東京・表参道「AT THE CORNER BY ARTS & SCIENCE」にて、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動する〈dosa〉のインスタレーション『Beni Pink』が開催中。
“Beni PINK”をテーマに、〈dosa〉の鮮やかなピンクコレクションが豊富にラインナップすると聞き、早速現場に直行したY。
ギャラリーに到着すると真っ先に目に飛び込んでくるのは、鮮やかなピンク!ピンク!ピンク!
(外に向けて、ピンクが発光していくようなイメージでディスプレイしたというギャラリー内。)
日本で〈dosa〉のコレクションがここまで揃うことはなかなかに珍しい!
それにしても、どこもかしこもピンクだなんて、なんともウィットに富んだ空間です。
ギャラリーのあちらこちらに配置された写真には、布をピンク色に染色する過程の風景が写し出されていました。
今回のインスタレーションの主役は、日本が誇る『紅花染め』。
紅花・草木染めを継承する草木染め研究家であり、染色工芸家の山崎和樹氏とのワークショップを企画し、そのレポートを通して、『紅花染め』の素晴らしさを広めるための試みでもあるのだそう。
興奮覚めやらぬ間に、来日したばかりのデザイナー、クリスティーナ・キムさんに直接お話を伺うことができました。
_いつ頃から『紅花染め』にご興味があったのでしょうか?
「わたしが染色研究家の和田良子氏に師事していた頃からなので、かれこれ20年前です。山崎さんとは昨年、メキシコで開かれた彼の講義に参加したのが最初の出会いです。時を同じくして、ソニアさんの『ピンクのイベントをやってみない?』というひと言から、この度のワークショップ開催に至りました。この体験は〈dosa〉アトリエのメンバーと〈A&S〉のスタッフが共同で参加することが一番の目的。このように新たな学びを経験することは、わたし自身が常に求めていることでもあるんです」
(3日間のワークショップで制作したストール。シルクや綿など天然素材の生地を染色している。)
_”紅花”の起源は古く、中国のシルクロードを経て渡来したものだそうですね。
「紅花は漢方や薬膳にも使われ、活血作用があるといわれているエジプト産の多様な植物。そのためか、ワークショップの後、普段冷たい私の手は温かくなりました。紅花は見た目に華やかなだけではなく、花の色は肌にも反映し、女性の心と体も美しくさせます」
(染めに使用されるドライの紅花。)
(クリスティーナ・キムさん。ピンクの着こなしがとっても粋です。フィッティングルームのカーテンには彼女と親交のあるアーティスト、キャシー・クラインのパブリックアートプロジェクト「We Kiss」と〈dosa〉のコラボレーションによるファブリックも使用されています。)
「ピンクは女性を表す特別な色。どんなピンクも好きですが、とりわけ発光するような存在感のある”BENI PINK”には強いパワーを感じるんです」
現在、ベーシックラインの「スタンダードイシュー」を中心に、より魅力的な素材への探求やアート活動への参画を積極的に行っているクリスティーナさん。
独自の審美眼と世界の手仕事を知る豊富な知識を以て、彼女が作り出す新たな世界に今後も目が離せません!
イベントは23日(日)まで。
ぜひ、彼女の”BENI PINK”展を体感してみて。
場所:東京都港区南青山6-1-6 パレス青山109
時間:12時〜20時
休み:会期中無休
◯問い合わせ AT THE CORNER BY ARTS & SCIENCE ☎03-6418-7960