレコレと買うのではなく、本当に気に入ったものだけをじっくりはいて自分のものにすること。はくほどに体になじんでいくデニムだからこそ、長く付き合うのが楽しいし、人生が充実すると思うんです」
Iko Natsukawa
2014年よりヴィンテージマンションの一室に「High and Seek」をスタート。小ロットで丁寧な物作りをしている各国のデザイナーズアイテムを、愛と情熱をもってセレクトしている。